2010年2月26日2時10分
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は25日、首脳人事を正式発表した。従来同様、合併前の旧三菱銀行出身者が主導しつつ、他行出身者とのバランスにも配慮した布陣にした。日本最大の銀行グループである三菱UFJは、財務の健全性や安定性でも群を抜いているが、収益力の面では課題が残っている。
旧三菱銀行出身の畔柳(くろ・やなぎ)信雄FG社長(68)の後任に同じ三菱出身で三菱東京UFJ銀行頭取を務める永易(なが・やす)克典氏(62)を起用。旧三和銀行出身の玉越良介FG会長(62)の後任には、やはり旧三和出身の沖原隆宗三菱東京UFJ銀行副会長(58)が就く。旧三菱信託銀行出身の上原治也副会長(63)の後任には岡内欣也・三菱UFJ信託銀行社長(58)をあてる。
三菱UFJは一昨年秋に米投資銀行モルガン・スタンレーへの90億ドルを出資し、提携を実現。消費者金融のアコムの連結子会社化など積極的な投資を続けてきた。しかし、規模が小さいほかのメガバンクグループに比べ、収益力は劣る。重複するカード会社などの傘下企業を整理し、グループの強みを生かして収益力を高められるか。永易氏の手腕が問われる。