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JALの会社更生法適用の場合、利用者はどうなる?

2010年1月13日17時0分

 JAL問題について前原国交相は12日、会社更生法を活用した企業再生支援機構の案を支持する意向を示しました。同日のJAL株は朝から売りまくられ、ついにストップ安となりました。

 実際に会社更生法適用となると、JALの関係者、利用者にはどのような不便が出てくるのでしょうか。

 まず株主は、JAL株が100%減資で上場廃止になると、持っている株の価値がなくなります。仮に99%減資でかろうじて上場廃止を免れたとしても、理論上は100分の1くらいの価格になります。

 株主優待制度は無くなるでしょう。ただし、すでに発行している株主優待については、JALが運航する限り有効です。株も無効になれば、当然ながら配当ももらえません。

 JALの一般利用者は、マイレージや早期予約の割引チケットなどの個人向けのサービスを使っていると思いますが、これまでと同様に続けられるでしょう。会社更生法が適用になったとしても、JALそのものの運航は続くからです。更生して新しくやり直していく以上、顧客の獲得は第一命題ですから。

 今回の件で、最もお気の毒なのは、JALの企業年金に加入していた方々。企業年金の半分以上が積み立て不足になっているので、もらえる年金が、グンと減ってしまう可能性があります。特に、現役世代はもらえなくなる可能性もあります。

 JALの経営再建の足を引っ張ったのは、親方日の丸の危機感の無さと、増資を繰り返し、果ては国の支援まで受けながらはっきりとした再生プランを打ち出せなかった経営陣にあります。政府もこれまで、官僚の天下り先であるJALを放置し、放漫経営を続けさせ、持ちつ持たれつの関係の中で、とんでもない額の増資をさせたり、公的支援をしたりしてきました。

 こうした構造の中では、なるべくしてなったという結末とも言えるでしょう。

プロフィール

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荻原 博子(おぎわら・ひろこ)

1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学習研究社)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。

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