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加藤久美子の乗ってナンボ

祖母・母・子のアメリカ・ドライブ(下)

ラスベガスからデスバレーへ

地図
地図

 今回のドライブ旅行の目的のひとつが、デスバレーに行くことでした。正式には、デスバレー国立公園という地域で、「死の谷」という名前のとおり、全米最高気温(摂氏57度!)を記録した、それはそれは暑い場所なのです。1800年代半ばのゴールドラッシュの時代、東から西海岸に向かって一攫千金を狙う多くの人々が訪れたましたが、人も馬車もあまりの暑さにこの谷を越えられず、力尽きて亡くなることも多く、それで、「死の谷」の名前がついたそうです。西半球でもっとも海抜の低い場所もあり、その暑さは猛烈です。それゆえ、観光シーズンは冬で、真夏はツアーバスも自粛とのことですが、近年は怖いもの見たさの日本人のため?に、真夏の時期にも日本語のバスツアーが出ているそうです。

UFOが現れる?、それも納得

 こんな過酷な場所に、幼児と老人を連れて行くのはいかがなものか?とも思ったのですが、母も行ってみたい!というし、子供は私と運命共同体だし、物好き一家としては行くしかありませんでした。

 デスバレーを紹介する、あるホームページには「真夏にこそ、デスバレーに行く価値がある。日本ではまず体験できない砂漠の暑さを体験しよう」なんて書いてあったので、すっかりその気になり、1ガロン1本と500ミリリットル3本のペットボトル計4本を買い込んで(写真1)出かけることにしました。

写真1
写真1

 真夏のデスバレーにいざ出陣!と思ったのですが、ベガスの街を出たのは午後3時過ぎ。I―15Nを少し走って95号線へ。ラスベガスの華やかさはあっという間に消え、I―15よりさらに何もない砂漠の風景が広がってきます。

 母は助手席で、息子は後席ですでに熟睡。よく寝てくれる二人なので助かります。

 95号線はただただ荒野の中を突き進む道なのですが、北側にはアメリカ空軍の練習場が広がっています。また、その周辺にはUFOの出没で有名な「エリア51」や、Extra Terrestrial Highway(宇宙の道)と名づけられた道路などもあります。確かに言われてみるとそんな気もする風景です。

 95番をひたすら西へ向かい、約90マイルでNV373という道と交差します。この交差点が、Amargosa Valley。地図上では街のようにも思えますが、実際は単なる交差点というより分岐点。信号なんてものもありません。いちおう、ガソリンスタンドと、レストランのようなものがあります。今思えばここでガソリンを入れておくべきでした…。が、まだまだ大丈夫、なんて思って素通り。

 373番を少し走ったところに、ヨロズヤのような場所がありました。母がトイレに行きたいというので、飲み物でも買いがてら降りてみることに。近くにはMotelなどもあるようです。店は外から見ると、開いてるのかどうなのかわからない様子。アメリカの店ってこんな感じが多いです。とくに、クルマもめったに通らないような田舎町のお店は、セキュリティの観点からもガラス部分は極力少な目にしているのでしょう。また、かなり暑い場所なので、ガラス面積が大きいと暑くてたまらないのかも。店に入って飲み物を買い、トイレを借りて、帰りにまたアイスキャンデーを買い、車に乗り込みました。すでに気温はかなり暑く40度前後でも、乾ききった空気ゆえ、それほど不快でもないのです。

 しかし、このあたりからすれ違う車もまばらになりました。クルマ自体、ほとんど見かけません。ちょっと心細いムードに。

パンクした〜!
フォード・フリースター

 アメリカのフリーウェーは、日本の高速道路ほど掃除が行き届いてない。要するに汚いのである。道路にはいろんなものが落ちていて、それを踏んでパンクするのか、あちこちに、バーストしたタイヤの破片なんかが散らばっている。2時間に1回はJHのパトロールカーがチェックしている日本の高速道路ではまずありえない光景だ。道路の損傷なども含め、日本の高速道路って、ホント綺麗なのだなあ、と改めて実感。まあ、それもあって高速道路料金も非常に高くなっているわけだが。

 今回のパンク事件は、ラスベガスからロサンゼルスに戻る途中、目的地であるアナハイムまでもうすぐ、というときに起きた。高速道路で路肩に車を寄せて地図を見ていたの時に、タイヤ近辺に何かを引っ掛けてしまったらしく、走り出すと、カラカラと音がした。いったん停まって、また走り出すと、挟まったものが取れたらしく音がしなくなった。あ〜よかった。と思ったのもつかの間。タイヤ空気圧の警告灯が点灯!あ〜やられた〜。高速をひとまずおりて、ガソリンスタンドに駆け込んで、タイヤを見たら、音を立てて空気が抜けている。やっぱりパンクだよー、どうしよう。時間は夜9時半を回っている。スタンドで何とかしてくれないかな、と思って聞いたがすげなく断られました。

 スタンドで空気を補充、移動して、数件のスタンドに聞いたが、すべて、「もうサービスのものが帰ってるから明日にして」という冷酷な返事。そうよね、パンク後の処理くらい自力でさっさとできないとアメリカの道は走れないよね。(ちなみに私は過去2回、フリーウェーでのパンクを経験していて、そのときは自力で交換している)。自分でやるか〜と決心し、ラゲッジルームに積まれた恐ろしく重いスーツケースを一人でおろし、スペアタイヤを外す作業に取り掛かった。が、取り扱い説明書に書いてある内容と、どう見ても実車の状況と違う。フリースターのスペアタイヤは、車外(車両最後部の底)についているのだが、それを外すロックは車内(ラゲッジルームの床)についている???。

 そのロック部分を探すことがなかなかできず、途方にくれかけていたところへ、正直そうな?お兄さんが近づいてきて「You need help ?」。本当に助かりました、ありがとう。

谷底なのに山頂とは?

 店を出て15マイルくらい走ると、カリフォルニア州に入ります。ここで道路の名前が127号線に変わります。

 そのとき、気付いたのですが、カリフォルニアのほうが、シートベルト着用に関する表記が微妙に厳しいです。ネバダもカリフォルニアも、もちろんシートベルト着用は義務付けられていますし、反則した場合は罰金を支払わねばなりません。しかし、ネバダは、「safetybelt required」。一方、カリフォルニアは「safetybelt enforced by law」。カリフォルニアのほうがとっても厳しそうですね。

 州境から7マイルで、デスバレージャンクションの表示が見えてきます。これを右折、190号線を西へ向かいます。もうすれ違う車も、追い越す車も、まるで見当たりません。周辺は、白茶色の荒野というより低い岩山に囲まれてきました。遠景が望めないのでちょっと不安になります。つまり、これって谷底に向かっているってことです。ただデスバレー自体は、長野県とほぼ同じ広さがあるので、日本でいうところの「谷底」とは、まったく感覚が異なるのですが…。しばらくするとDantes View入り口の標識を発見。この、ダンテスビューとは、デスバレーの見所を一望できる山上のことです。ほぼ海抜ゼロメートルの谷底なのに山?

 しかもその高さは標高1669メートルもあるのです。

 左折して、ダンテスビューへ。ここからがアメリカでは珍しい?山岳道路です。標高差約1700メートルをわずか17マイルでイッキに駆け登るわけですから、かなりの急坂もあります(写真2)。

 フリースターはパワーもあるので、急坂もワインディングもぐんぐん登っていきます。しかし、まだまだ岩山に囲まれているって感じで、周囲の様子がまったく見えません。ガイドブックの写真だと結構すばらしい眺望が望めると書いてあったけど、ホントなのかなあ。必死で登っていって、たいしたことなかったらどうしよう。母はこの景色を喜んでくれるだろうか。いろんな想いを交錯させながら、走っているとやっと頂上が見えてきました。そして、駐車場へ。駐車場には、他に2台、車が止まっていて、観光客らしき姿も見えます。ふう、ちょっとほっとしました。そして、肝心な景色。

凍ったようにも見える、焼け付く塩の湖

 車を停めて、外に出ます。お、かなり涼しい。がけのそばまで歩いて行くと……

 おぉーーー!!

 なんと表現いたしましょうか。まあ日本ではまず見ることのない、不思議な光景が眼下に広がっています(写真3・4)。これが塩の湖。干上がって乾いた塩が白く光っています。なんともいえない色合い。この湖部分が海抜ゼロメートル以下、アメリカ最高気温を記録した場所です。でも、山上からみると、まるで雪がうっすらと積もっているようにも、凍った湖のようにも見えます。多くの人が暑さで命を落とした場所、というのが信じられないくらい涼しげな様相。

写真3
写真3
写真4
写真4

 母も感動している様子で「ここまで来る日本人はそうそういないよ」と、ちょっと自慢げ。寝ていた子供も起きてきて、不思議な景色に見入っています。

 しかし、母は停まっていた2台の車が相次いで駐車場を出てゆくと、急に不安になってきたらしく、「ねえ、そろそろ、行こうかね。これから日が暮れるでしょう」といい始めました。時計を見るとすでに18時半近くなっています。ホントは他にも回りたい場所があったのですが、これではベガスに帰るのが22時を過ぎてしまう。そこで私は、懸念事項を思い出しました。

 そう。、ガソリンがちょっと不安な状況だったのです。来る途中で入れておくべきでした。残り4分の1強なので、まだあと100マイルくらいはいけると思うのですが、なんせ、この近辺はホントに何にもないところ。100キロ走ってもガソリンスタンドがない、なんてことは普通なのです。

 ひとまず山を下ることにしました。ビジターセンター方面に行けば何かしらあるはず。

 上ってきた山道をそのまま下り、いったん190号線に出て左。10マイルちょっと走ると、建造物が目に入りました。ああーやった〜ガソリンスタンドだ!。(写真5)

 車を停めて外に出ると、予想しなかった熱気が車内にスゴイ勢いで入ってきます。いきなりお湯につかったような熱気に驚きます。見るとフリースターの温度計は華氏110度。摂氏に直すと43.3度!

写真5
写真5

 この日はウス曇りで時間はすでに19時を過ぎているのですが、それでいてこの暑さ。さすが、デスバレーです。

 さて、熱気にぼーっとしながらガソリンを入れようとしたのですが、あれ?クレジットカードが認識されない。おかしいなあ。母のカードでも私の2枚のカードでも、何度やってもダメです。何で?

 まあ、現金で入れればいいかと思い、窓口に行くと、「18時でクローズ」との表記。

 えっー、ガソリン入れられないじゃん。ここに来るまでもガソリンスタンドはなかったよ。もっとも近い場所は、95号線から373号線に入る交差点にあったスタンドです。このときはさすがに焦りました。

 先ほどのスタンドがある場所までは、60マイル以上あります。念のためビジターセンターものぞいてみましたが、もちろん、クローズ。さらに「Next Service 72mile」などという標識も発見。つまり、72マイル先までガソリンスタンドはないよってことなのです。

 母や子供に不安な思いをさせてはいけないとおもい、私は平静を装って、「さっきのスタンドで入れるわ〜」と明るく言い放って、ラスベガスに戻ることにしました。

 フリースターのメーターには、「可能走行距離100マイル」と表示されています。大丈夫、大丈夫!

写真6
写真6

ここは、火星か?

 結局、デスバレーに関しては、ダンテスビューのみの観光でした。時間とガソリンがあれば、海抜マイナス86メートルのバッドウォーターや、ホントにさらさらの砂がある砂丘サンドデューン、時間によってさまざまに色がかわるアーチストパレットという岩山など、見に行きたかったのですが…。

 しかしこのあたりの景色も、不思議な雰囲気です。行ったことないけど、火星ってこんな感じなのかな?なんて思ったり。

 さすがに日も傾いてきました。時間は20時近くになっています。西の空では夕焼けが始まりました。

 乾いた砂漠の美しい日没(写真6)

 そしてちょうど日没直後くらいに、無事にガソリンスタンド到着。よかった。たっぷりとガソリンを入れて、一路ラスベガスへ!

 ここからラスベガスまでは80マイルちょっと。夕飯の場所である、ラスベガス大通りのトニーローマについたのは21時半を過ぎていました。いやあーガス欠にならなくてよかった、よかった。

ダミーが飛び出る、クラッシュテストミニカー?

 アメリカのトイザラスで見つけた。さすがアメリカ〜っ!というミニカー。ちなみに日本のトイザラスでは販売されていないようである。あまりに面白いので、買ってしまった。ミニカーのほかに、衝突実験場?を再現したトミカタウンのようなおもちゃもあった。いずれも、アメリカでもっとも有名なミニカー、HOT WHEELのシリーズである。先日試乗会で会ったホンダの衝突安全担当の技術者はこのミニカーのことを知っていた。エンジニアの間では有名なのかも。ところでミニカー好きの私たち親子は、今回のアメリカ旅行で50台くらいのミニカーを買ってきてしまった。スーツケースの重量は35キロ超えた。買いすぎ?

振り返って

 波乱万丈なアメリカ旅も無事に終わりました。今回、子供を連れて初めての海外ドライブ旅行でしたが、単身、または友人や母と一緒に行っていた頃に比べると、さらに事件が多い毎日でした。とはいえ、年寄り、子供を連れての3人旅では、私の場合、車の移動以外は考えられませんのでレンタカーは必須です。

 手のかかる世代の子供が居ると、どうしても、気を取られて注意力散漫になります。それゆえ失敗も多かったのでしょう。体が大きいといっても所詮、相手は3歳児ですから、気まぐれです。車椅子を押す任務など、きちんとこなしたのは期待していた7割くらいでした。もちろん、子供がいたから楽しい事もたくさんありましたが。

 ところで、ひとつ、子連れ旅にあったほうがいいと思ったもの、それは(車とはあまり関係がないのですが)、アメリカも含めて海外のホテルはたいてい、シャワーが壁に固定式(日本のように、シャワーホースがない)になっています。大人だけの場合はさして気にならなかったのですが、これが子供連れとなると、ちょっと困ったことになります。高い位置に固定されているシャワーでは、子供の頭が洗えないのです。最初は苦労して蛇口の下に頭を持って行ったりして洗っていましたが、そのうち、ペットボトルにお湯を入れて流すことを思いつきました。

 子連れ旅で固定式シャワー海外旅行をされる予定の皆さん、お試しください。なお、日本から持ってゆく場合、ペットボトルは危険物(爆弾?)として金属探知機に反応してしまう場合があります(これは日本の空港で国内線を利用する場合も同じ)。とくに、9・11の同時多発テロ以降、アメリカへの入国・出国の際は非常に厳しい検査が行われます。機内持ち込みの荷物のほかに、預けるスーツケースなどもすべて入念に検査します。アメリカ入国時にスーツケース内にペットボトルを入れていると、探知機で反応してしまい、スーツケースを開けて(鍵がかかっていれば鍵を壊して!)調べるそうです。アメリカから出国する場合も同様です。

 最後に、子連れ旅は何かと時間がかかりますので、時間に余裕を持った移動を心がけてくださいね。

 次回は子供がもう少し大きくなってから(5歳過ぎてから)、またアメリカ旅に出かけたいと思っています。


駐車違反やられた〜!
写真A
写真A

 日本からアメリカに着いた日のこと。飛行機内に忘れ物をしたことに気付いて空港に再び戻った。車内に母と子を残して送迎用の駐車スペースに車をおいて行ったのだが、予想外に時間がかかってしまった。車に戻ったら、フロントガラスにチケットが3枚!(写真A)車内にいた母も必死で、電子辞書を使って状況を伝えようとしたらしい。一度は、見逃してくれる雰囲気だったらしいけど、結論としてチケットが残っていた。しかし、どこで支払っていいのかもよくわからず、そのままグローブボックスの中に入れたまま、半分忘れていた。ま、いいか〜なんて思って日本に戻ってきたら、しっかり、アメリカから違反チケットが送られてきてしまった。うう、こりゃ払うしかないか。でも、どうやって払ったらいいの?と思ってよく見たら、なーんと、LACITY-PARKINGのウェブサイトにいって、VISAかマスターカードで払えると書いてある。いいな〜日本の反則金もこうしてほしいものだ。(ってそんなに頻繁に違反をしているわけではないが。日本の反則金は窓口でしか払えない)。

 ちなみに反則チケットは30ドル×3枚であった。


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