偶然や運命に翻弄(ほんろう)され、過去の因縁と人生の難局に直面している宗助は、物事に懐疑的であり〈苦笑〉の表情ばかり見せている。そこには退嬰的(たいえいてき)でニヒリズムの翳(かげ)すらある。しかしそうした宗助は御米の存在なくしてありえないものだった。…[続きを読む]

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