消費増税した場合、収入が少ない低所得者の負担を軽くするため、食料品などの生活必需品の税率を低くする「軽減税率」が注目される。その時に必要なのが「インボイス(invoice)」だ。貨物の送り状や商品の明細書を意味する。
消費税は消費者が払っているが、商品になるまでにかかわった業者も払っている。材料の仕入れから加工、流通などをした際に消費税がそれぞれかかっている。
イギリスやフランスなどの欧州各国では、モノやサービスの代金を請求する「明細書(インボイス)」に、税抜き価格と消費税を記すことが義務づけられている。税率や税額などを記してあるため、業者はインボイスによって売り上げと消費税がはっきりわかる。インボイスをみれば、納めるべき消費税が一目瞭然になるのだ。
欧州では「軽減税率」を採用している国が多い。インボイスならば、商品ごとに税額や税率が記されているため、税を徴収する政府もどれだけ消費税がかかったかが把握できる。
一方、日本では業者が請求書を保存し、そこから消費税を計算して納めている。だが、日本の請求書には消費税額を記す義務はない。消費税がいくらになるかは業者の自己申告だ。