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景気統計「リーマン後遺症」 季節調整で数値ゆがむ

2010年4月16日1時53分

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 企業の生産や輸出の増加など、景気の持ち直しを示す経済指標が目立っているなか、生産活動を示す指標で実態とずれた動きが出始めている。「リーマン・ショック」による景気の悪化幅が大きく、指標がゆがむ「後遺症」が出ているためだ。

 経済産業省が15日に公表した鉱工業生産指数の改定値は、2009年前半の指数が上方修正された。季節的な生産の変動の影響を取り除く「季節調整」の計算をする際に、経済危機による大幅な生産減も季節要因と扱われ、上方に補正されたためだ。

 10年初めも指数が上ぶれる傾向が続いており、第一生命経済研究所の新家義貴氏は「足元の生産増の傾向が強まり過ぎている印象を与える」と指摘する。年後半は逆に実態より下ぶれする可能性が高く、「正確な景気判断がしにくくなる」と懸念する。

 ゆがみをなくすには、季節調整で「リーマン・ショック」による影響を除く方法もある。内閣府は、国内総生産(GDP)の算出で、08年10〜09年3月の輸出入の大幅な減少については、変動幅が大きすぎるため季節調整の対象から外した。経産省も同様の方法を検討したが、従来の手法を変えなかった。

 今回の景気悪化は「百年に一度」とされるだけに、「影響を統計でどう補正するかに正解はない」(内閣府幹部)という。ただ、鉱工業生産指数とGDPという、金融市場にも大きな影響を与える指標の算出方法が分かれる結果になった。新家氏は「省庁ごとにばらばらではなく、統一した対応を検討すべきだ」と話す。(橋本幸雄)

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