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鉄道復権追い風、レール輸出ここ10年で1.5倍

2010年5月3日1時43分

写真:米国を走る「マイルトレイン」。貨物は2段積みで、写真左上に延々と続いている=新日本製鉄提供米国を走る「マイルトレイン」。貨物は2段積みで、写真左上に延々と続いている=新日本製鉄提供

 鉄道レールの輸出量が増えている。2009年は38万3千トン(352億円)で、リーマン・ショック後の世界同時不況を挟んでも前年より4%伸びた。10年前と比べれば1.5倍だ。環境意識の高まりで鉄道利用が世界で見直され、社会基盤整備が進む新興国の需要も増えているためだ。鉄鋼メーカーは技術競争を加速させ、市場拡大に力を入れている。

 09年11月、米国の著名投資家バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが、米鉄道会社2位のバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)の買収を発表した。燃料高で貨物鉄道はトラックに対する競争力を高めており、米中貿易の増加も西海岸の港と全米を結ぶ鉄道輸送の伸びを後押ししている。鉄道事業がまだ伸びる「優良銘柄」と判断したのだ。

 新興国ではインフラ投資が活発化。鉄鉱石や石炭などを掘り出す鉱山でも、資源を運ぶ鉱山鉄道の敷設が進む。09年の日本のレール輸出は5割が北米向け、4割がブラジルや豪州など資源国向けだ。

 日本のレール生産量(国内向けを含む)の世界シェアは1割に満たないが、最新技術にしぼって勝負しているのが特徴だ。

 レールは鉄鋼業界で「軌条(きじょう)」と呼ばれる。輸出量の9割が北九州市の港から出荷され、ほぼすべてが新日本製鉄の八幡製鉄所(同市)製だ。八幡は1901年から軌条を製造しており、アジアのレール技術の源流とされる。「需要に応じて0.1ミリ単位の凹凸も調整できる」という。

 現在は耐久性に優れ、さびにくい高級品が主力。補修や交換の回数が少なくて済むため、人のいない砂漠やへき地でも使い勝手がいい。貨物車両が1キロを超えて連なるような北米の「マイルトレイン」のレールにも使われている。

 ライバルの鉄鋼大手、JFEスチールも重貨物鉄道用の新型レール「SP3」を開発。2月に9キロメートル分をBNSFに初出荷した。同社の従来品より寿命を10%以上延ばすなど「世界最高水準の耐摩耗性」を掲げ、新日鉄を本格的に追い上げる構えだ。(福山崇)

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