中小路徹

中小路徹なかこうじ とおる

朝日新聞編集委員=スポーツと社会
関心ジャンル:教育子育て五輪スポーツ

最新コメント一覧

  • 耳ふさぎたくなった母の言葉 高2でスケート靴捨てた私が今思うこと

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年7月4日10時20分 投稿

    【解説】 この競技は華やかさの裏に、いくつかの負の側面があります。特に、子どもの将来を考えた時に大きな課題があることを、今シリーズでは伝えていきたいと思っています。  フィギュアスケートは高い競技力を目指すなら、幼少時からの専門的な練習が必要といわれる競技の一つです。空中での回転や着氷の感覚など、普段の外遊びの中ではまず体験しない動きが多いためです。  もちろん、高みを見据えた英才教育が悪いわけではありません。  ただ、そんな中で子どものより良い将来のために、見つめなければいけないことが多いように思います。  過酷な生活の中で子どもが何に苦しんでいるか。応援する親はどんな悩みを持っているか。一方で、過度な期待をしていないか。  そして、特に女性は体の成長とどう折り合いをつけていくか、悩みに直面するケースが少なくありません。  「英才教育のリアル」。フィギュアスケート現場からの報告と問題提起は、全5回を予定しています。ぜひお読みいただきたいと思います。

  • 高3バレー部員自死、顧問の男性教諭を懲戒免職 不適切な言動を認定

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月25日8時44分 投稿

    【解説】 日本のスポーツでは長らく、一般社会で許されない暴力が、「指導の一環」として容認されてきました。  潮目が変わったのは、2013年1月です。大阪市立桜宮高の男子バスケットボール部主将が、顧問から受けた暴力などを理由に自死したことが明らかとなり、さらに柔道女子日本代表の監督らが選手たちに暴力・ハラスメント行為をしていたことも明るみに出ました。  これを機に、スポーツ界は暴力の撲滅に向け、啓発を含めて様々な手を打ってきました。以来、最近も熊本・秀岳館高サッカー部でコーチによる暴力が発覚したように、根絶はされていないものの、少なくとも有形の殴る蹴るは「ダメ」という認識は、指導現場に浸透してきたと感じます。  一方で、「言葉の暴力」は発している側が認識すらしていないことが、まだ少なくありません。その意味では、暴力根絶の道は、第2のフェーズに入っていると言えるでしょう。  日本スポーツ協会など5団体が採択している「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」があります。その中で、暴力行為は「言葉や態度による人格の否定、脅迫、威圧、いじめや嫌がらせ」も含めるものとして定義されています。文部科学省のガイドラインでも、「身体や容姿にかかわること、人格否定的な発言」を、許されない指導と位置づけています。  「殴らなければ暴力ではない」は誤った認識です。  「自分も理不尽な言葉を浴びて発奮し、今の成長につながった」という指導者がいるかもしれません。それは自身がたまたま肯定的に結びつけることができただけ、と考えた方がいいように思います。

  • ゴール下敷き、福岡・大川市に約3660万円賠償命令 小4男児死亡

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月24日12時31分 投稿

    【解説】 同じ事故が繰り返されてきたことを、重大視すべきです。サッカーゴールが倒れたことによる死亡事故は、2004年に静岡市の中学校で、2013年にも千葉県茂原市の高校で起こっています。  一般的に、ゴールの後部フレームは、杭や100キロ以上の重りで固定する必要性があります。しかし、グラウンドを複数の部が使う学校では、ゴールの移動が多くなり、杭打ちや重りを運ぶ手間から、徹底されない実情があります。  近年は、打ち込みと撤去が簡単なスパイラル杭も販売されています。ゴールのバーにぶら下がったり懸垂をしたりすると危険であることの周知とともに、万が一に備えた安全対策があってこそのスポーツ活動だと思います。

  • 10代でスポーツ引退「不幸の始まり」 室伏長官が示す全国大会改革

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月23日8時39分 投稿

    【解説】 地味にみえますが、大事な動きです。記事の中にあるように、国のスポーツ政策は今、一つの転換を図っています。  「今春策定した第3期スポーツ基本計画では、社会におけるスポーツの価値を高めるという視点が強調された」  オリンピックなど国際大会でのメダル量産に向け、トップアスリート養成を重視してきた方向性から、生涯スポーツの場や、スポーツを楽しめる環境づくりに力点を置いていこうというベクトルです。  小学年代から全国大会をやる必要性に疑問を呈するスポーツ庁長官の考えも、それに沿ったものといえます。  勝利至上主義に彩られたスポーツの価値を、市民それぞれが生活の中で享受できるようにしていこうということでもあります。  これからそれをどう具体化していくのか。室伏長官の牽引力に期待したいところです。

  • 「野球部なくなるぞ」球児は動く ホットケーキで子ども心つかみとれ

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月21日14時5分 投稿

    【視点】 部活動の意義を勝利を目指すだけではなく、幅広くとらえる。高校野球の部員たちが普及に携わる実践は、そんな点からも、大事だと思います。  記事では、野球人口減少の危機感を指摘していますが、野球部の登録人数はもう少し、精緻に見た方がいいかもしれません。  2003年度から19年度への比較になりますが、日本中学校体育連盟への軟式野球の男子の登録者数は52%で、半減しています。  一方、日本高校野球連盟への登録者数は、軟式と硬式の選手、マネジャーを含めて91%でした。  この間、少子化で高校生全体は83%、中学生全体は86%への減少です。つまり、中学の軟式野球部員は少子化を大きく上回るスピードで減っている一方、高校野球の方は人気は維持できている、ということになります。  これは何を意味するのでしょうか。  要取材ですが、現時点の私の推測では、野球を本格的にやりたい層は中学時から学校を離れた硬式のリーグでプレーする生徒を含め、しっかりと高校野球に進む。つまり、「甲子園を目指す層」は競技人口を保っている。一方、「それほどでもないけど野球はやりたい層」は減っている。そんな二極化ではないかと思います。  かつての草野球の遊びの延長で、野球を楽しむ層が減っているということでもあるのでしょう。そういった視点からも、こうして子どもたちに野球の楽しさを知ってもらう活動は大事でしょう。  なお、少子化の中、競技団体が共存していくためにも、子どもたちを自分の競技に囲い込むのではなく、いろいろなスポーツをやってみよう! という雰囲気をつくることも重要だなと考えています。

  • 成績より容姿? 潮田玲子さん、現役時の違和感「否定できない」でも

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月20日13時52分 投稿

    【提案】 この記事を読んで、競技を記事で伝える時、もっと「美」に言及したいなと思いました。  美しさはスポーツを構成する要素の一つです。体操、フィギュアスケート、アーティスティックスイミングといった採点競技は美しさそのものが勝負を分ける一つですが、あらゆる競技で、アスリートのフォームが美しいと感じることがあると思います。団体競技でも、パスワークやコンビネーションなどチームプレーの機能美に、見ほれてしまうことがあります。男女を問わず、高水準のスポーツには美がたくさん含まれています。  これを、言葉を尽くして、もっと伝えられないか。スポーツのもつ本質的な美しさと、そこに至ったアスリートの努力を表現する。これによって、スポーツの本筋からはずれた「美」を巡る見方を凌駕できないか、と思いました。

  • 点取り屋が見つからなかった4連戦 森保ジャパン、W杯に重い宿題

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月15日8時0分 投稿

    【視点】 日本のW杯本大会の2戦目の相手が、大陸間プレーオフの結果、コスタリカに決まりました。  先日行われた記者サロン「サッカー日本代表のこれまでこれから」で進行役を務めました。その中で、1次リーグ突破のポイントについて、ゲストのスポーツライター、飯尾篤史さんがこんなことを言っていたのが印象的でした。  「ポイントは2戦目」  今回の組み合わせで、初戦のドイツ戦、3戦目のスペイン戦をポイントを挙げる向きが多い中、「2戦目での勝利を計算しているかのような雰囲気は危ない。2006年W杯でも,初戦のオーストラリア戦から勝ち点3が奪えるかのような予想だったことで、追いつかれた時にまだ負けてもいないのに、チームは慌ててしまい、い、修正力を欠いた」と。  確かにそうです。このチュニジア戦をみても、勝ち点を計算できる相手などいません。

  • 「覚えておいて」 W杯逃したウクライナ代表監督、絞り出した言葉

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年6月6日8時58分 投稿

    【視点】 ウェールズを少し気の毒だと思っていました。プレーオフ準決勝でウクライナと当たったスコットランドとともに、世界の多くの人々が感情移入する相手と、ノックアウト形式の試合に挑まなければならない。どこまで闘志が沸き立つものなのか……。  でも、ウェールズの選手にもそれぞれ、勝利への自己欲求とともに、背負うものがある。見事に勝ちきりました。  改めて「スポーツの力」を感じます。暴力を行使しないで、人間としての肉体と精神の高みを競う。そして、そのチームや個人に、色々なものを重ね合わせて応援する人々がいる。  国別対抗形式のW杯は、愛国主義を不要に高めてしまう側面がある一方で、アイデンティティーや帰属意識の確認、健全な切磋琢磨という意味では、極めて平和なイベントだと思います。この欧州予選プレーオフ、個人的には、ロシアが出る道が開かれればよかったと感じています。  

  • 上下関係も野菜も寮もイヤ それでも全国無縁の伊東純也が伸びたのは

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年5月28日11時42分 投稿

    【視点】 自由な環境の下でサッカーを楽しみ、成長してから才能が開花した伊東選手。  スポーツをしながらいろいろなことを大人から押しつけられ、小さい時から試合には勝っても、バーンアウトを起こしたり、最終的にその競技が嫌いになってしまったり、という事例とは対極にあるように読みました。  ただ、こうした一流アスリートの子ども時代のストーリーを、「こうすればトップ選手になれる」というハウツーものとしてとらえない方がいいな、と考えています。  発達過程でスポーツを伸び伸びとやることで、子どもはきっと何かを得ると思います。その結果が、トップアスリートの座かもしれないし、他のことかもしれない。  「全国大会に縁がなくても、笑って振り返ることができるのは、サッカーを楽しんだからだ」  筆者が地の文で織り込んだこのフレーズ、いいなあ、と思います。伊東選手と一緒に楽しんだ仲間たちは、現在のサッカーとの距離感を問わず、やはり笑って当時を振り返るのではないでしょうか。

  • 暴力の処分解けたコーチが抱える苦悩 「お前は悪くない」に違和感

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年5月14日10時37分 投稿

    【解説】 速見コーチは、登録処分中の2019年にも、インタビューを受けてくれています。  自分も現役時代、たたかれてシャキッとする感覚があったことで、選手の気持ちを引き締める手段としてたたいたこと。時代が変わり、暴力的な指導がダメだとわかっていても、他にどうすればいいのかがわからないという壁に当たっていたことなどを、明かしていました。  そして、同じように悩んでいる指導者が学べる機会や、教える側の悩みを受け入れれる相談窓口の必要性を提言していました。  記事で書かれている「ほかの指導者のなかには、『お前は悪くない』というひとも多い。『間違っていた』といってくれるひとは少ない」という、暴力を容認するかのような風潮への違和感は、自らが悩み抜いた速見コーチだからこそ、発することができる言葉だと思います。  暴力で処分を受けた指導者が、その後の心情や復帰へのプロセスを明かすのは珍しく、暴力撲滅への道筋を考えていくためにも貴重な言葉の数々だと思います。  速見コーチの今後の発信にも期待しています。

  • 「10年前は総スカン」 なぜ小学生の全国大会廃止が共感されるのか

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年5月12日9時51分 投稿

    【解説】 かつて「総スカンだった」という溝口さんの肌感覚がわかります。  柔道事故の多発が問題視され始めたのは2012年ごろからです。子どもが柔道の中で死亡したり、重大な後遺症が残るけがを負った人たちがつくった全国柔道事故被害者の会が、警鐘を鳴らし始めていました。名古屋大の社会学者、内田良教授が事故の多発を統計的に世に示したのもこの時期です。  溝口さんは、被害者の会が開くシンポジウムに、ほぼ唯一、柔道界から出席し、対策の必要性を訴えていました。  こうした事故の現状を取材していた私は、ある大学の柔道指導者から「柔道を知らない外部の人たちが何を言ってるんだろうね」と、問わず語りに言われ、答えに窮した記憶があります。溝口さんが柔道界で「裏切り者」のようにとらえられていたことは想像にかたくありません。  その後、安全を訴え続ける声は徐々に柔道界にも広がり、全日本柔道連盟は重大事故総合対策委員会を設け、対策に本腰を入れてきたのです。  こうした柔道界の変化が、スポーツ全体における安全意識に影響し、全国大会廃止の議論を活性化させていると思います。  声を挙げることがどんなに大切か、溝口さんのインタビューから再確認しています。

  • 代表で指導者に怒鳴られても… 川合俊一さんが思う小学校の全国大会

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年5月11日9時20分 投稿

    【解説】 自ら練習を考えるバレーボール環境だった高校時代と、有無を言わさず命ぜられたことをしなければならなかった大学時代。  この極端な対比自体が、日本のスポーツ環境を考えさせられる材料ですが、川合会長の場合、「自主的」が先だった順番が、豊かな思考を育んだのだと感じます。  インタビューの後半で、子どものスポーツに携わる人々に、とてもとても大事な提言をしてくれています。  「勝ちたいかどうか、厳しい練習をしたいかどうか、大人が決めるのではなく、子どもたちに意見を聞いてほしい」  練習内容や戦術を自分たちで考え、行動に移せる「自主性」「主体性」だけでなく、チームの方針そのものを子どもたち同士で話し合い、決めていく「自治性」を育てる。  「自分たちは勝利を目指す前に、まずは楽しいバレーボールをしたい」という意見が子どもたちの総意として出てきたら、大人は当然、それを尊重しなければなりません。

  • 日本代表戦、派手なダイブで大失敗 その夜にSNSに届いたのは

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年5月5日12時17分 投稿

    【視点】 橋野さんの失敗は勝敗に影響しなかったことで、ご本人の大きな傷にならなかった面はあるのでしょう。  でも、当連載5回目の「世紀の落球」は勝敗に決定的に作用したのに、周囲は温かかった。むしろ、それを〝ネタ〟にしてくれた。橋野さんのケースと同様、アスリートの失敗を笑いにまで消化できるケースは、本人にとっても周囲にとっても、記事にあるように前向きな材料になります。  北京オリンピックでも、日本選手に失格やゴール直前の転倒という、メダル争いに直結する失敗がありました。応援しているからこそ、勝ってほしいと自分事のように捉えていたからこそ、アスリートをなじってしまう。SNSでその心情をぶつけられる今の時代は、競技の一つの結果がアスリートの人生全体にとてつもなく大きな影響を与えてしまうリスクが大きくなっているように感じます。  大きな傷になるか、学びにつなげられるか、その分水嶺はメディアを含めた周囲に依っている要素があるかもしれません。

  • 「お前らアマチュアか、おれはプロだ」 心をとらえたオシム氏の言葉

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年5月2日11時56分 投稿

    【解説】 ジェフ千葉を担当していた時の取材ノートを見返しました。オシムさんの言葉の数々がよみがえります。  2005年のナビスコ杯。千葉は初タイトルをかけ、ガンバ大阪と決勝を行います。その前日、オシムさんは「選手の恐怖心」ということを問われ、こう言っています。  「『怖くて出たくない』、ということには、人間的にうちの選手はならないと信じている。ただ、『せっかく決勝まで来た。あと一歩がかなえられなかったらどうしよう』という、普通とは違う恐怖があるだろう」と、深みのある言葉で選手の緊張感を表現していました。  試合はPK戦で勝利しました。PK戦には、因縁があります。オシムさんが1990年W杯でユーゴスラビアを率いた時、やはりアルゼンチンとの準々決勝がPK戦に。「PK戦はくじ引きみたいなもの」と控室に下がって見守ることなく、破れました。  オシムさんはこのナビスコ杯でもロッカールームに下がっています。ただ、「疲れている選手は集中ができないだろう」と、途中出場の選手を中心に指名し、消えていきます。そして、5人目は「蹴りたい」と手を挙げた巻と斎藤がじゃんけんをして、巻に決まりました。  試合後、オシムさんはこう語っています。「指名した選手は全員が蹴った。ユーゴの時は、指名した中で『蹴りたい』と言ったのは2人だけだった。自分が蹴りたいという選手ばかりだったことが大事でしょう」  オシムさんが前日に言った通り、千葉の選手には、責任を負いたくないという恐怖は誰にもなく、最後まで勇躍したのでした。  なお、前日の取材では、「優勝したら胴上げされたいか」とも聞かれ、「試合に出ない選手から落とされるかもしれない、そんなリスクは負いたくないね」と、ウィットに富んだ切り返しをしていました。  実際、優勝後、断固とした身ぶりで胴上げを拒否していました。それについてはこう話していました。「私の体重が重すぎて、選手がけがをしてしまうではないか」

  • 少年柔道界のカリスマ「指導者のみせどころ」 小学生の全国大会廃止

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年4月29日12時20分 投稿

    【視点】「試合の結果より、打ち込み、受け身の方が点数を高くしている」という朝飛道場の指導方針に敬意を表します。  成長した先を見据えた下地を大事にする道場やチームにとってみれば、全国大会があっても、それを目指すことによる勝利至上主義の弊害は生じない。逆に、幅広い交流や、刺激を受ける機会が失われる意味で、残念なことになるのだと思います。  全国大会が廃止されても、勝利至上主義は都道府県大会にその場を移すだけ、という見方もあります。本質は、大会の規模ではなくて、年代に応じた指導の在り方が理解されているかどうか。  一方で、規模が大きい大会があるから、大人が入れ込んでしまいやすい。だから廃止が望ましい。そんな意見もあるわけです。  この議論を通じて大事なのは、カタチの最適解を突き詰めることより、子どものスポーツの在り方を考えていく機会としていくことかもしれません。  記事にもリンクが貼られていますが、現在、フォーラムのページで、小学生のスポーツの全国大会について、思いをお聞きするアンケートを実施しています。  ご意見をまとめた記事展開も予定しています。ぜひ、子どものスポーツ環境を考える場へ、ご参加いただければと思います

  • 結果が出ない人生って不幸ですか? 転倒した高木菜那が伝えたいこと

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年4月28日11時14分 投稿

    【視点】 スポーツは自己実現のためにあるにせよ、時にアスリートは人生のロールモデルになります。この記事は、そんな社会的役割に賛同してくれたアスリートのみなさんが、新年度を迎えて新しい生活に入った様々な立場へ方々への応援歌を発信してくれる、連載の初回となります。  高木菜那さんの言葉の数々。個人的には「今は北京オリンピックのことは、あまり話したくないです。まだ、自分の中で、あの経験を消化しきれていない。乗り越えられていないので」が心に染み入ります。  そう簡単に心のうちで消化できないよ! ということは、私自身もたくさんあります。実は整理したくないのかもしれない。それはどう乗り越えられるのか。もしかしたら乗り越えなくてもいいのかもしれない……  高木さんがまたいつか、北京オリンピックのことについて言葉を紡いでくれる時があれば、それを待ちたいなと思わされます。  この「つまずいたって、いいんだよ」の連載。全10回で、毎日更新されます。あの元力士、あのゴルファー、あのバレーボール選手、あのサッカーレフェリー……、といった方々が登場します。ぜひご自身や近しい方と重ね合わせてお読みください。

  • 小学生の全国大会「意義あるのか」 室伏長官が柔道の大会廃止に見解

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年4月19日17時45分 投稿

    【解説】 子どものスポーツはどうあるべきか。室伏長官の明確なスタンスを示した発言だと思います。  昨年からスポーツ庁で行われてきた「運動部活動の地域移行に関する検討会議」でも、室伏長官は「様々な競技をベースにエンジョイできるよう、生涯スポーツにつながるよう、運動が得意な人だけの議論にならないようにしてもらいたい」という趣旨の要請を委員たちにしていました。  成長期はスポーツの楽しさを味わい、多くの子どもがスポーツを好きになる時期としてほしい。全国大会のような場があると大人が一生懸命になってしまい、スポーツの健全さをゆがめかねず、必要ないのではないか。そんな問題提起だととらえます。  こうした考えがスポーツ政策にどう反映されるのか。注目したいと思います。

  • 活動週1、掛け持ち可…膳所データ班が示す、新たな野球との関わり方

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年4月19日10時19分 投稿

    【視点】いいですね、こうした柔らかなスポーツへの関わり方。  一つの競技に専心することは、それはそれで美学ですが、これまでの日本のスポーツは「やるならそれを徹底的に」という風潮が、子どもの時から強すぎたと思います。  そうしたことが特定の競技へのロイヤリティを高める一方で、スポーツ全体を見渡す視点に欠ける弊害を生んできたようにも感じます。  2018年にスポーツ庁が出した運動部活動に関する総合的なガイドラインでは、生徒のニーズを踏まえた部の設置を求めています。近年は、いろいろな競技を楽しむ部活、勝利を目指さず、体を動かすこと自体を楽しむ部活が誕生しています。また、掛け持ちOK、部の練習に必ずしも毎日来なくてもOK、というシステムにしている学校も出ています。  どんな部活がいいのか。生徒の方から、どんどんリクエストが出せる雰囲気が醸成されていくと、もっといいですね。

  • なぜ今ごろ? プーチン氏非難声明の山下氏「早く出すべきだった」

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年4月13日15時7分 投稿

    【視点】プーチン非難が遅まきながらのタイミングになった山下会長の説明を読むと、改めて日本のスポーツ界の視野の狭さを思わされます。  スポーツ人は自身の専門であるスポーツのことを語っていればいい。そんな固定観念と先入観は、スポーツが社会とのつながりの中で成立し、社会への発信があってこそ、いう基本的な概念からそれるものです。スポーツの価値を高めることを阻むだけでなく、スポーツを志す若い世代に、多面的な学びをおろそかさせてしまう弊害さえ生じます。  かく言う私も、学生時代は「スポーツさえ一生懸命にやっていれば認められる」と軽薄に思い込んでいた「スポーツバカ」でした。いわゆる体育会気質に漬かり、物事を探求できる大学の環境を無駄にしました。本当の意味での勉強を始めたのは、スポーツ取材であっても、様々な分野の見識を得なければ、取材先で相手にされない記者になってからでした。  昨日もコメントしましたが、山下会長には、スポーツ選手の発言力を高めていくロールモデルとしても、リーダーシップを発揮してほしいと思っています。

  • 「柔道精神に反する。容認できない」 山下氏がプーチン大統領を批判

    中小路徹
    中小路徹
    朝日新聞編集委員=スポーツと社会
    2022年4月11日16時57分 投稿

    【視点】 ようやくではありますが、JOC会長、全柔連会長としてのロシアのウクライナ侵攻に関する声明が出されました。  これまでJOCは、今回の事態について、IOCの声明を追認はしましたが、独自の声明は出さず、主体性が欠けていました。  トップに立ってからの山下会長は、立場主義的な発言が目立っていましたが、最近、小学生の柔道全国大会を廃止したことを含め、独自色を出し始めました。  スポーツ選手の発言力を高めていくロールモデルとしても、リーダーシップを発揮してほしいものです。

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