後藤太輔

後藤太輔ごとう たいすけ

朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
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最新コメント一覧

  • 耳ふさぎたくなった母の言葉 高2でスケート靴捨てた私が今思うこと

    後藤太輔
    後藤太輔
    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2022年7月4日11時11分 投稿

    【提案】 この企画を進める際に取材班で確認したことがあります。トップを目指してスポーツに取り組むこと自体は悪いことではない、ということ。ただ、小さな子どもにも大きな負荷がかかるので、その人生や体や心を壊さないように、必要な環境は何かを探っていこうということです。  フィギュアスケートは、トップ選手になるには小さな頃からある程度の練習が必要とされています。私たち報道は普段、人気スポーツのトップ選手の姿を通じて、その成功物語を大きく伝えます。 ただ、その裏で、過度な負荷に苦しんだ方々がいることから目をそらしてはいけません。スポーツが抱える課題面も、社会全体で共有していくことが必要だと考えました。 スケートに限らず、スポーツする子どもとその周辺の大人が、子どものスポーツの難しい面や課題を知り、異変を感じたら相談しながら、全体で対策を考えいく。そんな環境や意識は大切です。 トップ選手やスポーツ団体の方々も、課題をすでに認識しているでしょう。子どもを守るための環境や体制を構築していくことにも、力を入れてほしいと思います。

  • 10代でスポーツ引退「不幸の始まり」 室伏長官が示す全国大会改革

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2022年6月23日18時28分 投稿

    【視点】 子どものスポーツの試合後、日本では親やコーチが「なぜあの場面でこうしなかったのか」と子どもにだめ出しをする。ドイツでは、「グッドゲーム!」と言って抱きしめる。そこには、何を大切にしているのか、の違いがあるように思います。  サッカー強豪校に進んだが、球拾いばかりでやめてしまい、その後喪失感から薬物に走ってしまった男性の話を聞いたこともあります。  スポーツで大切なことは、特に子どもにとっては、「楽しい」と感じて熱中し、「できた」という体験で自信を得て、自ら工夫してがんばれるようになっていく、その過程です。子どもの自信の意思と意欲を奪ってはいけません。  熱中する→がんばれる→周りの人が応援してくれ褒めてくれる  自らの意思でやったことで成功体験を得ると、自信や意欲や自己肯定感など、生きていく原動力が身につきます。  スポーツなので、ゲームの中でそのルールの範囲内では勝負にこだわる必要はあると思います。勝ち負けをつけない、並んでゴール、まではしなくていいと思います。自らの意欲で試行錯誤して、真剣に勝負して、勝ったり負けたりをたくさん経験して、それを次に生かしてほしいのです。  ただ、全国大会があることで、どうしても過熱してしまい、心身を損ねるような練習や、苦痛でしかない取り組みだけを、大人に強制される子が出てくるようであれば、一部スポーツでは全国大会をなくしてしまったほうがいいでしょう。  米国では、ポジティブ・コーチング・アライアンスという、団体があり、トップ選手やトップコーチが協力し、試合での勝利も子どもの成長も目指そう(ダブルゴール)、という指導法を広めています。柱は、「努力」「学ぶ」「ミスをする」ことでした。日本でもこれを採り入れた取り組みがあります。  勝利だけを大切にする勝利至上主義から、勝利を目指す過程を大切にする文化を広めるためにも、影響力ある選手や元選手にはぜひ、積極的に発信、行動してほしいと願っています。

  • 部活改革に今こそ必要な視点と大きな議論 「つけが回ってきている」

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2022年6月16日9時58分 投稿

    【視点】 子どもたちが、「おもしろいな」と思えて、仲間と熱中できるような多様な体験が確保されることが大切だと思います。競技性の高いスポーツだけでなく、ちょっとしたゲーム、スポーツ以外の文化活動やアクティビティーなども含めて。子どもたちが、やりたいと思えることを選べ、それに夢中になっているうちに、頑張れるし目標もできるし、色んな人と出会って世界を広げられるようになれば。  無理やりやらされたり、逆に世界を狭めたりするような今の部活が抱える課題も、一緒に改革していかないといけません。練習時間をもっと短くしたり、多様な参加のかたちを認めたりしたほうがいいでしょう。  部活改革は、中学生や先生だけの問題ではありません。地域でスポーツをする人材が必要になってくるので、今後は地域の人たちの力も必要です。国や自治体がもっと子どものためにお金をかけるべきだと思いますが、限りはあるので、余裕のある企業や団体や個人による支えは欠かせません。  スポーツを応援してきた企業はもちろん、社会全体でさらに働く時間を短くし、社員に家庭や地域で好きなことをして過ごす時間を確保してほしいと思います。それが当たり前になって余裕ができれば、中には子どもたちと一緒にスポーツを楽しもう、指導資格を取ろうという人も出てくるはずです。  社会全体で、人々が職場以外のコミュニティーで過ごす時間を増やすことで、スポーツだけでなく地域の色んな活動が活発になり、豊かな社会を支えていけるようになるのではないでしょうか。

  • 「僕を投げたくない?」 現役五輪王者が訴える勝利より大切なもの

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2022年6月7日11時8分 投稿

    【視点】大野将平選手の危機感、わかります。遊びのようなスポーツの場を増やさないと、スポーツ離れは進むでしょう。 きょうは広場でサッカー、きょうは泳ぎに行こう、きょうは芝生で相撲か柔道、ダンスや鬼ごっこやボールゲームの日も。そんな風に、仲間で集まって楽しむ遊びのようなスポーツ教室ができるところは、あまりありません。スポーツ教室は、一つのことに特化したところが多い印象です。 成長が早い選手が過度な練習でつぶれること、成長が遅い選手がスポーツ嫌いになってしまうことを避けるには、子どもの頃は遊び感覚のゲームをたくさんやることです。ルールも柔軟に、勝ったり負けたりできるようにしたほうがいいでしょう。 大野選手のようなトップ選手が、小中高までは成績にこだわる必要はないし、負けていいと発信することは大きいです。環境も大会も指導者や親の意識も変わるように、トップ選手には大切なことをもっと発信してもらいたいです

  • 羽生、宇野、鍵山… 小塚さんが語る全日本選手権展望と選手の強み

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年12月22日8時31分 投稿

    【視点】 「GPファイナルを一番滑りたかったのは、たぶん宇野選手ではないかと僕は思います」など、厳しい大会を何度も経験した小塚さんだからこそわかる感覚を聞かせてもらうことができました。  フィギュアスケートはゴルフと並んで、通常の体の状態、通常の精神状態に近いものを保たなければいいパフォーマンスができないと聞きます。佐藤信夫さんも、「興奮状態で力が出すぎたら回りすぎる。力が弱すぎたら回転が不足する」といった趣旨の話を常々していました。  繊細なスポーツです。各選手が心身をどうコントロールして臨んでくるのか楽しみです。

  • 鈴木大地さん、気になっていた仲たがい JOCともう一つの司令塔

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年12月10日10時42分 投稿

    【視点】 メダルを取り「感動、勇気、元気を届ける」ことがスポーツの力なのか。  私は違うと感じています。  最も大きな力は、「人と一緒にプレーして楽しいな」と思うことです。楽しいと思えるので一生懸命になれる。すると、いつのまにか他者が応援してくれる。楽しいと思えるから、仲間ができて輪が広がる。そんな体験ができることです。  精神障害者のスポーツや、不登校や引きこもりの子がスポーツをしている姿を取材してきて、それを感じました。  対人関係が苦手で人の輪に入る自信を失っていた人が、だんだんとコミュニケーションがうまくなり、社会に出て行く自信も獲得していきました。  トップ選手の活躍による力も、あるとは思いますが、そこばかりにお金と労力をかけるのはもうやめてほしいと思います。  スポーツ(や他のことでもちょっとした楽しいこと)ができない人のために、きっかけを含めて環境を整えることにお金を使ってほしいと思います。  強化一辺倒や豪華なスタジアムより、参加できる身近な施設や仕組みが必要です。

  • 女子テニスツアー統括のWTA、中国での大会を凍結 性被害告発問題

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年12月2日9時53分 投稿

    【視点】 WTAは、元選手のビリー・ジーン・キングらが、男女同権、女性の地位向上を目指す中でできたという背景があります。男性権力者から受けた被害を訴える女性の声を、力でねじ伏せようとする中国のやり方に沈黙しているようでは、WTAは存在意義を失います。  他のスポーツも、少なからず個々の権利のために闘ってきた歴史があります。 黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソン。ボクシングのモハメド・アリ。メキシコ五輪のブラック・パワー・サリュート。いまでは性的少数者の選手がそれを公表し、差別を受ける若者を勇気づけようとしています。  個人がスポーツを楽しむ権利(個人が自由な選択をしてより良い人生を送る権利)を大切にするというのは、スポーツの大切な価値。それを守るために行動するときではないか、と感じます。  強権的で経済力も大きい中国に対して、スポーツ界の個人や団体は沈黙するのか、それとも、まとまってこの問題に声を上げていくのか。中国側を追認するような行動をするIOCには失望してしまいます。  テニス以外のアスリートや団体はどう行動するのか。普段から「スポーツで勇気を与える」ことを目指している日本の団体やアスリートは声を上げるのか。注目していきたいと思います。

  • 大谷翔平の指導者が捨てた「常識」 才能をだめにしないロジックは

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年11月19日10時18分 投稿

    【提案】 私も以前、佐々木さんに話を聞かせていただきました。選手たちに、本を読むようにすすめ、目標と共にそれを達成するために必要な行動を書き留めるようすすめていました。  それぞれの選手が、自分の考え方、やり方、取り組み方、進む道を、自ら見つけていけるように導いているんだなという印象を持ちました。  佐々木さんはその際も「強制」ということを口にしていました。型にはめてやらせるのではなく、選手が自ら気づき伸びていけるように、何かを課すということだと私は解釈しました。  しかし日本の学校スポーツ全体的には、中学や高校の3年間、大学の4年間で結果を出すことを求められる。そして結果を出すことだけが指導者の評価につながっている。そこに構造的問題があると感じます。  指導者は経験豊富なので、指示した選手がその通りにプレーするよう型にはめた方が、結果を出すには即効性がある。選手が自ら伸びるまで待つには、3年間は短すぎる。  短期の結果を出した指導者だけではなく、卒業後に選手としても人間としてもすばらしい人になるよう導いた指導者が評価される仕組みが必要だと感じます。

  • 「練習以外の活動は許さない」 北京五輪まで100日、高まる緊張

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年10月27日9時41分 投稿

    【視点】 「参加することに意義がある」と言います。なぜでしょうか。  それは、色んなところから集まった多様な人とスポーツを通じて交流し、互いを理解し、そして国際協調や社会のために力をつくす人に成長しよう、ということです。五輪の本来の意義はそこにあります。  しかし来年の北京五輪は、東京大会以上に厳しい規制となりそうです。五輪をすることだけが目的となっている。本来の意義である交流はほとんどなくなってしまいそうです。  中国は、権力者の優位性を示すために、徹底した対策をしてでも五輪を行おうとしています。この記事に出てくる人々の発言にそれが表れています。  IOCにとっても、金と人をつぎ込んでくれる権力者の存在は、巨大な五輪を維持するのに都合がいい。だから、理念に反することがあっても、そこは見なかったことにしてしまいます。  巨大になりすぎた五輪は、理念を大切にしながら開催できる規模に、一度縮小するべきではないでしょうか。

  • 感動以外に何を還元?突かれたスポーツ界 為末大さんが見た東京五輪

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年10月11日11時43分 投稿

    【解説】 米国では大学の部にも地域貢献担当部員がいて、いじめの加害児童や被害児童の相談に乗る活動をしたり、絵本の読み聞かせをしたり、地域貢献活動をしていました。よく「give back」と表現していました。  欧州のスポーツは、日本での町内会やお祭りに近い感覚だと思います。みんなでお金を出し合い、スポーツを楽しみ助け合う地域の仲間になる。その中のトップの部門の試合を、みんなで応援しお祭り騒ぎする。トップ選手は地域の名士で、良い社会のために労力やお金を出すことがごく自然です。  日本のスポーツは親や先生、企業に支えられてきたので、落下傘のようなクラブが地域にできて「みんなのためのスポーツです」と言われても、欧米のような文化はなかなか根付かないのでしょう。  「感動」や、「スポーツ教室」のような普及活動ではなく、地域の仲間として社会の課題に共に取り組む選手が増えれば、日本のスポーツも社会的価値が高まると思います。

  • 五輪反対の声「嫌みでなく、本当にありがたかった」 組織委橋本会長

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年10月7日12時52分 投稿

    【提案】 「開催してくれてありがとう」という輪の内側の声だけを聞き、数々の問題をなかったことにしないよう願います。  日本のスポーツ界は、結果を出すことで、コンプライアンスや環境作りの課題を不問にしてきました。問題を改善しようとする人は煙たがられ、競技団体などで輪の外に追いやられました。  今大会、障害者ら、社会活動への参画に壁がある人に光が当たったことや、試合そのものは良かったと感じます。しかし、スポーツを通じてより良い社会をつくる、誰もがスポーツを楽しめる環境をつくると謳い、投じた巨額の税金に見合う何かが遺ったでしょうか。  一橋大の尾崎正峰教授によると、都内の公立スポーツ施設は13年度から5年間で、854から831に減少しています。立派な大会と施設が巨額の赤字を出す分、市民ための環境整備は後回しにされる五輪の現実も踏まえ、「五輪よかった」だけでなく、課題点もきちんと示してほしいです。

  • アフガン女子王者、五輪の夢は腕に刻んだ 祖国を逃れ1人だけの再起

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年10月4日10時13分 投稿

    【視点】 スポーツ選手はよく「感謝」や「敬意」を口にします。対戦相手やスタッフがいなければ、スポーツが成り立たないからです。社会が平和で安定し、人々に文化を楽しむ余裕があって初めて、スポーツの場が成り立つ。この記事を読むと、それを感じます。  中には、平和や安定した社会を求め、紛争や差別や格差を少しでも減らせるよう行動する選手もいます。五輪でも差別への抗議行動がありました。権力が人々のスポーツの場を奪うことにも抗議しないといけません。  日本では、経済や家庭の環境によって、文化的な生活ができない人や子どもが多くいます。「体験の格差」は深刻です。スポーツを含む文化的な体験をする機会がない人に、それを提供する活動は広がっていますが、まだ少ない。大舞台に出られる恵まれたトップアスリートにこそ、活動の先頭に立ってもらいたいと感じます。

  • 「1億円プレーヤーを」 大企業ずらりのダンスリーグ仕掛け人の勝算

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年9月14日14時1分 投稿

    【視点】 スポーツは本来、楽しみながら、仲間と一緒に自分の心身を磨くものです。ダンスやスケボーなどは、若者たちが楽しみながら上手くなろうとしている。スポーツの原点がそこにあると感じます。  野球やバレーボール、柔道など、子どもの競技人口が減っているスポーツは、年配の指導者が課す猛練習や決まり事に耐え忍ぶ、いわば「根性」でやるイメージが根強く残っているように思います。ただ、それら古い体質が残るスポーツでも、危機感を感じた一部有志が、楽しみながら自らがんばるというスポーツの原点を見直そうという動きもあります。

  • バッハ会長、東京五輪は「希望の象徴」 感染拡大との因果関係は否定

    後藤太輔
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    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年9月9日16時30分 投稿

    【視点】 五輪の開催は、結果的に開催地のスポーツ文化を貧弱なものにしてしまう面もある。国際オリンピック委員会(IOC)や関係者は、その問題に目を向けなければ、市民やスポーツの理解者の中に、五輪招致反対者を増やしてしまう。  大会期間中のフィールドとその周辺だけに目を向ければ、大きな問題は少なく、良かった面もある。しかし五輪のあり方全体に目を向けると、開催地が大きな負担を抱え、IOCだけが利益を増やす仕組みには大きな問題がある。  東京大会は、本体の経費だけでも1兆6440億円になる。関連経費を含めると経費は3兆円を超えるとされる。五輪に伴って新たに造った6競技場のうち、東京アクアティクスセンターなど5施設は、今後1年で計10億円超の赤字が出るとされる。他国開催の五輪をテレビで見るのと比べて、地元開催による負担に見合うメリットはどれほどあっただろうか。  東京都の財政はコロナによって苦しくなっている。都は5兆円超をコロナ対策に充て、都の「貯金箱」財政調整基金は9千億円超から、約2700億円まで減った。  今後、子どもたちや市民が使える身近なスポーツ施設の整備など、一般の人のための文化活動の環境整備は後回しにされるだろう。これは過去の五輪でもあったという研究者もいる。  IOCの収入は世界各地のスポーツ活動に回る良い面もある。とはいえ、IOCが開催地の重い負担から目を背けて自画自賛しているようでは、五輪はますます支持を失い、持続していけなくなるのではないか。

  • 香取慎吾「パラと出会い自分は変わった 終わった今がその始まり」

    後藤太輔
    後藤太輔
    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年9月6日9時30分 投稿

    【提案】 今後は、職場や、学びの場や、地域などの「チーム」の中に、タイプの異なる人が当たり前のようにいる社会を目指したいところです。多くの人が、香取さんのように、それぞれのタイプに合わせて、互いに柔軟に接することが自然になっていくように。  しかし、1分1秒でも惜しいと感じる効率重視の社会ではなかなか難しい。コミュニケーションや、移動や、作業がゆっくりな人がいても、待ったりサポートしたりできるような余裕が社会全体に必要です。  普段は午後5時に仕事を終えて、休みもしっかりあって、余裕のある時間を別のことに使うのが当たり前になれば、育児中や家族の介護が必要な人も含めて、互いに任せたり引き受けたりと、サポートし合う余裕ができるのかな、と思います。  仕事や学業の時間を短くし、そこから離れた別の集団でスポーツしたり文化を楽しんだりするのもいい。ロンドンでは2012年パラリンピックを期に、自閉症児の学校の子と、地域の学校の子がサッカーチームをつくって定期的に遊ぶ活動を始めていました。  職場や学校が多様性あふれる場になるには、仕組みなどの整備も必要で、少し時間が必要かもしれません。まずは遊びの場から、多様な人で集団を作ってみてはどうでしょうか。多様な人が入るようなルールにした、チームスポーツの大会ができるといいですね。そんな余裕を作るためにも、働き方改革はけっこう重要です。  トップアスリートには、誰もが「文化的生活」を送ることができる社会作りの後押し役にもなってもらいたいなと思います。

  • 「義足は関係ない」走り幅跳び3連覇、独レーム「世界最高」へ1歩

    後藤太輔
    後藤太輔
    朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会
    2021年9月2日11時30分 投稿

    【提案】私は、レームが、なんらかのかたちでオリンピック(五輪)に参加できるようにしたほうがいいと思っています。 「義足が有利だ」という感情もわかります。しかし、完全な公平とは何でしょうか。 経済力や練習環境など考えると、完全な公平など、もともとあり得ないこと。一定のルールを決め、参加者を中心に多くの人が「これなら一緒に競っても勝ったり負けたりするからおもしろいし公平だと思える」状況で競っているのだと思うのです。 医療が進歩したとき、足の指だけ、つま先だけ、関節だけ人工素材の人は五輪に出場できない? 靱帯や腱が人工の人は? どう考えますか。 野球では、痛めた肘の靱帯を、移植手術で健康なものに取り換えるトミー・ジョン手術があります。他人や他の動物の靱帯、人工素材の靱帯だったら、有利でしょうか、有利とは言えないでしょうか。 義足選手も、まずは五輪へのオープン参加から始め、ルールや参加できる方法を広く議論してみてもいいのではないでしょうか。 ルールで義足に一定の制限を課し、「公平だと思える」状態を探った上で競い合う。これも、考えられる方法の一つです。

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