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 晴れた日は日差しが気になる季節です。私が子どもの頃は、「小麦色に焼けた肌」と言えば健康の象徴でしたが、今では一般的に日焼けを避けるようになりましたね。紫外線についていろいろなことがわかってきたからです。

肌が赤くなったり黒くなったり…なぜ?

 日焼けの原因となる紫外線は、波長の長さによってUV-A、UV-Bに分かれます。日焼けの主な原因はUV-Bですが、UV-Aは肌の一番外側の表皮だけでなくもっと深い部分の真皮にまで届き、皮膚が厚くなりゴワゴワする光老化などの原因になります。紫外線を浴び続けていると、長期的には、シワ、シミ、皮膚がん、白内障などの影響が出ることがあります。

写真・図版

 日焼けして肌が赤くなることを、サンバーンと言います。日焼けして数時間後から起き、数日で収まります。肌の炎症なので、ひどい場合はヒリヒリ痛み、水ぶくれができることもあります。サンバーンになってしまったら冷やすといいでしょう。タオルにくるんだ保冷剤や、ぬれタオルなどを使います。

 肌が黒くなるサンタンは、紫外線によって肌に炎症が起こった結果、表皮の色素細胞が刺激されメラニン色素が増えた状態です。数日後に黒くなり、数週間~数カ月続きます。

 メラニンをあまり持たない色白の人が日焼けをすると、サンバーンだけで終わり、その後のサンタンは起こりにくいです。逆にもともとメラニン色素を多く持つ色黒の人は、赤くならずに日焼けしていっそう黒くなるという場合もあります。

ラッシュガードもおすすめ

 子どもは大人に比べて皮膚が薄く、紫外線の影響を受けやすいので、赤ちゃんのうちから対策しましょう。ただ、子どもは日焼け止めを塗ろうとしても嫌がったり、こまめな塗り直しも大変だったりしますね。場面によって、日焼け止めと、日光そのものを避けるような対策を使い分けましょう。

 1日のうち紫外線量が多いのが午前10時から午後2時です。真夏に危険なくらい暑いのもその時間帯ですね。できればその間は、直射日光にあたって暑い場所に行くのは控えましょう。日陰は日なたよりも紫外線量が50%少なくなるので、日陰を歩きましょう。

 帽子をかぶるのもいいですね。嫌がる子には、日傘やベビーカーのシェードなども使いましょう。ただし、反射や照り返しで地面などからも紫外線が入ってくるので、それだけでは日焼けを避けられません。UVカットの機能があるメガネやサングラスは、眼への紫外線を大幅に減らしてくれます。

 衣服は透けるような薄手のものよりは目が詰まった布でできていて、紫外線を反射してくれる白や薄い色のもののほうがいいです。七分袖など風通しのあるものもいいでしょう。また、海水浴やプール遊びのときは特に肌を広く露出します。ラッシュガードは、マリンスポーツ中のケガだけでなく、紫外線からも守ってくれます。

肌に優しい日焼け止めは?

 紫外線を浴びないように注意しつつ、衣服や帽子で覆えない顔などは、日焼け止めを使いましょう。汗をかいたり衣服について落ちたりするので、2〜3時間おきに塗り直す必要があります。

 日焼け止め(サンスクリーン剤)に入っている主成分には、紫外線吸収剤と散乱剤があります。吸収剤はUV-Bをよく吸収します。散乱剤は、含まれる粉末がUV-AとUV-Bを散乱させ、両方を遮ってくれます。

 吸収剤は白く浮きにくいので使いやすいですが、かぶれる人もいます。塗ると赤くなったりかゆくなったりする場合は、紫外線吸収剤が入っていないものを選びましょう。メトキシケイヒ酸オクチルやジメチルPABAオクチルといった名称で成分表示に書かれています。吸収剤の入ってない日焼け止めを「ノンケミカルサンスクリーン」と呼びます。

 「オーガニック」、「自然派」といった表記をしているものもありますが、基準にのっとった検査があるわけではありません。「無添加」や「天然成分配合」と書いてあっても、安全だとは限りません。

 親御さんから、「日焼け止めは赤ちゃんも使えますか?」と聞かれることがよくあります。日本小児皮膚科学会のサイトには、「サンスクリーンは、小さい赤ちゃんから使うことができます」とあります。(http://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html別ウインドウで開きます) 製品によっては「生後28日以降の赤ちゃんにも使える」などと具体的に書いてあるものもあるので、確認してみましょう。

紫外線の避けすぎにも注意を

 一方で、紫外線は過度に避けるのも良くありません。

 近年、1〜2歳でビタミンD欠乏症の報告が相次いでいます。ビタミンDは食べ物からのカルシウム吸収を増やし、さらに腸や腎臓、骨で働きます。不足すると骨の発育不良を起こし、脚が変形したり歩くときに痛みが出たりする「くる病」を引き起こすことがあります。

 ビタミンDは魚やキノコ類でも摂取できますが、紫外線にあたることで体内で作られます。ビタミンD欠乏症の増加は、紫外線対策のやりすぎも一つの原因ではないかと言われています。もちろん、この時期にことさら日光にあたる必要はありません。真夏の東京だったら昼頃3分程度で十分です。顔と両腕を合わせたくらいの面積(体表面積の約25%)を日光にあてるようにします。

 紫外線には悪い部分もありますが、いい面もあります。気をつけながら、暑い夏を過ごしましょう。

<アピタル:小児科医ママの大丈夫!子育て>

http://www.asahi.com/apital/column/daijobu/(アピタル・森戸やすみ)

アピタル・森戸やすみ

アピタル・森戸やすみ(もりと・やすみ) 小児科医

小児科専門医。1971年東京生まれ。1996年私立大学医学部卒。NICU勤務などを経て、現在はさくらが丘小児科クリニックに勤務。2人の女の子の母。著書に『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』(内外出版)、共著に『赤ちゃんのしぐさ』(洋泉社)などがある。医療と育児をつなぐ活動をしている。