朝方に降った雨で落葉が濡(ぬ)れ、すべりやすい。足元の岩にもコケがびっしり付く。意識は次の一歩に集中し、せっかく「山路(やまみち)」に来たのだから何か考えねば、と焦っても、何も浮かばない。こんな道を登っていくと、峠の茶屋に着く。熊本市郊外、夏目漱石が歩いた「草枕の道」のうち、当時の雰囲気が残る鎌研…

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