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イオン、初の減収 米国子会社リストラで増益は確保

2010年4月14日23時1分

写真:総合スーパーが中核店として入るイオンのショッピングセンター。テコ入れで収益力の向上を急ぐ=埼玉県越谷市総合スーパーが中核店として入るイオンのショッピングセンター。テコ入れで収益力の向上を急ぐ=埼玉県越谷市

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 大手小売りのイオンが14日発表した2010年2月期連結決算は、値下げ競争が厳しく、売上高が前期比3.4%減の5兆543億円にとどまった。イオンによると、1974年の株式上場以来、グループとしては初の減収という。しかし米国子会社の不採算店の閉店を進めるなどコスト削減にとりくみ、営業利益は4.7%増の1301億円と、3期ぶりの増益。純損益も前期の27億円の赤字から311億円の黒字に転換した。

 合併・買収をくり返して成長を続けてきたイオンの足踏みは、「総合小売り」が構造改革を迫られている現状を象徴している。

 総合スーパー「ジャスコ」などを運営し、グループ全体の売上高の4割弱を占める中核子会社「イオンリテール」の既存店売上高が、前期より5.3%減った。値下げセールなどで来店客数は若干増えたが、客1人あたりの購入金額は6.4%減った。

 岡田元也社長は会見で、幅広い商品を扱う総合スーパー事業について、グループ内の他の企業の収益もあって「長く変わらずに済んできた」と話し、改革が遅れていたと指摘。ペット関連用品や自転車といった販売増が見込める分野の品ぞろえを専門店並みに強化するなど、テコ入れを進める。

 減収ながらも営業増益に転換できたのは、人件費を300億円以上減らすなど計771億円のコスト削減を実現したためだ。営業赤字を出していた米国の衣料品子会社も、昨年12月に売却を決めた。確定給付型の企業年金の支給を始める時期も、現行の60歳から原則65歳に引き上げた。

 増益に転じたとはいえ、小売り2強のセブン&アイ・ホールディングスの業績と比べると、収益力で見劣りする。セブンが1割近い減収だったことで売上高はほぼ並んだが、セブンは利益率の高いコンビニエンスストア事業や金融事業の占める割合が大きく、営業利益ではイオンはセブンの6割弱にとどまる。

 イオンは子会社の統合などグループ企業を再編し、収益力の向上を急ぐ。利幅の大きい独自ブランド「トップバリュ」の売り上げも増やしていく方針で、11年2月期は増収増益を見込む。1兆2千億円を超えている有利子負債も、11年2月期には500億円以上減らす計画だ。(内藤尚志)

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