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 皆さんは大型連休をどのように過ごしましたか? 思い切り休みを満喫した人も、仕事だった人もいると思います。医療や介護の現場では交代勤務で連休は関係なかったという人も、休日の勤務は人員配置が手薄になったり、面会が増えたりして、普段より大変なこともあったのではないでしょうか。

 さて、休みが終わり通常の生活に戻ったのに、何だか疲れがとれないということはありませんか。

 疲れていると、それだけでイライラしやすくなります。職場でも家庭でも、あるいは通勤や買い物など日常の様々な場面で、普段なら気にもしないようなことにカチンときたりします。

 イライラしがちな時は、周囲に対する不満もたまってくるかもしれません。患者や利用者の対応で仕事がはかどらない、忙しいのに上司から別の仕事を頼まれる、必要な指示が来ない……。ささいなことに苛立って、患者や利用者にトゲのある対応をしたり、不適切に周囲の人に怒りをぶつけてしまったりして、自己嫌悪に陥ってしまうこともありますね。でも、それでは悪循環です。

 

 私たちを怒らせる原因は、周囲の「誰か」や「出来事」でなく、自分の価値観や出来事の意味づけだと説明してきました。そうは分かっていても、特に疲れているときには、視点や気持ちをきりかえることも難しくて、簡単にすっきりとは解決できないかもしれません。

 今回は少し視点を変えて、体調管理について考えてみましょう。

 感情的に安定して過ごすためには、自分の体調管理が不可欠です。風邪気味だったり、頭が痛かったりして体調が優れないと、ますますイライラが募ってしまいます。自分の身体の状態にいちはやく気づいて、体調が崩れる前に整えることが大切です。ところが、この「気づく」ということが意外と難しいという場合があります。

 例えば、自分をイライラさせる相手や出来事に気をとられていると、自分の身体のサインに気づきにくくなるのではないでしょうか。焦っていたり、不安があったりするときも、同様に自分の状態を冷静に判断できないことがあります。

 日常の出来事に対してイライラすることが増えてきたり、気持ちに余裕がなくなってきたりしたら、それは体の変調のサインかもしれません。そんなときは、自分の身体に意識を向けてみてください。

 

 食事や休息、運動など、全てにおいて体調管理が大切なのは、改めて言うまでもないことです。しかし、わかったつもりでも実践しようとするとなかなかうまくいかないこともあります。だって、疲れていても、そんなときに限って忙しくて、結局無理してしまったりしていませんか?

 人をケアする仕事をしていると、自分のケアが後回しになりがちです。

 忙しいときにあれもこれも取り組むのは大変という人は、ひとつだけ「睡眠」に着目してみるのはどうでしょう。睡眠不足は、感情を不安定にする原因のひとつになりますから、自分の感情管理・体調管理のためには良質な睡眠が大切です。

 夜勤のある仕事や家族の介護などで睡眠のリズムが乱れがちな人は、効率的に睡眠の質を確保したいものです。そこで、良質な睡眠をとるためのポイントを紹介します。

・夜勤入りは上手に二度寝する

 人は起床時間が定まらないと調子を崩しやすくなるといわれます。夜勤に入る日も朝は一定の時間に一度起きて上手に二度寝するのも睡眠リズムを保つ方法です。

・夜勤明けに昼寝し過ぎない

 夜勤明けで昼間に寝過ぎないようにして、夜にまとめて眠るようにしましょう。夜勤明けの午前中は、覚醒していても昼過ぎから急に眠くなったりすることがありますが、昼寝し過ぎてしまうと睡眠リズムが乱れてしまいます。

・休日もしっかり寝る

 休日を思い切り楽しんで寝不足になってしまう人もいるかもしれません。不規則な勤務でなくても休日に予定を詰め込み過ぎて睡眠不足を作ってしまうと仕事の日に影響してしまいます。

・寝室は寝る場所と決める

 ベッドに入ってから本を読んだりメールしたりすると脳の中の言語野が働きます。また脳は場所と行為をセットに記憶するので、本を読んでいなくてもベッドに入ったときに言語野が活性化してしまいます。夜勤の休憩時間などにスマートフォンを見たくなることもあると思いますが、仮眠する際はベッドではスマートフォンを見ないようにして、眠る環境を整えましょう。(参考資料:おはよう21 2017年4月増刊号「介護もイライラ・モヤモヤをすっきりさせる4つの方法」)

 上手に良質な睡眠をとることで、イライラから解放されましょう。

 

<アピタル:医療・介護のためのアンガーマネジメント・コラム>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/anger/(アピタル・田辺有理子)

アピタル・田辺有理子

アピタル・田辺有理子(たなべ・ゆりこ) 精神看護専門看護師・保健師・精神保健福祉士

横浜市立大学医学部看護学科講師。大学病院勤務を経て2006年から看護基礎教育に携わる。アンガーマネジメントファシリテーターTMとして、医療・介護・福祉のイライラに対処するためのヒントを紹介する。著書に『イライラとうまく付き合う介護職になる!アンガーマネジメントのすすめ』(中央法規出版)がある。