昭和44年、兵庫県西宮市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。専門は危機管理学、リスク・コミュニケーション、テロ対策、インテリジェンス、災害対策など。内閣官房等で防災、国民保護、テロ対策、新型インフルエンザ等に関する委員を歴任。元コロンビア大学戦争と平和研究所客員研究員。著書に『リスクコミュニケーション~多様化する危機を乗り越える』(平凡社新書)、『リスク・コミュニケーションとメディア』(北樹出版)、『テロとインテリジェンス~覇権国家アメリカのジレンマ』(慶應義塾大学出版会)、『大震災とメディア~東日本大震災の教訓』(北樹出版)など多数。…続きを読む
素晴らしい試合。黒船来航から、ベースボールを野球と訳し、大正デモクラシーの挫折をへて真珠湾、ミッドウェイ、広島長崎を経験した日本とアメリカ。その両国がベースボールの真剣勝負で向き合う。これも人類、文化、スポーツ。個性や多様性も尊重し、これで世界を平和にすることを目指せるのではないか、文化交流による平和構築も私たちの課題である。
日本が積極的平和主義を掲げ、民主主義陣営と国際協調主義を維持することは、世界の国際安全保障においても日本の国家安全保障においても長期的な視点で正しい選択であり、その観点から岸田首相がロシアに一方的に侵攻されたウクライナを支援し、ゼレンスキー大統領と直接首脳会談を実施するために現地を訪問することに政策的合理性は存在する。 ドメスティックな一国平和主義の陥穽にあったかつての日本政府にはそれができず、そのためこうした行動をとるための制度が政治的に整備されてこなかったことが問題である。 それが国会での事前承認であり、自衛隊による海外要人警護であり、メディア、マスコミに対する報道の一部規制と情報管理の問題である。 戦争や紛争、テロリズムといった安全保障上の問題を抱える国家、地域に日本の首相や代表者が平和構築のために現地入りすることは、国際協調主義として積極的平和主義の立場からも必要となる時代、状況はこれからさらに求められる。 こうした事態に対処するための足枷となっている現状制度を改善するための契機とすべきであり、改善する具体的な制度改革を行わなくてはならない。今回はあくまでも例外であるという態度を貫き、何の制度改革も行わなければ、今後も半永久的に日本は場当たり的な行動を取り続けるだろう。それは近代国家とはいえない。
1995年3月20日のオウム真理教による地下鉄サリン事件は、テロリズム研究から見れば、世界を代表する無差別化学兵器テロ事件であり、そのインパクトからは9.11アメリカ同時多発テロ事件と並び称されるレベルである。 世界的な都市、首都東京で地
トランプ元大統領は自らの支持者を、自身が作成したSNS「トゥルース・ソーシャル」に集め、SNS内の過激なメッセージ発信を継続している。それにより、フェイクニュースや陰謀論の温床となる、トランプ氏逃れるSNSのエコーチェンバー性、サイバーカス
ICC国際刑事裁判所の非加盟国には、そもそもこのプーチン大統領に対する逮捕状についての拘束力が及ばず、非加盟国においてプーチン大統領が逮捕されることがないのは自明であるが、ICC加盟国をプーチン大統領が逮捕のリスクを冒しても訪問することは合
ICC国際刑事裁判所が戦争犯罪容疑でプーチン大統領に逮捕状。しかしながらプーチン大統領が戦争犯罪にあたる人道に反する罪や、一般市民の大量殺戮に手を染めたのは今回のウクライナ侵攻が初めてではない。 かつてプーチン大統領はチェチェンでテロ対策
東野篤子先生は二重の戦いを強いられてもなお社会的責任を全うしようとされており、その姿勢に頭が下がる思いです。二重の戦いとは、一つにはロシア軍によるウクライナへの一方的かつ全面的侵攻に対して研究者の立場から分析、解説してメッセージを発すること
ロシアによるウクライナへの全面的侵攻から一年。このロシア・ウクライナ戦争には多様な特徴があるが、戦術、兵器の使用、戦場の様相については、かつての古い戦争と同じ側面と、新しい側面が混在していることも確かである。 この記事にあるように、第一次
これを電撃訪問と言うのです。これがアメリカやイギリスにできて、日本にできない情報管理であり、外交能力であり、インテリジェンス力です。この力を日本が持つためには、必要なのはメディアの報道管理、メディア・コントロールではなく、安全保障上で必要な
北朝鮮によるICBM級ミサイルの発射は、アメリカ全土を射程範囲とした長距離弾ミサイルの配備にむけた発射実験であり、さらにはその付随的効果、派生的効果として、アメリカや日本、国際社会に対するメッセージを意味することは間違いない。しかしながら、
日本政府は未だに原発の危機管理で「セイフティ」(安全)と「セキュリティ」(防御)の区別ができていない。 原発の運転延長についての法案を今国会に提出する岸田政権は、原子力規制委員会で出た反対意見を受けて、法案通過のためのハードルが上がった状
『日の丸〜寺山修司40年目の挑発』、このドキュメンタリー映画が表象するもの、社会に問いかけるものは、現代人にとって「日の丸」とは何か?という意味内容だけでなく、人々の生の声を通じて世論という現象を可視化するアプローチの再検討でもある。 人
安全保障に関わる装備品に関する情報保全措置の強化は現代の国際環境においては極めて重要な課題であることは間違いない。装備品の開発、製造のために防衛省が企業側に提供する秘密を「装備品等秘密」に指定すること、漏洩した場合に罰則を設けることがこの法
トルコとシリアの大地震は、地震に弱い建造物が揺れによりいかに破壊されるか、住民がどれだけがれきの下敷きになるか、大規模に街全体が破壊される状況がメディアの映像で伝えられている。広範囲な被災地では救助活動が間に合わない、行き届かないことも改め
『じゆう』(憲法第22条の歌)や『この道』など政治的メッセージの強い曲も社会に発信した。鮎川誠さんはギタリストのロック・レジェンドであると同時に、シーナさんと夫婦で結成したシーナ&ロケッツの音楽活動を通じて、80年代初期から、働く女性の社会
「ロックは愛と自由の武器だ」と鮎川誠さんは語っていた。ロックとは思想でありイデオロギーだという立場とは対極にあるように見える鮎川誠は、ロックとは人生であり生き様だということを、自分の生き方で示し、貫いたロッカーだと思う。自分の余命と病状を伏
この問題の本質は、本来どの国家にも認められる個別的自衛権に認められる行為の範囲はどこまでか、という点にある。その線引きを国際的な基準で行うか、ドメスティックな日本の専守防衛の方針と日本国憲法の解釈の基準で行うか、その議論と合意形成のリスクコ
この記事を報道することに何の意味があるのか、それを問う責任が私にはあるだろう。日本の元首相には、自民党系政治家の一部には、自由と人権、人道主義も平和主義も民主主義的価値観、倫理観もかけらもない政治家がいるということを社会に示すことが、この記
ドイツ社会民主党政権、ショルツ首相がついにウクライナへ主力戦車レオパルト2を供与することを決断したことは、大戦後の東西ドイツ、統一ドイツの歴史の中でも画期的な出来事と言えるだろう。 ロシアとの外交関係を考慮したという以上に、ショルツ首相が
自分のインタビュー記事にコメントプラスするのは掟破りなのかもしれませんが、政府や社会の新型コロナウイルス政策、対策に対する検証をきちんと行うこと、それを次の強毒性新型インフルエンザなど新感染症対策に活かすことが、PDCAサイクルを回すことで