稲崎航一

稲崎航一いなざき こういち

朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
関心ジャンル:歴史五輪スポーツカルチャーメディア

最新コメント一覧

  • ヤクルト、史上最速で優勝マジック53点灯 57年前の南海より早い

    稲崎航一
    稲崎航一
    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年7月3日11時32分 投稿

    【視点】【史上最速なの?】 確かに7月2日はカレンダーとして早いのは間違いない。けれど、今年の開幕は3月25日です。クライマックスシリーズ導入以降、日程が前倒しされ、開幕が3月25日前後になっています。昔は4月開幕でしたね。 ヤクルトは76試合消化(51勝24敗1分)でマジック53です。勝率は6割8分。 記事にある1965年の南海ホークスは7月6日、58試合(49勝9敗)でマジック62を点灯させています。勝率8割4分5厘で圧倒的です。 2003年の星野阪神は7月8日。こちらもヤクルトと同じ76試合(54勝21敗1分)でマジック49が点灯。勝率は7割2分。 消化した試合数や勝率で比べる方が、公平ではないでしょうか。 より大きな数字を出して記事を大きくしたがるマスコミの常でしょう。わたしもその一人です。自戒を込めてコメントしました。 もうひとつ。ただ、数字だけを比べるのは意味がない。100年前のベーブ・ルースと大谷翔平選手が比べられますが、やっている野球の質が違います。 その選手や成績がいかに優れているかは、「卓越感」だと思います。 大谷もルースも、金田正一投手も同時代の選手を圧倒しています。だからすごいのです。カネやんと佐々木朗希投手を比べても意味がない。 その意味で、今季のヤクルトはセ・リーグ他5球団を圧倒しています。最速かどうかはともかく、強さは卓越しています。

  • BIGBOSSと「なっちゃん」 夢をかなえたメンタルとは

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月28日15時40分 投稿

    【視点】「新庄世代」のひとりとして、興味深く、なつかしく拝読しました。 人前では練習する姿は見せないけど人一倍努力していたこと、他人の悪口を言わないところ、後のプロ野球選手、ビッグボスとなっても変わらないのだなと。 夏の福岡大会決勝でサイクル安打を達成しながら、新庄選手は甲子園に行けませんでした。 阻んだ福岡大大濠も甲子園では、仁志敏久の常総学院を破るなどしてベスト8まで進みました。 この年の甲子園で活躍した選手たち。 優勝した帝京に吉岡雄二、準優勝した仙台育英のエースは大越基。上宮には元木大介、種田仁ら。4強の尽誠学園にはエース宮地克彦、2年生のライトで谷佳知。 熊本工の4番は前田智徳。星稜のレフトは2年生の村松有人。 成東の押尾健一、佐野日大の麦倉洋一の投球も印象深い。 1回戦で県岐阜商に勝った佐賀商の3番打者・香田誉士史は、後に駒大苫小牧の監督として、北海道に初めて深紅の大優勝旗をもたらします。 敗れた県岐阜商は2年生、和田一浩が代打で出場しています。 西短が、新庄が出ていたら、どうだったのかなと今でも想像します。

  • 日本復帰の秋山翔吾、広島移籍へ 西武、ソフトバンクとの争奪戦制す

    稲崎航一
    稲崎航一
    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月27日12時28分 投稿

    【視点】秋山選手の決断の理由としては「契約年数が3年あったこと」「新しい環境で挑戦」などが報じられています。 一方で、広島カープの積極的な補強姿勢を評価したいです。 これまで自前の選手育成にこだわり、江藤智、金本知憲、新井貴浩、丸佳浩らFA権を獲得した選手は出て行く一方で、獲得には消極的でした(新井は阪神移籍後、広島に復帰)。 資金力の問題もあったでしょう。 しかし、そんな長年の「純血主義」も通用しない時代になり、上位球団との戦力差が開く一方になっています。 今季も大リーグへ移籍した鈴木誠也の穴を埋めきれず、交流戦は最下位と苦しみました。 2018年までのリーグ3連覇の打線から、丸と鈴木の大駒2枚が抜けているのです。 ただ、鈴木はポスティング移籍なので、球団には「ポスティング料」が入っています。 現在は勝率5割の3位。クライマックスシリーズを狙うために、今回の補強はフロントの好判断だと言えるでしょう。

  • 有馬温泉で「迷惑をかけました」 忘れん坊の田中希実、2冠の裏側

    稲崎航一
    稲崎航一
    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月24日16時1分 投稿

    【視点】競技は違いますが、「先入観や常識を破る」という意味で、スピードスケート5種目で北京五輪に出場した高木美帆選手と重なります。 高木選手も短期間の大会で、体にきつい負担をかけながらも、複数の種目を滑ることに挑戦してきました。 短距離の500メートルと長距離の3000メートルでは滑り方も違います。 元々中距離の1500メートルが得意だった高木選手は、「得意種目に特化したほうが金メダルを取りやすいのでは」という周囲の声に対し、「勝てる確証があるから挑むわけではない。チャレンジしてみたいという気持ちが強くなったのが、一番の理由かな」と話していました。 挑戦する心。スポーツの価値はここにあるのだなと感服しました。 また、結果としてですが、北京五輪の序盤は不調だったのが、大会が進むにつれて、レースを滑るにつれて立て直していけた。 そして最後の5種目目・1000メートルで悲願の金メダルを獲得したのでした。

  • 松井秀喜からの電話と教え子の贈り物 予言に導かれたONシリーズ

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月21日14時36分 投稿

    【視点】必ずしも全員が当てはまるわけではないでしょうけど、星稜の名将・山下監督の分析で、ここがおもしろかったです。 「能登」の子はきかん気が強い。小松辰雄のように投手や三塁手が向いている。 「加賀」の子はおっとりしている。松井秀喜が典型だ。外野や一塁手がいい。 「金沢」の子は利発というか、ずるがしこい。だから、捕手や二遊間でいい働きができる。 プロ野球界の名将・野村克也さんの話を思い出しました。 旅館の大広間などでのスリッパの脱ぎ方です。 投手はスリッパが山ほど散らかっていても上から歩き、そのまま脱いでしまう。 内野手は「片付けるように」と若い選手に注意しながら脱ぐ。 外野手は散らかっているのを少しも気にせず、自分の分だけ揃える。 散らかっているスリッパをちゃんと揃えるのは捕手である、 というのです。 これも必ずしも全員がそうではないのでしょうが、言い得て妙だなと。 内野手は周りに目が行き届く。けど、自分でやらずに他人に指示をして、他人を動かす性質なのだなあと。 いま話題の中日・根尾選手はどのタイプでしょうか。

  • 阪神V字回復の起点は「あの1イニング」 恐れぬ矢野采配でCS圏へ

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月17日11時31分 投稿

    【視点】これでCSだ!となるのは甘い。「あかん、阪神優勝してまう」の昨季を忘れてはいけません。 しかし、確かに6点差をひっくり返したあの日本ハム戦は、迫力が違いました。失うものがない阪神ベンチは、攻めに攻めた。 その矢野采配を引き出したのは、三塁ベンチの新庄監督ではなかったか。 無死満塁からの初球スクイズ。満塁でヒットエンドラン。相手に考える間を与えぬビッグボスの奇襲でした。 元々阪神は長打力がない。足を使って点を奪う野球で、昨季は勝ってきたのです。 それが今季は失敗を恐れ、守りに入ったように動けなかった。 新庄采配が、原点を思い出させてくれたようでした。 もう一つ、監督の反省といえば思い出すのが、優勝した2003年の星野監督です。 4月11日の巨人戦。4点リードの九回2死、2ストライクから投手を代えて、適時打、同点3ランを食らった。 独り相撲とも言える采配でしたが、星野監督は試合後のミーティングで「今日は俺が悪かった」と謝ったのです。 これを分岐点に、阪神は独走Vへの道を進みます。 ある選手が言っていました。「(監督の謝罪で)救われるような気持ちだった」と。 采配ミスをみんなの前で認めるというのは、それほど重いものなんだなと思い返します。

  • 目前であきらめた甲子園 もう一つの「あこがれ」に向け、下した決断

    稲崎航一
    稲崎航一
    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月16日12時53分 投稿

    【視点】松田選手のお父さんは「本人よりも、親の方が葛藤があったかもしれません。小さい頃から野球を頑張って、やっとベンチ入りできたのに……」と明かしてくれました。 甲子園で優勝を狙うぐらいの強豪校で、背番号をもらう実力がありながら、野球部を引退して受験勉強に切り替える。 受験に備えるといっても、必ず合格すると決まっているわけでもない。 野球を続けていれば、スポーツ推薦で私大に進める可能性もあった。 重い決断だったでしょう。 コロナに翻弄されたあの年、様々な選択をした生徒たちがいるのだなと。 2年たったいま、改めて思いをはせます。

  • 投手登録に変わる中日ドラゴンズ根尾昂 「新鮮」だった練習とは

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月15日21時16分 投稿

    【視点】根尾選手本人が、納得して取り組んでいるかどうかが一番だと思います。 投手で勝負すると決めたなら、それを見守りたいです。 ただ、この3年間の野手としての育成は何だったのか。 中途半端な選手になってしまったような印象があります。 外野手としては打力が弱い。 遊撃手としては守備力がいま一つ。 野村克也監督(故人)は「特徴のある選手になれ」とよく言っていました。 打率2割3分でも、30本塁打を打てるのか。 長打力はないけど、打率3割をめざせるタイプなのか。 打てなくても盗塁が得意とか、守備の名手になれるとか。 レギュラーは無理でも、「代打の切り札」や「左腕キラー」になるとか。 投手もしかりです。 160キロは投げられなくても、この変化球なら負けない。 短いイニングなら任せろ。 先発投手として1年間を投げ抜く総合力を持つ……などなど。 根尾「投手」の直球は、アベレージで140キロ台後半でしょうか。 主な変化球はスライダーとフォーク。 右のオーバースローで、身長は177センチ。 現時点では、ずば抜けたものは見当たりません。 もちろん、体づくりを含め、ここからがスタートです。 大学に進んでいたとしたら今が4年生。 少し長い目で見る必要があるでしょう。 また、彼をどんな投手にしたいのか。 今度こそ、球団の育成方針も問われると思います。

  • 高校野球兵庫大会、組み合わせ決定 25日の開幕試合は明石北×甲南

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月15日15時14分 投稿

    【視点】夏の兵庫大会は6月25日開幕という異例の早さです。 日程にゆとりを持たせ、選手の健康を守る狙いがあるといいます。 連戦をなるべくなくし、雨などで中断した場合、翌日以降に続きを行う「継続試合」も導入されます。 授業との兼ね合いなど難しい面もありますが、夏の大会はどうしても梅雨、猛暑、雷雨など天候の影響を受けやすく、日程が過密になることが想定されます。 兵庫県高野連の柔軟な取り組みが、他県にも広がればと思います。

  • マスク外す?外さない? 自分で決められない日本社会の空気感

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月15日14時56分 投稿

    【視点】マスクをつけるのは感染対策に有効なのでしょうが、ならマスクさえつけておけば怒られないだろう、という思考停止、指示待ちな日本人というイメージが思い浮かびました。 尾籠な話で恐縮ですが、トイレなどで横を見ると、1年前に比べて石鹼でしっかり手を洗う人が減ったなと感じています。マスクはしていても、それじゃ本末転倒だろう、頭隠して尻隠さずというか。 野球場でも、禁じられているのに、ホームランやファインプレーが出ると、自然と大歓声が響いています。 これもどうなのか、と眉をひそめるけれど、欧州のサッカースタジアムなど、そもそも多くの観客がマスクをしていない。 そんなふうに他人が気になる自分も「自粛警察」なのかと。 「自分で考えろ」という姿勢。飲食店主の藤嶋由香さんの話は、ごもっともだと感じ入りました。

  • 国指定の難病、届いた色紙 復活のMVP主将「人生で一番の仲間」

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月14日14時32分 投稿

    【視点】彼の抜群のセンスを見ました。 全日本大学野球選手権2回戦の近畿大学戦です。 2点リードの九回裏の守り。 近大は無死満塁から二塁ゴロでまず、1点を返します。 これで1点差で1死二、三塁。亜大にとって、サヨナラのピンチは続きます。 次の打者は強烈な遊ゴロ。前進守備の田中幹はこれを逆シングルで難なくさばきます。 三塁走者は自重して突っ込まない。 普通のショートなら一塁に投げてアウトを取るでしょう。 それが田中幹は、自分の後ろを走っている二塁走者に気づいていた。 遊撃手の定位置あたりにいた二塁走者を素早く追い込み、二塁で刺したのです。 「忍者」と異名を取る好遊撃手らしい、うわさにたがわぬ好プレーでした。 これで2死一、三塁となり、次の打者を打ち取ってゲームセット。 慌てず、冷静沈着な判断でチームを救いました。 小柄でも、難病を抱えていてもやれるんだと。 彼のような選手こそ、プロに行って活躍してほしいなと思いました。

  • 春の高校野球東北大会、東北高が準優勝 投手は外野手からコンバート

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月14日14時15分 投稿

    【視点】近年は仙台育英1強の感があった宮城ですが、昔から仙台育英と東北は「私学2強」と言われてしのぎを削ってきました。 春、夏の甲子園出場は仙台育英が42回、東北が41回。 仙台育英は夏2度、春1度の準優勝。東北は夏1度の準優勝。 大優勝旗にあと一歩に迫ったところまで似ています。 富沢監督は東北高校のOB。後にプロ野球の横浜ベイスターズや大リーグ・マリナーズで活躍し、「大魔神」と呼ばれた佐々木主浩氏とバッテリーを組んで甲子園に3回出場しました。 2年生からレギュラーだった好捕手で、1985年には春夏ともベスト8に入っています。 この春の県大会決勝は、仙台育英が東北に快勝しました。 しかし、東北は東北大会で青森山田、花巻東(岩手)などを破りました。 この2校が強いと宮城大会は盛り上がります。

  • 「上司の顔色、うかがうような人間には…」聖愛が貫くノーサイン野球

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月10日15時6分 投稿

    【視点】同じように成功しているのが、和歌山大学硬式野球部のノーサイン野球です。 ノーサインといっても好き勝手に打つのではない。 選手が作戦をあらかじめ考えて、この場面ならどうする。なぜそうするのか、どうしたら勝てる確率が上がるのか、練習から綿密に話し合っています。 そうやって、2年連続全日本大学選手権に出場しました。 1球1球指示やサインを出されると、選手はしっかり遂行しようと頑張ります。一方で、とにかく失敗したら怒られる、怒られないようにしなくては、怒られなかったらいいやと考えがちです。 思い返すと、少年野球時代のわたしがそうでした。 ノーサインには自主性を育む効果もありますが、「1球1球サインでしばらないほうが、成功率も上がる」と、和歌山大の大原弘監督は言います。 盗塁も「この球で行け」とサインを出すより、選手がスタートを切りやすいタイミングで走る方が成功しやすい。 いちいちベンチを見ないから、走者も打者も球から目を離さない。 スキや癖を見つけやすいという効果もあるでしょう。

  • 好調・DeNA牧秀悟が意識する打撃 「楽しみ」と待ち望む相手は…

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月10日14時36分 投稿

    【視点】右打者で足も速くない牧選手が三冠王を取ることが、どれだけ大変なことか。 内野安打を稼ぐわけではないのですから。 打率3割2分2厘の高打率を残すのは、よほど打撃技術が高いということでしょう。 最近は球界に「右打者有利」論が出ています。 パ・リーグの打率1位を走る日本ハムの松本剛選手も右打者。首位打者を2回獲得し、大リーグに移籍した鈴木誠也選手しかり。 右打者は元々、左打者ほど左投手を苦にしないうえ、最近の投手はカットボールやツーシームといった小さく動く球を多投します。 右投手のカットボールは、左打者のふところに食い込んでくるので厄介だと言われています。 ところが。 イチロー選手や松井秀喜選手の成功例もあってか、日本野球は右投げ左打ちが多い。 高校野球などでは、とかく足が速い選手は、一塁に近いという理由で左打ちに転向させられる。 勝つために軽打でヒットは打てても、小さくまとまってしまうのではないか。 最下位に低迷している阪神打線を思い浮かべると、近本選手、中野選手、糸原選手、高山選手、島田選手、小幡選手、木浪選手……。佐藤輝選手もタイプは違いますが左打ち。左打者が多いのが気になります。

  • 野村ID顔負け? 少年野球主将の「自由研究」で全敗チームは……

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月5日9時44分 投稿

    【視点】野村克也監督が生きていて、この話を知ったら、きっとほめてくれるのではないでしょうか。 スコアラーとか野球アナリストの素質がありますね。 研究の結果、「2死三塁」と「1死一、二塁」では、後者の方が得点されるケースが少なかったそうです。 そこにとどまらなかったことが、すばらしい。 だから、無死一、二塁で内野ゴロなら二塁併殺ではなく、三塁で封殺を狙う方が失点しないという結論にいきついた。 これはいちがいには言い切れず、守備のレベルや自軍の攻撃力、イニングの浅さなど複雑な要素が絡みます。 しかし、少年野球なら併殺を取れる可能性が低いため、先の塁の走者を刺すほうが勝つ確率が高まるでしょう。 という根拠が明確にあります。 野村監督がコーチや選手に求めるのも、根拠でした。 1死満塁の守りでサードゴロ。プロならば三―二―一の併殺が定石です。しかし、九回裏サヨナラのピンチならどうか。 本塁に投げないといけない。 または自軍が弱いチームなら、回が浅くても本封すべきだ。 野球はゼロに抑えていれば負けない。 そんな話をしていたことを思い出しました。

  • 身長194cmの京大医学部生 孤独なガード下から追うデカい夢

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月4日15時2分 投稿

    【視点】今春リーグ戦。勝ち点2を挙げ、一時は優勝争いに加わった京大ですが、水口投手はこの躍進の輪に加われませんでした。 4月上旬、関大との開幕戦で見事なリリーフを見せた後、病院実習が始まりました。 実習は平日の毎日。週末のリーグ戦にはベンチ入りできたとはいえ、練習不足は明らか。 しかも、雨天順延や3回戦にずれ込むなど、日程が変更が相次ぎ、平日に組まれる試合も多かった。 そこで、捕手の愛沢がマウンドに上がるなど、京大投手陣は苦肉の策で乗り切ってきました。しかし、コマ不足は否めなかった。 ここで水口がいたら……と思うこともありました。 実習を言い訳にせず、コツコツと腕を磨いてきた水口投手。 苦しい経験を糧に、秋の飛躍を期待しています。

  • 新庄剛志に断られた自信満々のオファー 別れ際に託された約束

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年6月2日13時21分 投稿

    【視点】記事には書けなかったエピソードをひとつ。 新庄選手はこれより前、藤田平監督時代に「センスがないから野球をやめる」という爆弾発言をして大騒ぎになったことがありました。 これは野崎元社長によると、「こう言えば阪神を退団して米国へ行ける。せめて他の球団へ出してくれるのでは」と思って一芝居を打ったらしい、というのです。 それほど、藤田監督とは合わなかったということでしょう。 しかし、野村克也監督とはウマがあったようでした。 ファンサービスのことで意見交換をしたり、「ミーティングが長いから短くしてもらえませんか」と直談判しにいったり。 もし、新庄があと1年残留したとしたら……。赤星の出る幕はなかったか、内野コンバートか。あるいは桧山や坪井が外れることになったのか。 昔のことですが、タイガースの外野陣を想像してしまいます。

  • 阪神時代は「黒歴史」ではない 新庄剛志を変えた3人の恩師

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年5月30日23時59分 投稿

    【視点】わたしは駆け出しのころ、阪神の新庄剛志選手にぶら下がる10人以上のスポーツ紙の記者たちの後ろにくっついて、右往左往していました。 新庄選手はいつも困ったような顔をしてマスコミを避け、コメントも少なめ。しかし、その少ない「ひとこと」を聞き逃すまいと、みんなどこまでも追いかける。その「ひとこと」でスポーツ紙は一面を作るのです。 何とも不毛だなと、これがスポーツ報道かよと毒づきつつ、これが関西や、野球ファンの興味の対象は阪神しかないんやからな……とあきらめて仕事をしていました。 「昔からそうだったんや」というのはノムさんこと故・野村克也監督。 南海や阪急の選手が活躍しても、スポーツ紙の一面は「掛布、特打ち」。試合もしていない阪神・掛布選手の練習模様が大きく取り上げられるというのでした。 そんな特殊な環境を嫌がっていた新庄選手でしたが、嫌なことばかりではなかったのだなと。 記事を読んで救われた思いがします。 また、足と守備は一流で、メジャーでも十分通用した新庄選手でしたが、これは才能だけではなかった。 阪神時代の指導者に教わり、体得したことだったのだと。 今、ビッグボスとなり、守備や走塁を大事にする野球観にもつながっていますね。

  • 京大野球部、躍進の裏に 元プロの監督がJRの駅で培ったコミュ力

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年5月23日8時52分 投稿

    【解説】元プロの高校野球、大学野球監督というと、「どんな技術を教えているんだろう」と思いがちです。 しかし、近田監督が最初に言ったのは心構えでした。 「やるからには京大といえども、優勝をめざそう」 「無断欠席や遅刻はやめよう。忘れ物をなくそう」 そんな基本的なことを? 「忘れ物をするということは隙がある、準備が出来ていないということ。それも野球のプレーにつながる」と言います。 もちろん、細かい技術も教えています。 投手なら癖が出ない投げ方、構え、プレートを踏む位置、ブルペンでの球数管理。 そして自ら打撃投手を務める。 元プロ投手の130キロ台後半の速球や変化球を打ち、京大の打者はみるみる力をつけました。

  • プロ野球が揺れた年 スト明けに現れたゴレンジャー、幻の満弾を放つ

    稲崎航一
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    朝日新聞編集委員=スポーツ、野球
    2022年5月16日18時8分 投稿

    【視点】大げさにいえば、球界を救ったのが新庄剛志選手でした。 今では信じられないことですが、パ・リーグは人気薄と経営難に苦しみ、近鉄とオリックスの合併を機に、消滅しようとしていたのです。 「これからはメジャーじゃない。セ・リーグでもない。パ・リーグです」と言い切った新庄選手。 眉をひそめる向きもあったパフォーマンスや言動ですが、一つひとつがメディアに取り上げられることで、ファンに日本ハムやパ・リーグ健在をアピールすることになりました。 わたしも当初は、ゴレンジャーや、本塁打を打ったときに荒井広報を通じて出すコメント「○○打法」(例:ショートゴロ三つは嫌よ打法)といったやり方に戸惑いました。 しかし、新庄選手はファンのことを第一に考えていたのでしょう。 実力も伴っていました。この年は打率2割9分8厘、24本塁打。 長野で行われたオールスターでホームスチールを決め、MVPを獲得した姿に、鳥肌が立ちました。 2リーグ存続の立役者と言えます。

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