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 かかりつけの医師や薬局を見つけましょうという言葉を見かけたことのある人は多いと思います。「どうしてかかりつけがあったほうがいいの?」とか、「そうはいってもどうやって見つけるの?」と思う方もいるでしょう。

 お子さんが突然具合が悪くなってどうしたらいいのかわからない時や、耳慣れない病気であると診断された際、慌ててしまいますね。そんな時、患者さんの普段の健康状態やバックグラウンドを知っている医師に相談できると安心です。必要に応じて詳しい説明や検査をしたり、紹介状を書いたりしてくれます。

 かかりつけ医の見つけ方は東京都医師会がホームページで説明しています。それによると、ポイントは五つあります。①近くにいる②どんな病気でもまっさきに相談できる③かかりつけ医を基点に地域の医療機関との連携がとれ、いつでも診てくれる④病状を詳しく説明し、患者の疑問に答えてくれる⑤必要なときにふさわしい医師を紹介してくれる。

 こうした一般的なかかりつけ医の見つけ方を踏まえ、患者が子どもである場合にはどんなポイントがあるか、整理してみましょう。

(1)距離的に近く診療時間帯にかかりやすい

 家や保育園・幼稚園に近いとか、曜日や時間の都合がいいかどうかというのは、おそらく一番多くの人がよく確認することだと思います。やはり、1回だけでなく先々もかかろうと思ったら、とても大事なことですね。いつもの風邪症状はここに行く、夜間や休日だったらどこに行くと決めておくと慌てないでしょう。

(2)病状の説明がわかりやすく質問しやすい

 実際の距離だけでなく、心理的な距離も大切です。「こんなことを聞いたら怒られるかもしれない」とか、「本当のことは話せない」などと遠慮しなくてはいけない医師は、かかりつけ医に向いていません。

 また、なかなか治らない時に、別のクリニックや病院にいくつもかかるという人もいます。でも本当は、初めにかかったところに「もらっている薬ではよくならない」とか、「こんなに調子が悪いことが続くのはなぜでしょう?」と聞けるといいんです。別の医療機関に行っても、同じ治療をするしかないということもあるでしょう。そうなると、調子の悪い子どもはあちこち行かなくてはならず、保護者も連れて行って説明をするという手間が二重にも三重にもなります。

(3)小児科専門医である

 小児科の専門的な勉強と経験を積み、日本小児科学会の試験を受けて認められた医師は、「小児科専門医」と掲げています。病気の診察だけでなく、乳幼児健診も子どもの成長と発達をよく知る専門医にしてもらったほうがいいですね。

 また子どものワクチンは、数年おきに新しいものが増えたり、任意接種から法律で決められた定期接種になったりします。小児科専門医は日常的に予防接種を行っていて慣れていますし、ワクチンもそろっているので安心です。

 20床以上の入院施設を備えた医療機関を「病院」といいますが、通常、小児科は内科や外科とは分かれていて、小児科の専門医が診療をします。一方で、診療所(クリニック)は、入院ができないか入院施設が19床以下の医療機関のことです。多くの診療所は、医師が1人です。もしも看板などに、内科・外科・小児科・皮膚科…などとたくさんの診療科を併記してある診療所を見たら、その先生の専門は一番始めに書いてあるものです。だから、「○○科・○○科・小児科」と書いてあったら、その診療所の先生は小児科の専門医という資格を持っていない可能性が高いということです。

(4)適切なタイミングで他の医療機関を紹介してくれる

 子どもの場合、内科だけでなく、皮膚科や耳鼻科などに関連する病気にもよくかかります。専門の医師でなくても、ひとまず子どものことならなんでも相談できるといいですね。専門外だったり、そこの医療機関で検査や治療ができなかったりという場合は、速やかに別の医療機関を紹介してくれるのが望ましいです。

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 病気一つしない丈夫な子でも、予防接種や乳児健診のために子どもは医療機関に行くことが多いです。一度、予防接種を受けたり、乳児健診をしたりしたら、医療機関を途中で変えたらいけないのではないかと思っている方がいますが、そんなことはないんです。むしろ、こういった機会に、かかりつけ医にしたいかどうか色々と見ておくといいと思います。

 また、保育園・幼稚園の園医さんを知っていますか? 入園するときに一度は、診てもらっていることと思います。乳幼児健診は、自治体によって月齢などのタイミングが多少違うものの、保健センターや保健所で行われていますね。その市区町村の医師会に入っている小児科の医師が健診を行うことが多いので、自分で検索したり近所だという理由で選んだりするのとはまた違う医師に会うことができます。

 ここまで挙げてきたポイントのほかにも、感染症予防のために待合室が別にあるとか、予防接種や健診の時間が診療と分けて設けられているといったことで選んでもいいです。受付の人や看護師、医療機関の建物などを全体的に見てかかりつけを決める場合もあるでしょう。子どもが遊べるキッズスペースがあるところもありますが、待ち時間を過ごせていいという人もいれば、医療機関にある絵本やおもちゃには触れさせたくないという人もいるでしょう。

 急変の心配がない時に自分に合った医師・医療機関かどうかをチェックし、安心して診てもらえるかかりつけ医を見つけられるといいですね。

<アピタル:小児科医ママの大丈夫!子育て>

http://www.asahi.com/apital/column/daijobu/(アピタル・森戸やすみ)

アピタル・森戸やすみ

アピタル・森戸やすみ(もりと・やすみ) 小児科医

小児科専門医。1971年東京生まれ。1996年私立大学医学部卒。NICU勤務などを経て、現在はさくらが丘小児科クリニックに勤務。2人の女の子の母。著書に『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』(内外出版)、共著に『赤ちゃんのしぐさ』(洋泉社)などがある。医療と育児をつなぐ活動をしている。