今村久美

今村久美いまむら くみ

認定NPO法人カタリバ 代表理事
関心ジャンル:社会保障災害教育子育て地方

最新コメント一覧

  • 学校の欠席連絡、連絡帳からスマホに でも変わらぬ「プリント地獄」

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年4月10日8時31分 投稿

    【視点】学校の紙でのお便り文化がなぜ変わらないのか、よく現場から聞くのは「おうちでインターネットを使える環境にない人への配慮」「デバイスを持っていなかったり、使うリテラシーのない人への配慮」という声を多く聞く。 その配慮ゆえ、メールでの伝達と、紙の通信発行の両方に取り組むことになり、現場の仕事は二倍に増えたという学校もあるし、どちらかにしか載っていない情報もあるのではないかと、家庭が確認する情報が純増しで余計煩雑になったという家庭の声も。 実際は、携帯電話はほとんどの家庭が所持している。数名いらっしゃるそよ状況に配慮して、教員の多忙さや家庭への負担が変わらないことは、本来時間を使うべき教育の質を毀損していると思った方がいい。 基礎自治体の行政主導で、デバイス環境についての細やかな実態調査をし、学科からの情報伝達を全てデジタルに置き換えたら困ると該当する方がどこに何名いるのか、バイネームで明らかにしてほしい。そして、その方々にのみ個別配慮を考えつつ、全体のシステムは一気に変えるべき。 学校は様々な家庭で生きる子どもたちが通う。例えば、毎日関わる教員が目を凝らせば、ことばにならない子どもたちの声に気づき、虐待の発見もしやすい立場にあると思う。 教員が配慮が必要な子どもたちに向き合う時間をしっかり捻出するためにも、学校事務のDXは最優先課題だと思う。

  • ジェンダーギャップのリアル、物理でも歴史でも 変わる高校教科書

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年3月30日8時13分 投稿

    【解説】社会規範とされてきたものをほんとうに変えるには、世代交代しかないとよく言われます。しかし、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は、日々の言葉がけや生活習慣で次世代に継承されるため、変えるための意識をする大きな仕掛けがないと、多数派の感覚が変わらないまま世代交代が起きます。 この問題が、家庭の価値観から切り離された学校空間におけるディスカッションの素材になることは、新しい社会規範をつくる世代に対する弾込めになります。 高校の新学習指導要領をベースにした新課程があと二日で実行されます。高校生をはじめ、子ども達の意見表明の機会はさらに増えていくかもしれません。成人年齢の引き下げも含め、新しい世代の価値観形成に、教育がどう伴走するか、大人世代の私たちこそが、さらに探究していくべき時に来ています。

  • 小学生の柔道全国大会廃止 「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年3月18日13時13分 投稿

    【視点】私は「全国高校生マイプロジェクトアワード」という、全国の高校生たちが自身の探究してきた取り組みを発表する、全国大会を主催しています。日本の高校生の学びが「正解を覚えて問われる」形ではなく、自ら問いを設定し、仮説を立て、何かしら取り組み、そのリフレクションを重ねながら学んでいく「学び」に変えていきたいと思い、はじめたものでした。次年度から高校の教科でも「総合探究」など、探究的に学ぶことが散らばらられた学習指導要領がはじまるということもあり、今年は全国6万人を超える方々が、マイプロジェクトに取り組みました。 しかし、なにを良いとするか、これ自体がとても難しく、審査はとても難しい中で、毎年悩みます。 少なくとも言えることは、探究的学びを楽しむことは素敵なことだと思える高校生を増やすために、教育者たちに「これは素晴らしいことだ」と示すには、賞の授与という方法はとても効果的ということです。結果、2013年に出場者18人からはじまったマイプロジェクトアワードは、今年69,912人の参加となり、多くの先生たちは、授業そのものを変える機会になっているようです。 きっと、柔道だけではなく、各種スポーツの大会も、そのスポーツを取り組み楽しむ子どもたちを増やしたいという、振興施策だったのではないかと思います。どこで何が間違って、大人による勝利至上主義に子どもを巻き込む今のような形になってしまったのでしょう。この経緯から学ぶべきことは、私たちも他人事ではなく、とても多くありそうです。

  • 産休中にこっそり出勤、とめない校長 スマホに残した疑問ぶつけたい

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年3月16日3時29分 投稿

    【提案】昨年、この4月から教員になる学生さんの相談を受けた。「私は小学生の時の卒業文集にも学校の先生になりたいという夢をかいた。ずっとその夢は変わらず、教員採用試験も受かり、夢がかなったし親も喜んでくれた。しかし、教員という仕事は、心をすり減らしながら命を張ってやらないといけない仕事なのではないかという現実に、今になってとても不安がつのっている。有効求人倍率が上がってきていると聞くし、もう一度就職活動をすべきか、とても迷う」 アドバイスを求められた私は、なんと答えたらいいかわからず口ごもってしまった。 結果、彼女は教員になることを決めた。決めたなら、石の上にも3年は頑張れという気持ちと、でもやっぱり違うと思ったらまたやり直せばいいよという気持ちの両方を伝えた。 先生は、子どもたちにとってとても大切な伴走者。もっと日本は先生たちを大切にしなければいけない。学校には社会問題のすべてが丸投げされている。家庭にさまざまな課題を抱える子どもたちもいるし、学校の友人関係など、丁寧に目を配る必要がある。 例えばこの記事に出てくるテストづくりや、採点。既製品を使い、採点を自動化するなど、仕組みで解決できないのか?校長に裁量権がわたされても、したことのない業務改革はすすまない。1人1台端末が配られている。デバイスを配るだけではなくて、人が足らないなら思い切ったDXでやらなくてもいいことを明確に決めてあげて現場におろす。現場の多忙感は、行政の怠慢だと思う。

  • 「総合学習」で地元PR、費用は165万円 焦った担任を救ったのは

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年3月16日2時58分 投稿

    【視点】記事を拝見し、芸能人の方などに予算の見通しの立っていない依頼が先走ってすすんだ点など、どこか疑問が残るというのは正直な読後感ではあるものの、この寄付をされた山下さんの心が動いて寄付という形で学校での教育に参画をされる機会になったこと自体は事象として素晴らしいことだと思う。きっと山下さんにとっても、喜びになったのではないかと感じた。 学校の教育活動はどうしても個々の先生たちに与えられた人・時間・お金の範囲で執り行われてしまいがちだけど、子どもたちのために何かしたいと思っている人は世の中にたくさんいる。その思いを教育資源に変えていくには、先生たち自身に時間などリソースが必要で、現状のひっ迫した教育現場の多忙感問題など解決しなければいけない問題は多数ある。しかし一人一台端末が配備され、教科書もデジタルに変わり、個別最適な知識は手に入れやすくなった今、これからの先生の仕事は変わっていける。この担任の先生のように、社会資源をコーディネートしながら学校の授業の可能性をひろげる取り組みは、これからの先生たちの主たる仕事になるのかもしれない。

  • あの子が机を叩く理由 東京から被災地に来た私はわかってなかった

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年3月12日7時2分 投稿

    【視点】お話をする機会をいただきありがとうございました。 あの震災は、当事者として被災した人たちはもちろんそうだったに違いありませんが、よそものの立場で被災地に関わろうとする私にとっても、それまでの経験や信念などほぼ全ての再構築が求められる日々であり、それはとても難しいことでした。今よりも11歳若くて、今よりも盲目で、しかも義憤に駆られていた当時の私のような人間は、最も厄介だったかもしれません。悩みは尽きませんでしたが、それは違うよとか、勘違いしてるよとか、心配しなくて大丈夫だよ!とか、時には子どもたちからも、子どもたちの保護者の人たちや地域の人たちからも、さまざまな事を教えていただいたり、叱っていただいたりを重ねました。 気づいたら、「被災地支援するんだ」というよりは、たまたま被災地だったところで、震災がどうこうというよりは、たまたま出会った大切な人たちが、もともと持っている悩みや課題、または大切にしてきたのに無くしてしまった物事と向き合い直す手伝いをしている、そんな感覚になっていました。 あの頃は子どもだった人たちが11年も経つと青年期に入っています。3月11日が近づくと、SNSでずっと更新していなかった人も、今の現在地の想いをつづっている様子を見かけます。社会人になっていたり、都会に出たり、地元に残っていたり、お母さんになっていたり、人によっては今になって出来ていたことが出来なくなっている人もいたり、逆にやっと亡くなった人と対話できるようになっている人も、いるようです。 震災から時間がたって慰霊祭がなくなっても、世の中が見向きをしなくなって3月11日の2時46分を忘れても、彼らの人生は続くし、私の人生も続きます。 これからも、あの日々に出会った人たちと、何でもない日を喜び合えるこの関係を、大切にしていきたいです。

  • (社説)オンライン授業 教育の質下げぬ工夫を

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年2月20日7時56分 投稿

    【提案】オンライン授業動画を同時再生して「出席」したふりをすることは問題だと思うけど、大教室の一斉講義で「聞いたふり」することで「出席」したふりをしたこと、胸に手を当ててみると記憶にある人が多いのではないか。同時再生はだめで、SNSやりながら教室で聞いてるふりするのはいい理由は、ない。 大学に在籍してもしていなくても、知識を得ること自体は、有象無象の中ではあれ、無料で世界中からたやすくなったいま、「この授業じゃないと得られない学びの形」を教える側に求められる。それはエンタメ化すべきとか、そういうことではない。 オンラインは参加性をプロデュースしやすいという側面もある。オンラインか対面かという議論を超えて、どういう「質」をおうべきか、これが教える側に突きつけられているんだとおもう。

  • 友だちと自分自身を「ケアする能力」 先生のクラスづくりがカギ

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年2月11日17時25分 投稿

    【視点】厚生労働省によると、ヤングケアラーとは「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に担っている子ども」とされていますが、支援の現場においてはその解釈はまだ定まっていません。本人も自信が支援される存在だと気づいていないことも少なくありません。 もちろん、ケアが学びになったり、誇りをもっている子どももいますが、時間は限られているのは事実で、人よりも受験勉強の時間が少なかったり、同世代と遊びに行くことや部活に専念することがしずらい環境になっているのは、これもまた事実です。 こういった記事によって、ヤングケアラーの認知度が高まってきました。それによって、当該子ども本人や周囲が課題に気付きやすくなることは、支援の一助になります。授業で取り上げてもいいかもしれません。大切なのは、家族をケアする当事者の子どもたちが、自身が「誰かに助けを求めていい立場だ」と自覚できるようにサポートする輪を広げること。そして、気づいた時にそれを恥じたり、親が責任を問われるのではないかと思ってしまうようなことが起きないようにすること。そういう意味で、クラスの中で、困っている子どもが「困った」と思ったときに、痒い所に手が届く工夫で助ける仕掛けを考えることで救われるこどもたちがたくさんいるように感じました

  • 予兆は把握可能?刺傷事件から考える子どもの悩みへの向き合い方

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年2月5日17時59分 投稿

    【提案】思春期の子どもの気持ちに気づくことは、とても難しい。SNSなど承認制コミュニティの中には大人は入れないし、例えばゲームでつながるなどリアルでは会ったことのない赤の他人にこそ本音を吐露することはあっても、親や先生、学校の友達には本音を言えないという声も、子どもたちから聞くこともある。 学校に、授業をする仕事をする教職以外に、心に寄り添う人たちを思い切って多数配置できないものだろうか。標準の時給単価5000円の心理職の人たちが、スクールカウンセラー(SC)を担っていることが多いものの、自治体によって時数の確保にはばらつきがあり、一年に20時間時間しか配置されていないという学校もあれば、名古屋市のように常勤で働くSCが全中学校に配置されている学校もある。地域間格差はとても大きい。 例えば、心理職の人たちにスーパーバイズを受けられる体制を敷いたうえで、準支援職としてのサポーターが常勤で複数人学校に出入りする仕組みをつくれないだろうか。また、専門家に対する相談はオンラインで24時間以内に対応してもらえるようにすれば、「相談はまた来月」とはならない仕組みもかんがえられるはずだ。 長期欠席者29万人時代。そして死因の第一位が自死という10代。その複雑な心を支えることに、重層的な支援が急務だとおもう。

  • 問題抱える子どもたち、警察署が受験勉強を支援 大学生らも寄り添う

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年2月4日13時28分 投稿

    【視点】私が運営するNPO法人カタリバでは、自然災害によって環境を奪われた子どもたちや、生活困窮世帯で生きる子どもたちを行政の紹介で放課後から夜まで受け入れる居場所、学校に行けない子どもたちのための日中の居場所などを運営している。設置企画当初は「非日常的なイベント」を開催して、少しでも心を癒したり、楽しいと思える機会をつくるところからはじめたいという思いで企画がはじまるものの、やっていく中で、日常の積み重ねの中で確実にできることが増えていく「学習支援」が、自信と「自己肯定感」を獲得していくためのプログラムとしてとても有効ということに気づく。結果、だいたいの拠点では、この記事の警察署の方々同様に、日常的な学習をベースにしたプログラムを運営する。 今では、AIドリルなど、支援側が生徒の学習を簡単に学習進捗を確認でいるツールもでてきている。学習が、テストや受験ではかられるためにするものではなく、大人になる前に、「学ぶ」ということを少しでも楽しみに思えたり、「学び続ける」人生のための練習になるなら、本来の学びの価値だなあと思う。

  • 特異な才能ある子支援へ有識者会議 東大教授、悔やむ「線引き」

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年2月2日16時1分 投稿

    【視点】記事で取り上げていただいた有識者会議と、総合科学技術・イノベーション会議の二つに参加させていただきながら、この議論に参戦させていただいています。 ギフテッド傾向の子どもたちの才能は凸凹があり、一律に優秀な子、については飛び入学を、という判断がしやすいですが、例えば小4のお子さんが、算数は微分積分を解くレベルだからと言って、アシストなく日本語を読むことが未就学のお子さん相当だったり、議論はできるけど、テストで評価できる点数をとれるわけではなかったりなど、特性はさまざま。 私は今後の議論で、下記を実装すべきと考えています。 1、1人1台端末が配られている今、著しく得意、もしくは著しく苦手な教科がある子は、その科目の時間だけ別室で、オンラインで個別最適なカリキュラムで学べる体制をとる。(全員に対面で教員が個別ニーズに応える伴走をするのは無理がある) 2,誰を対象とするか、という点については、行政が活用している心理検査の結果を参考にしながら、対話的に見立てるチェック項目をつくり、得意とともにぶち当たっている困難さを見立てる。 3,思い切った財源確保をする。基礎自治体負担が増えると、対象者の数が少なく専門人材が不足している地方では実現できない。 審議会というものにまだ慣れていない私はまだまだ力不足。どうしてもいろんな委員がさまざまな意見を投げる中で玉虫色になり、何も言っていない答申にまとまる、ということになりかねない。 いま、死にたいと思うくらい困っている子どもたちからの声もきく。 すべての子どもたちの可能性を、それぞれの形で輝かせられるよう、引き続き取り組みたいと考えています。

  • 「こんなママでごめんね」 3歳長女餓死事件、母親も虐待された過去

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年1月29日12時52分 投稿

    【視点】2010年4月に日テレで「Mother」という連ドラが放映されたとき、「ありえない設定」「母親がこどもをゴミ袋にいれるなんて、やりすぎの演出」などという批判をしている人たちがいたことを覚えている。しかし、この事件で見えてきた母親の生育環境、お子さんの生育環境は、悲しくも、あのドラマ状況が酷似していた。 貧困は連鎖しやすい。さらに、虐待は連鎖しやすい。(貧困=虐待でもなければ、虐待=貧困ではないので、そこは違う問題) 貧困も、虐待も、本人の自助努力では抜け出せない。この母親も、そして私も、母親である前に、女性であり、人間である。寂しければ誰かを頼りたくなるし、うまくいかないことが続いたら逃げ出したくなる。 例えば母親が自分の親や兄弟、親戚に頼るということができる人とできない人がいて、彼女にとって、母親の存在はとても頼れる選択肢ではないだろう。 家族に頼れない場合、一人で子どもを育てる人たちが、余暇を楽しんだり、デートしたりすることを前向きに支える仕組みはないに等しい。自分で産んだ子供だろうと、自己責任を求める世間の目が、こうした悲劇をうんだとも、いえるかもしれない。 子どもが笑顔で育っていける権利を守りたい。そんな社会に向かうために、私には何ができるのかと、朝からもんもんとしている。

  • ヤングケアラー支援、ソーシャルワーカーをほぼ全ての府立高に配置へ

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年1月29日10時37分 投稿

    【提案】社会福祉士や精神保健福祉士を持つ人たちが担うことが多いスクールソーシャルワーカー(SSW)はまだ全国的に配置事例が少ない。教員たちにとっても、SSWとはどういう存在なのか、どう案件をつないだらいいのか、理解ができていないことも多い。今回、まずは全校配置したことは、現場が連携を学んでいくうえでとても大切な事例だと思う。ただし、月に一度、決まった時間しか学校に来ないとなると、例えば一か月後の相談を予約した日に子ども自身が来れなかったり、問題の質が変わっていたり、することもある。配置することにとても大きな意味がある前提で、現場で本当に機能するのかは今後の大きな課題だと思う。 例えば月に一度この日だけ8時間常駐します、という形ではなくて、オンラインも駆使しながらいつでも相談に乗れます(月に8時間まで)などという形にする方がいいかもしれない。まだスクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも、オンラインを利用した実践は全国的にも事例はあまりない。ただ文科省は推奨もしていないものの禁止はしていない。全国に先駆けた先行事例である大阪でも、ぜひ取り組みを検討してみてもらいたい。

  • 議論のきっかけは応援団のげた 秋田の県立高校、私服を認めて50年

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年1月28日12時4分 投稿

    【提案】全国の高校をまわると、県庁所在地にある地域で一番成績が良い傾向がある生徒が在籍する高校だけが制服が自由になっている学校があることに驚く。不思議なポイントは、まわりの学校にはそのルールはないことが多い。「自分の頭で考えられる子どもたちだから」という全国共通概念があるからそうなっているのだろうかと、理由がわからないままだったが、この記事を読んで、もしかするとこういった「自己選択を勝ち取るプロセスを経た学校」が過去にもあり、そこで50年前に決まったことが今でも継承されているということなのかもしれないと、理解を深めた。ルールそのものに加えて「与えられた自由ではなく、自分たちで獲得した自由なのだから、その原点に常に立ち返る必要がある」という記載も生徒手帳にあることは、ルールを継承する後輩に想いを伝えていく、素晴らしい書き添えにも読めた。 ただ、逆に言うと、一度決まったルールは、その後見直されることなく続いているというのも、おもしろい。全国で見直しがうたわれる厳しいルールも、秋田高校のように改定されたルールも、数十年、見直されていないという事実がわかる。 今、私が運営するNPOカタリバは、経済産業省「未来の教室」事業の一環で、全国の学校に「校則を、生徒と先生と地域社会が対話的に再検討し、アップデートする」取り組みを呼びかけ、推進している。 https://rulemaking.jp/ 取り組む学校の、教師や生徒から一番聞こえてくる声は、校則を向き合ったことで、校則の細部が変わったことよりも大切な気付きを得たというものが多い。改定のプロセスの中で「納得感はなくても、どこかあきらめていた慣例」をみんなで見直し、どんな学校にしていきたいと思うか、みんなにとって幸せが学校とはどういう学校か、など、徹底して対話するというプロセスの方に大きな学びがあると、教師からも生徒からも聞こえてきている。 時代に合わせて理想の学校像をみんなで話し合いながら、その実現のためのルールをアップデートし続けることは、成人年齢が引き下げになるいま、とても大切なシチズンシップ教育になる。 変えるべき慣例がきちんと変わること、そしてそれを常に疑い新しくし続けること。「学校」というシステムの形に子どもたち自身が参画できる仕掛けが公教育に必要だと思う。

  • 「このままでは、みんな沈没」休園が急増、感染対策に苦悩する保育所

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年1月28日10時10分 投稿

    【視点】子どもが熱を出して病院でPCR検査を求めたら、「子どもがコロナにかかっても、風邪みたいなものだから検査するのは無駄」と、検査が行われなかったという話を複数聞いた。検査キッド不足も騒がれているので、それはよい判断かもしれない。 オミクロン株の感染力が高いことはわかったものの、結局どれくらいリスクなのかがはっきりしない中、その地域の病床数とか、前回からの感染対策の徹底の状況、登園している家庭の両親の仕事など、現場ごと判断にゆだねられること自体は一定の合理性があると思う。 気になるのは、いまだに「誰がはじめにこの保育園・学校にコロナを持ち込んだのか」と犯人捜しをしている雰囲気がいまだにあるということ。 もうコロナは風邪と同じ。誰がいつかかってもしょうがない。みんなで寛容さをもって、できる我慢をちょっとづつしつつ、幸せだと思える日々のためにはリスクだって時にはとろう。そんな社会をつくりなおすことこそが、いま一番私たちに問われていることだと思う。

  • ケアと狩りから考える「わからなさ」ゆえの信頼 伊藤亜紗×角幡唯介

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年1月2日11時2分 投稿

    【視点】「自然」を知り尽くしているからこそ、「ナルホイヤ(わからない)」。人間は自然を前にした時に、非力な存在であることを知ったうえで、目の前で起きている現実に目を凝らし、分かったふりをしないこと。 私たちは、データ・数字を用いて科学的根拠に基づいて・・政策議論でもビジネスでも、医療、教育現場、全ての場でこう言った言葉を使い、エビデンスと言われるものは、経験や感覚よりも正確だ、という大前提で改革議論がすすむことも珍しくなくなった。そんな今だからこそ、お二人のお話は忘れてはいけない視点を提示してくれていると、感じました。

  • 私学のガバナンス改革迷走、議論こじれて越年決定 新たな会議設置へ

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2022年1月1日10時46分 投稿

    【解説】邪推かもしれませんが、私立学校から献金をうける議員さんたちからすると、様々な事情に対して応援せざるおえない構造があり、その議員たちが官僚に指示を飛ばすわけですから、あるべき論の議論のスタート地点に立つ前までに、まだ時間がかかりそうです。 私は、私立学校の在り方を問い直すということは、いまとても大切なことだと思います。 義務教育段階の長期欠席者は約29万人と異常事態が起きている中、教育は新しく変わる必要性があります。しかし、全国一律な平等性を重視する公立学校から、教育界に新しい風を吹かせることは、とても難しい。 私立学校は、公立には果たせないオルタナティブな選択肢をつくる役割を果たしているのに、いつの間にか、古株だらけの大企業型組織が、互いに業界を守り合う、そんな様相にも見えます。 現状、新しい学校をつくろうとすると、私立学校審議会による審査というとても高いハードルの超えなければいけない仕組みになっています。少子化の中、子どもの奪い合いの中、近い将来、淘汰される学校も増えてくることが予想される中で、新規参入はとても難しいそうです。 どんな業界も、アントレプレナーシップ溢れる新しい風が入ることで、業界のあたりまえが問い直され、刷新されていきます。新規参入のハードルはできる限り下げ、数年後、学校としての可能性や将来性について、教育や経営評価と密室化しないガバナンスについて、評価していくことに一定のハードルを設けること。そうやって、教育を新しくしていくことが、いま求められているとおもいます。

  • 小学校教科担任制、来年度から週1コマ程度 教員950人増も

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2021年12月23日18時4分 投稿

    【提案】学校教育は、教員養成課程を経て新卒で教員になって、ずっと教員として生きていくという人たちが圧倒的多数を占める専門職集団で担ってきました。それは「日本の教育の質」を守ってきた形だったわけですが、あえていえば、慣例主義の排他的な側面もあったのではないでしょうか。 今や、教員採用倍率は、特に小学校ではとても下がっている時代です。その現実も踏まえつつ、変化するこの時代における、新しい教育の質をつくっていかなければいけません。 そういう意味で、この方針の延長には、多様な働き方で学校に関われる人が増える可能性もあるのではないかと感じます。例えば、教員としての顔も持ちながらもビジネスでも活躍している、というような、多様な人材が学校に関われるような形が実現していくと、現状の慣例に疑問をもと、変えていくことも前向きに議論できるような風通しのよい職員室も実現するのではないかと思います。 それは、これからの子どもたちを育てる、新しい時代の「教育の質」につながるのではないかとおもうのです。

  • 「こども家庭庁」への修正、自民が了承 「こども庁」支持する意見も

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2021年12月16日8時59分 投稿

    【視点】名称に家庭が入ったからと言って、伝統的家族観を重視するとは言ってないとおもう。むしろ、これからの家族の在り方を問いなおす役割すら担ってほしい。家族の在り方はすでに、非常に多様になってきている。 そこよりも気になるのは、いじめ問題を子ども家庭庁にうつすという件。 学校で起きるいじめは、学校の雰囲気や先生の教え方、校則などのルールの正当性や心理的安全性の足らなさなどと地続きで起きるストレスの結果の出来事なので、そこだけ取り出すのはどのようにやるんだろう。いじめだけ取り出し、「いじめを絶対に許さない」的なキャンペーンをはっても意味もないし、監視と懲罰でいじめ防止するのは、ただ大人たちの責任逃れのトカゲのしっぽ切りでしかない。

  • 武蔵野市の住民投票条例案、市議会委員会で可決 外国人にも投票資格

    今村久美
    今村久美
    認定NPO法人カタリバ 代表理事
    2021年12月14日9時1分 投稿

    【視点】個人的にはこの動きは、日本社会の現実に即した、とても大切な一歩だと感じています。私たちは、すべての生活インフラを、外国人労働者の方々にお世話にならなければやっていけません。そうであるのにも関わらず、基本的権利を無視し、時には人権がないかのようなシステムや慣習が残っていることを直視すべきです。 私は、逗子、豊中、そして武蔵野市のリーダーの皆さんの、リスクをとったご判断をリスペクトします。

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