写真・図版欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は1日、ECBは金利をマイナス領域から引き上げようとしているが、マイナス金利を脱却した後の引き上げは、先行きが不透明なため、入手するデータ次第になるとの認識を示した。(2022年 ロイター/Ralph Orlowski)

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 [フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は1日、ECBは金利をマイナス領域から引き上げようとしているが、マイナス金利を脱却した後の引き上げは、先行きが不透明なため、入手するデータ次第になるとの認識を示した。

 ECBは7月21日の理事会で10年あまりぶりに利上げし、イタリアなどの域内債務国の借り入れコスト抑制を目的とする新たな債券購入制度を発表するとみられている。

 パネッタ氏は7月理事会で25ベーシスポイント(bp)利上げする計画は支持するものの、9月により大幅な利上げをする可能性があるというガイダンスは繰り返さず、行動するとすれば緩やかであるべきと述べた。

 「われわれは、ネットの資産買い入れやマイナス金利など、デフレ脱却に向けた政策を終了させようとしている。しかし、それ以降の金融政策スタンスの調整は、インフレと経済の見通しの進展に依存する」と述べた。

 この日発表された6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年比上昇率が8.6%で、前月の8.1%から加速し過去最高を更新した。

 パネッタ氏は、消費と投資が新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を下回っており、賃金は物価ほど上昇せず、ウクライナ戦争で景気が悪化しているとして、インフレ率の大幅な上昇は過剰需要を反映していないと指摘した。

 また、域内で金利差が生じる「分断化」を防ぐことが、ECBの物価目標達成には不可欠と主張。

 「分断化によって脆弱な国で資本流出や利回り上昇が起こり、資金調達条件が過度に厳しくなる。脆弱度が最も低い国には資本が流入し、利回りが低下し、その結果、資金調達条件が緩くなり、インフレ高進が起こる」と指摘した。