明治大の剣道部主将だった父は、広い背中の堂々たる偉丈夫で、付き合いも広く来客の絶えぬ人でした。子煩悩で、長男の僕は父のあぐらの上がお気に入りの定位置。来客時にもちょこんとおさまる僕の目の前で、酒を酌み交わす酒豪の父の太い手首に巻き付き、時を刻んでいたのがヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計でした…

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