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バイオガス一般供給へ ガス会社に義務化、実証実験も

2009年8月5日0時56分

図:  拡大  

 下水処理場などで作られるバイオガスの利用が、ガス会社に義務づけられる。地球温暖化対策の一環だ。経済産業省は8月から、対象となる事業者や義務量などの議論を始めるとともに、ガス会社による買い取りに向けた実証実験に乗り出す。

 バイオガスを既存のガス管に入れるとガスがあまり混じり合わないまま家庭に届くため、都市ガスと成分をそろえる高度な精製設備や品質の監視装置が必要だ。こうした設備投資は、バイオガスの製造者がガスの売却代金で回収することになるが、ガス会社もガス代の値上げを避けるため、購入金額は高くできない。双方にとってコスト的に割に合わないことが、普及を妨げてきた。

 バイオガスを買い取って一般に供給しているのは現在、金沢市と新潟県長岡市の2事業者だけ。いずれも近くの下水処理場から都市ガス製造所まで管を通じて送り、100倍以上の都市ガスと混ぜた上で供給している。この方式なら品質管理は容易だが、導管の敷設費が高く、バイオガスの発生場所とガス製造所が近くにないと無理だ。東京ガスや大阪ガスなど大手4社は昨春、相次いで、受け入れられるガスの品質などを定めた購入要領をまとめたが、まだ実績はない。バイオガスのほとんどは、発生する食品工場や下水処理場で、発電や冷暖房などに使われているのが現状だ。

 国土交通省によると、全国約300カ所の下水処理場から出るバイオガスは、年間3億立方メートル。このうち3割は場内でも使いきれず、燃焼させて大気中に放出しているという。ガス会社による買い取りが進めばこうしたガスも有効に活用できる。

 事業者の動きを後押しするため、経産省は6億2千万円をかけ、全国2カ所で買い取りに向けた実証実験を始める。9月中に事業者を決める予定で、精製設備や導管への接続費用を100%補助する。安価な設備の開発も、買い取りのカギを握る。(竹中和正)

 バイオガス 下水処理場の汚泥や生ゴミなどを発酵させて作る。主成分はメタン。7月1日に「エネルギー供給構造高度化法」が成立、一定の規模以上のガス会社は2年以内にバイオガスの利用が義務づけられる。バイオガスは燃やしても、動植物が成長の過程で取り込んだ二酸化炭素を再び放出するだけなので、環境に優しいとされる。電力会社にはすでに、太陽光や風力など自然エネルギーによる電気の利用拡大を義務づける制度がある。

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