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製薬再編、再加速も 三菱ウェル・田辺合併へ

2007年01月19日

 三菱ウェルファーマと田辺製薬が合併に向けて動き出した。製薬業界では、第一三共が誕生するなど経営統合が相次いだ05年以来の再編劇。各社が規模拡大を図る一方で、薬価引き下げや外資の攻勢など、経営環境は厳しさを増すばかりだ。2社の決断には、より大きな資金力をつけて、新薬開発や海外展開を積極的に進める狙いがある。両社の縁結びを機に、業界で新たな統合再編が始まる可能性もある。

図表

国内製薬会社の再編の流れ

●生き残りへ競争激化

 「1足す1が2以上になる合併であれば、田辺の名前にこだわらない」

 田辺製薬の葉山夏樹社長の口癖だ。

 合併で売上高は4000億円強に、研究開発費は計780億円強と国内5位前後の規模になる。田辺の場合、70年代に出した降圧剤がヒットするなどした。しかし最近は、両社とも大型の新薬で後れをとる。資金力を高めれば、開発競争で優位に立てるとにらむ。

 三菱ウェルの親会社の三菱ケミカルホールディングス(HD)の思惑も垣間見える。同HDにとっては、原油価格などで業績が大きく左右される石油化学に比べて、医薬品は利益率が高いうえに長期間、安定した収益が期待できる。住友化学も、傘下の住友製薬と大日本製薬とが合併し、医薬品事業が連結営業利益の約4割を稼ぎ出した。

 課題も多い。大和総研の宮内久美シニアアナリストは「両社の疾患領域が重なっておらず、開発や販売で知識を共有しづらい」と分析する。支店の統廃合など短期的な合併効果はあげられるが、肝心の開発技術で合併効果が見えづらいという。

    ◇

 今後も今回のような企業合併・買収(M&A)が進むという見方が製薬業界で強まっている。

 日本製薬工業協会の青木初夫会長(アステラス製薬会長)は二極化を指摘。「大手が統合で規模を拡大した結果、中堅以下のメーカーとの格差が広がった」と話す。

 中堅メーカーの経営環境は厳しくなるばかりだ。有効な新薬が出れば業績も一気に好転するが現状の開発費では難しい。「大手との格差縮小には規模拡大しかない」(中堅メーカー幹部)との思いは根強い。

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