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2012年5月11日10時23分
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〈仕事のビタミン〉内藤純一・全信組連理事長:5

写真:内藤純一(ないとうじゅんいち)1951年生まれ。75年大蔵省(現財務省)入省、銀行局銀行課長などをつとめた後、2001〜03年まで名古屋大学大学院経済学研究科教授。東海財務局長、金融庁総務企画局長などをへて、11年から全国信用協同組合連合会理事長。早稲田大学ビジネス・スクール客員教授。経済学博士。細川卓撮影拡大内藤純一(ないとうじゅんいち)1951年生まれ。75年大蔵省(現財務省)入省、銀行局銀行課長などをつとめた後、2001〜03年まで名古屋大学大学院経済学研究科教授。東海財務局長、金融庁総務企画局長などをへて、11年から全国信用協同組合連合会理事長。早稲田大学ビジネス・スクール客員教授。経済学博士。細川卓撮影

■金融危機から得た教訓1 ジャパナイゼーション

 今回から私が仕事で経験した二度の金融危機についてお話ししようと思います。まず、ここでいう二度の金融危機の第1回は、1995年から本格化し、97年、98年に混乱の頂点を迎える、あの日本の金融危機です。

 2回目が2008年9月のアメリカの大手投資銀行、リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)から始まる欧米発の金融危機です。

 いずれもが70年に一度とも100年に一度とも言われる大危機でした。

 私は1回目は旧大蔵省銀行局の課長として、2回目は金融庁の総務企画局長として真正面から金融危機と向き合う仕事をしました。

 私たちは金融危機をどうとらえるべきか。そのなかで金融当局者はどう問題点を分析して、対応・行動してきたか。また、欧米はどういう考え方に基づきこの難局に対処したか。そして、将来に生かすべき「教訓」とは何か。

 こうした事柄について、私の思いを交えながらお話ししたいと思います。

 まずは足元の話から始めましょう。

◆欧州の抱える大きな矛盾

 この1年を眺めますと、国内的には言うまでもなく東日本大震災からの復旧・復興、福島原発事故への対応に強い関心が集まりました。

 一方で、国際的には欧州の政府債務(借金)危機(ギリシャをはじめとする欧州ソブリン危機)が深刻化しました。この問題は不安定と小康を繰り返しながら現在に至るのですが、問題の本質は、欧州諸国がユーロという共通の通貨を発行する欧州中央銀行を持ちながらも、税や予算などの財政主権は依然として各国に残され、欧州を統合する政府を持ち合わせていないという「大きな矛盾」を抱えていることにあると考えます。

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