絶対国防圏の最強の砦(とりで)のマリアナ諸島(サイパン、テニアン、グアム)の陥落が確定した昭和十九年(一九四四)の夏、新聞には「一億、試煉の秋(とき)」「南溟(なんめい)の仇(あだ)を報ぜん」などの文字が躍ったが、国民の士気は日に日に落ちていくばかり。B29の本土空襲の防ぎようのないことが明らかに…

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