毎年持ち回りで開かれることになっている日中韓サミット(首脳会談)が4年近くも止まった原因は、「(日中韓)それぞれの関係悪化」のためというより、徴用工問題で韓国政府が具体的な解決策を出さないことに日本政府が反発したことに尽きる。 「コロナ
ずいぶん前の話だが、北朝鮮に取材に行った際、蓮池薫さんたちが暮らした招待所地区を訪れたことがある。招待所といっても名ばかりで、すべて同じつくりと見られる質素な家屋が何軒も並んで建っていた。 同行した北朝鮮政府の関係者は、蓮池さんが当時の
日本人拉致問題に関する北朝鮮側の不誠実な対応は枚挙にいとまがない。だからといって、ひたすら「けしからん」と言い続けているだけでは被害者は帰ってこない。北朝鮮を動かすには、日本政府もまた北朝鮮側の指摘に誠実に対応する必要がある。 拉致問題
今回の金正恩総書記の訪問では、核・ミサイル開発を進める北朝鮮との軍事協力を、人目をはばかることなく進めようとするロシアの姿勢が鮮明になった。だが、約20年前のロシアは、北朝鮮の核問題に関して極めて冷静かつ合理的だった。当時の言動をふり返ると
北朝鮮との向き合い方、とりわけ拉致問題をめぐる田中均さんの考えや行動に対して、故・安倍晋三氏をはじめ、自称「右」の政治勢力が厳しい批判を加えてきた。 その面々は時に、北朝鮮に「けしからん」とだけ言い続けたり、常に日本政府が強硬姿勢で臨ま
なにかと思わせぶりな金総書記の長旅も、そろそろ終わりに近づきつつあるようだ。 朝ロ首脳間で何をどこまで契り、それが今後、どこまで実践されるのか。具体的な成果と変化は、少し時間を置かねばわからないのかもしれない。 他方、明確なのは朝ロ
この問題の本質は、単に世界文化遺産の登録にとどまらない。政治の話。もっと言うと、過去の恥ずべき歴史にどう向き合うかという日本の内政問題が、日韓外交に飛び火したというケースだ。 そして表立っては見えにくいものの、この問題は、日韓間の2大歴
内外の専門家たちのコメントを見る限り、昨日の朝ロ首脳会談で、具体的にどの程度の軍事協力が決まったのかをめぐっては、かなり多様な見方があるようだ。 国連安保理決議などおかまいなしに突き進むだろうとのコメントから、武器輸送に物理的な制約があ
プーチン大統領は「我が国が最初に独立を承認し」たと金正恩総書記に語ったのだと報じられている。断片的な情報しか出ていないので正確なニュアンスは不明だが、一般的に「朝鮮の独立」とは言っても、「北朝鮮の独立」とはあまり使わないのではないか。
「戦略的重要性」。安全保障問題でしょっちゅう使われる表現だが、北朝鮮にとってはまさに、目先の具体的な戦術ではなく、もっと大きな戦略のためのロシア訪問なのではないか。 軍事偵察衛星の打ち上げに2回続けて失敗している北朝鮮の最高指導者を、わ
ことしの9月1日は、関東大震災が起きて100年の節目であると同時に、朝鮮人虐殺という悲劇から100年の日でもある。 何も不幸な昔話にとどまらない。災害時の流言卑語やそれに伴うヘイトスピーチやヘイトクライム(憎悪犯罪)はいまを生きる私たち
専門家、有識者のみなさんは忙しい。そのときどきで便利に使われる。 小池百合子・東京都知事「(虐殺の有無については)さまざまな見方がある。事実は歴史家がひもとくものだ」 松野博一・官房長官「(政府の中央防災会議の報告書が、震災後に多発
まだ全面的に、とは言えないものの、北朝鮮当局がついに国境封鎖を解いた。この措置により今後、さまざまな課題に変化が出てくる可能性がある。そのひとつに、5月以来、あれこれと観測が飛び交っている日本と北朝鮮の「対話」もあげられるだろう。 岸田
徴用工問題の解決策を韓国の尹錫悦政権が発表して4カ月あまり。この間、日韓両首脳は互いの国を行き来し、4度目を数える首脳会談をリトアニアで実現させた。 それ以前とのあまりの違いに、徴用工問題が抱えていた深刻さとその重みを感じる。両国間では
3月6日に韓国の尹錫悦政権が徴用工問題の解決策を発表するまでに時間を要した課題のひとつが、この供託に関する法的手続きの効力をめぐる問題のためだった。 日韓両政府は外交当局を中心に、過去の判例や多くの専門家の意見を聴き、かなり細かく詰めた
鮮やかな特ダネ、と言いたいところだが、率直にいって、にわかに信じがたい報道だ。 まことしやかに報じているが、どこかが間違っているか、すべてが間違っているかのどちらかではないかという気がする。日朝の実務者による接触、複数の情報筋といったあ
記事は、人工衛星打ち上げ失敗や「次」の時期などに焦点をあてているが、いろいろな意味で北朝鮮の「変化」を感じさせる朝鮮労働党中央委員会の拡大総会だったといえるのではないか。 もっとも気になるのは、米韓の軍事的な挑発によって地域の安保環境が
3月の徴用工問題の政治決着から、首脳同士が頻繁に顔を合わせるようになった日韓の外交関係の改善は、官僚レベルの粘り強いやりとりのほか、トップを中心にした政治家の判断があって実現した。そんな中、影響力や存在感が乏しかった議連の活動まで加わると、
韓国政界は与野党の対立がますます先鋭化し、新冷戦のような構造に陥りつつある。超がつくほど薄氷の勝利で大統領に就いた尹錫悦氏だが、最重要課題として据えるのは、文在寅・前政権と同じく北朝鮮政策。ただし、融和的だった前政権と打って変わって、徹底的
いったん北朝鮮が通告した期限は過ぎた。「次」はいつなのか。注目される打ち上げの時期はいまや、政治的な要素よりも純粋に技術的な部分が大きいのだろう。 記事にあるように、北朝鮮の国家宇宙開発局が「できるだけ早い期間内に第2回の打ち上げを断行