太田泉生

太田泉生おおた みなお

朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
関心ジャンル:災害子育て司法人権地方

最新コメント一覧

  • 学校のお便り「読めない」、悩む外国人家庭 小さな情報も届けるには

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年6月27日15時30分 投稿

    【視点】わたしが長く在勤した神奈川県内では、外国にルーツがある住民が特に多い地域があちこちにあり、公立学校や病院が多言語対応していたり、役所に外国語を話す職員がいたりといった取り組みが各地にありました。 大事な取り組みですが、当然ながら、その地域で対象者が多い言語への対応となります。一方、記事で指摘されている大事な点ですが、外国にルーツがある住民がいるのは集住地域だけではありません。 朝デジ連載「気づけば移民大国」で取り上げているように、日本はいますでに、事実上の移民受け入れ国です。これからも外国にルーツのある住民は増えるでしょう。(https://www.asahi.com/articles/ASQ6P4411Q5WUPQJ00F.html) これからは、集住地域だけでなくどこであっても困らず暮らせるように、学校に限らず、多言語化の取り組みを進める必要があります。翻訳に対応したデジタル化は有効な手段でしょう。お便りのデジタル化はどの親にとっても利点のあることで、ぜひ進めてほしいところです。

  • 「ポニーテール不可」やめます 神戸の中学校でブラック校則見直し

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年6月24日12時53分 投稿

    【視点】「改訂が絶対的に良いというわけではない。話し合って納得した形になることが大事」との市教委担当者のコメントが記事に載っています。 おかしな校則を変えることに少し後ろ向きな、バランスをとったコメントにも読めますが、実はこれが大事な点なのかもしれません。 「ブラック校則」は長らく存在し続いてきたもので、広く問題視されて見直されるようになったのはここ数年のことです。だからこそ、各地で見直しが進んでいるからそろそろとか、市教委に指示されたからといった判断ではなく、ルールがどうあるべきかを話し合って変えていくという過程にも価値があるのだろうと思います。その分、変えることに時間はかかるかもしれませんが。 記事下のリンクにもありますが、ちょうど配信された記事「校則と職場の謎ルール 思考停止が招く政治への無関心 内田良さん」https://www.asahi.com/articles/ASQ6Q3PMBQ6KPTIL02C.html を読んだばかりだったこともあり、余計にそう思いました。

  • シェアサイクル先進地、弱み乗り越え快走 「アジア唯一」の自転車も

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年6月16日9時50分 投稿

    【解説】朝日新聞東京本社の前にもポートがあり、この赤い自転車が並んでいます。数日前、築地から虎ノ門に向かうのに使いました。 30分で200円弱。地下鉄が発達した東京都心ですが、駅まで歩いたり乗り換えたりを考えると、シェアサイクルのほうが便利という場面がたくさんあります。 各地でシェアサイクルが広がっています。私がかつて勤務した横浜市でも、10年以上前からさまざまな次世代交通の実験が行われてきていますが、実用化して残ったのがこのシェアサイクル。私も横浜では毎日の通勤に使うため、月額会員になりました。中心部ではかなりきめ細かくポートがあり、便利です。 事業者が日々の整備に取り組んでいることでしょうが、みんなで使うものゆえ、状態が悪い自転車もなかにはあるのが難点。数日前に使ったさいも、ポートで状態のよい自転車に乗ろうとするとことごとく電池切れでした。誰しも考えることは同じで、見た目に状態のよいのから使うからでしょう。 検索すると横浜市でも、いまは市中心部だけのシェアサイクルをより広域で展開する社会実験の実施を発表したばかりのようです。人口減少が進む郊外の地域交通確保はかねてから課題になっていて、シェアサイクルは有効な手段のひとつになるでしょう。雨の日には使いづらいなど万能ではありませんが、公共交通に近い移動手段のひとつとして、広がることを期待しています。

  • コロナに値上げ、困難に見舞われた給食 子どもたちへの思いを糧に

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年6月4日11時52分 投稿

    【視点】「カレーライスに福神漬けを添えないのはあり得ないと個人的に思っている。本当は添えてやりたいのですが…」 ある市の給食担当者が電話越しに、カレーと福神漬けへの熱い思いを語ってくれたことを思い出す。 食材が値上がりし各地で給食財政が厳しくなっていた数年前のこと、この市ではやむなく、福神漬けを添える回数を大幅に減らしたという。カレーは人気メニューで年に何度も提供するが、この年は1回だけ、費用を捻出して福神漬けを添えたという話だった。 子どもたちの成長に必要な栄養素の充足はもちろん、おいしく充実した給食を食べさせてあげたいと必死にやりくりをする担当者の思いが伝わってきた。 別の市の担当者は、手間も費用もかかるが鰹節と昆布で丁寧に出汁をとるのは続けたいと話してくれた。食材の本来の味を子どものうちに知る機会を少しでも多くしたいという。 「学校給食は地方自治の象徴」と記事にある。 たしかにそうだ。 小中学校の運営は地域によってさまざまな個性があるが、とりわけ給食の提供方法や内容は自治体によって大きく異なる。私が長く勤務した神奈川県でも、特に中学校給食では自治体によって違いが大きく、地方選挙でたびたび争点に浮上する。 食は生きる糧。栄養をとり、一緒に食べることで人とのつながりをはぐくみ、味覚の幅を広げる。給食にまつわる記事を書いたり編集したりしながら、取材に応えてくれた担当者のことばを思い浮かべる。 私が暮らす街の学校給食は、まだまだ課題がある。子どもが大きくなっても、給食の大事さを忘れずにおこう。

  • クリックされない辺野古の記事 「本土の無関心」の裏側にあるもの

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年5月17日11時11分 投稿

    【視点】紙の新聞と違って、デジタルではひとつひとつの記事がどれほど読まれているか、リアルタイムで把握できる。「重要な記事だから読んでほしい」と願って目立つ位置に載せても、なかなかクリックされないというときがたしかにある。デジタル編集の担当になったばかりの者として、日々葛藤している。 どんな人に読んでほしいのか、どんな人に届けたいのか、日々、考える。 沖縄の記事でいえば、基地問題に関心があるという人にはぜひ読んでほしい。けれども、できれば、関心がないという人にこそ記事を届けたい。 沖縄復帰50年でたくさんの記事を配信した。沖縄に関連するすばらしい記事が1本、私が編成当番の日に予定にあがっていた。見出しに「沖縄」や「復帰」の文字がない。 復帰50年の節目の関連記事だから、沖縄の文字を入れようよと同僚に提案すると、経験豊富な若い同僚がこんな意味のことを言った。 「見出しに沖縄とあるからクリックするという人より、そうでない人に読んでほしい」 たしかにその通りだ。当初の見出しのまま配信した記事は、結果的に、非常に多くの人に読まれることになった。 田原さんが言う「残念ながら沖縄の問題は視聴率がこない」というのは、事実の面もあるかもしれない。でもそこであきらめはしない。大事な記事を多くの人に読んでもらえるよう、日々、葛藤と試行錯誤を繰り返している。

  • 米軍基地から防球ネット越えゴルフボール 4月に3件、市が国に抗議

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年5月14日17時43分 投稿

    【視点】プロ並みのゴルファーが飛距離の出るクラブで打ったらゴルフボールがどれだけ飛ぶかーーそれを防衛省が調べたのだという。原因は後を絶たない米軍基地からのボールの飛び出しだ。 ゴルフボールが飛び出さぬようにしてほしい。こんな単純な求めに、米軍はなかなか取り合わない。打つ手のない日本政府はゴルフボールの弾道を調べて自国民に示し、お茶を濁そうとする。 基地負担は騒音や犯罪だけではない。外国軍隊には日本の法律が適用されず、説明責任も果たさない。喜劇的ですらあるが、こんなこともまた、外国軍隊が街に駐留することの負担の一例だ。 米軍は戦争で沖縄をまず占領し、マッカーサーが厚木飛行場に降り立ったように戦後は神奈川を日本占領の入り口とした。 沖縄の本土復帰から50年。沖縄と、次いで神奈川にはいまも米軍基地が集中する。基地県にとってはいまも、戦争がもたらした難題が続いている。 立地県の負担軽減をはかるべきのは当然だが、外国軍隊がこのように負担をもたらす構造をいつまで持続させるのかということこそを、問わねばならぬと思う。

  • 「世紀の植物」街中で突然開花 数十年に一度だけ咲くリュウゼツラン

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年5月3日12時18分 投稿

    【視点】新聞社の地方支局(総局)ではしばしば「珍しい花が咲いた」という電話やお手紙をいただきます。 カメラをもって駆けつけ、写真を撮って話を聞いて、そこからがけっこう手間がかかります。 専門家に写真を見てもらい、種類が間違いないか確認し、この花が咲くのは珍しいのかとか、なぜ咲いたのかといったことを教えてもらいます。花の名前を間違えないよう、資料を取り寄せたりということもします。 花を見守ってきた人たちには、花をめぐるそれぞれのストーリーがある。そんな話を聞くのも楽しいものです。 私は長く神奈川県内の取材記者をしました。地方勤務をしていると受け持つ地域を隈なくすべて知りたいという気持ちになるもの。でも特段のきっかけや機会のない場所もたくさんあります。こうした情報をいただくと、行ったことのない場所を訪ね初めての人と出会うきっかけにもなるので、うれしく感じました。 ものすごく珍しい花ではなかったとしても、花の写真と人の物語があると、ぐっと地域面の紙面が華やぎます。 私自身は取材現場を離れてしまいましたが、花に限らずちょっとした街の話題、新聞社ではいつでもお待ちしています。

  • 「悪夢は続くだろう」 記者の殺害事件、最多ペースのメキシコで何が

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月29日17時20分 投稿

    【視点】遠い異国の出来事ですが、読みながら、朝日新聞阪神支局襲撃事件を思い起こさずにはいられませんでした。 「記事を書くことで少しでも社会が良くなるのであれば、その歩みを止めてはいけない。腐敗した社会のままで良いわけがない」 記事のなかでメキシコの男性記者はこう言います。世界のどこにいても、報道に携わる者は誰しも、同じ思いでいることでしょう。 阪神支局事件は未解決のまま時効をむかえました。記事によれば、メキシコのジャーナリスト殺害も9割が未解決といいます。それでも報じ続ける記者がいる。マリウポリに残って発信を続けたAP通信記者らのことも思い起こしました。 紙面ではきょう(4月29日)の1面と社会面で始まった連載「『みる・きく・はなす』はいま」は、1987年の阪神支局事件を契機に始まりました。デジタルではタイトルを「沈黙のわけ」として掲載しています。 「何か言おうとすると、口をふさがれ、冷笑され、決めつけられる」 「何が自由な表現や言論を阻み、沈黙させるのかを探ります」 記事の狙いが、そんな風に書かれています。 メキシコの記者たちと、向き合う課題は共通している。志を同じくして歩みたいと思います。ぜひ「沈黙のわけ」も読んでみてください。

  • やまゆり園事件、植松死刑囚側が再審請求 一審で控訴取り下げ確定

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月29日5時46分 投稿

    【解説】裁判前に植松被告(当時)と7回面会して感じたのは、いのちの重みに対する現実感の圧倒的な希薄さだ。奪った命のみならず、自分の命すら、被告にとっては重みも現実感もないかのようだった。 その印象は、死刑判決への控訴を取り下げ、判決を自らの手で確定させるという行為で完全なものとなっていた。 あれから2年あまり。再審請求の報に驚く。どんな心境の変化だろう。いのちの重みを実感するなにかがあったのか。 裁判の審理でも私たちの取材でも、凶行の背景を解明しきったとは到底言えない。尋ねるべきことがたくさん残っている。 再審は容易には認められない。だが、凶行の背景と、この心境の変化を、植松死刑囚に聞きたいという思いが募る。

  • いまさら?「いまだから」 35歳で高校卒業、スザンヌさんの新境地

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月28日13時53分 投稿

    【視点】「なぜ学ぶのか」。記事を読んで考え込んでしまいました。大事な問いです。 なにを、なぜ、どう、学ぶのか。考えた末にいま思うのは、生きていく土台をつくるということでしょうか。スザンヌさんのお話にもありますが、学ぶことで世界が広がり、関心が広がり、見えてくるものがある。学びとは、生きているかぎり、続くことだとも思います。 私は不登校になった12歳のときから、大学に行きたいと思って大検を受けることにした19歳ごろまで、教科の勉強はまったくしませんでした。特に高校に行っていれば学んだであろう内容は、その後の大検や大学受験ではカバーしていないことがけっこうあります。 正直なところ、「もうちょっと勉強しておいたらよかったな」と思うときがあります。書店によく寄りますが、参考書の棚はたまに気になります。英語なんか、若いうちに勉強してぺらぺらしゃべれるようになれてたらよかったなあなんて。 いっぽうで、学ぶとは、教科の勉強だけをさすわけではないという思いもあります。アルバイトし、バイクで旅に出て、外国を放浪し、ということを繰り返した十代後半も、無駄な時間を過ごしたとは思わない。義務的にやるべきことがなにもなく、有り余り時間のなかでなにをして生きていこうか考える時間が十分すぎるほどあったことが、その後の自分につながっている実感があります。 遊ぶこと、ただぼーっとすること、考えること、はたらくこと、誰かと話すこと。すべてには学びがあって、人として生きていくための土台をつくりつづけるのじゃないかと、思います。

  • パートナーシップ宣誓1号の2人に贈られた言葉 外でも家族になれた

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月24日17時51分 投稿

    【視点】右上の検索窓に「パートナー 宣誓 1号」と入れて、過去記事を検索してみてください。各地の自治体で新しく制度ができて、その第1号になった人たちの声を報じる各地の記事が出てきます。 私も3年前に神奈川県横須賀市で、今回の記事と見出しまでよく似た記事を書きました。 こちらです。 ○第1号パートナーに送られた拍手「人間扱いしてくれた」 https://www.asahi.com/amp/articles/ASM5Z6WKMM5ZULOB01F.html 偶然なのですが、内容も似ていると思いませんか? 「1号」になることへの感慨や、自治体職員のまなざしに変化を感じたことなど、制度ができることの大きな意義が伝わってきます。当事者にどれほど待ち望まれた制度だったかと、思います。

  • 第1号パートナーに送られた拍手「人間扱いしてくれた」

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月23日15時19分 投稿

    【視点】「虹って色がはっきりしていますよね。でもLGBTはグラデーションなんです。色と色のあいだに、めちゃめちゃいろんな色があるんです」 開催中の東京レインボープライドにあわせて、私が3年前に書いたこの記事を紹介させてください。 当時の私は横須賀支局長。横須賀市が導入した「パートナシップ宣誓証明制度」で、第1号となったカップルがツイッターで、市役所(行政センター)での出来事を書き込んでいるのを見て、取材をお願いしました。制度ができることで職員の意識が変わり、当事者の力になるんだと、深く実感する取材でした。 取材のなかでいちばん印象に残ったのは、コメント冒頭で引用したこのことばです。 ノートにペンを走らせながら話を聞いていて、心が震えるときがあります。そんなときこそ大事。一文字たりとも書き落とさないようにペンを走らせます。録音してるから必死にメモすることもないんじゃないかとも思いつつ、その場で文字に刻んでことばをかみしめることにはやはり意味がある。一拍おいて次の質問を考えます。 記事に登場してくれたふたりは、つらいことも経験してきたといいます。つらいことを経験した人のことばに心が震える思いをするということが、私はよくあります。 つらさがあるが故に考え抜いたその先に、人としての優しさや強さ、鋭さが生まれるのではないかと、さまざまな取材を通して感じてきました。それは決して、つらいことを経験したほうがよいという意味ではありませんが。 冒頭の言葉に戻ります。ひとというのは本来、とても多様な存在なんだということを端的に思い起こさせてくれることばです。虹のように、誰もがありのままの色で生きられる世界にしたい。私もそう願っています。

  • 親との別れの日のために 「8050」の親子に必要なサバイバル計画

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月22日18時42分 投稿

    【解説】記事に出てくる「ひきこもりのライフプラン」はなかなか現実的な内容です。少し古いものになりますが、内閣府ウェブサイトで「ひきこもり支援者読本」(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/ua_mkj_pdf.html)を閲覧できます。畠中雅子さんらによる「親が高齢化、死亡した場合のための備え(生活維持のための自助)」をぜひ見てみてください。 畠中さんらは、ひきこもっている人がこのまま一生働けなかったとした場合に、どうしたら生き延びられるか考えることを説きます。親の資産や負債を洗い出し、ひきこもる人や親子が利用できるさまざまな制度を紹介。親亡き後に外出できなくても生存できるようネットスーパーの利用をすすめ、料理が苦手ならせめて無洗米を使って米を炊こうとすすめといった具合に、細やかに詳しく幅広く、生き延びる知恵を紹介しています。 私もかつてこのテーマを取材し、これは大事なことだと思いました。「働かなくても生きていける」と説いたら語弊があるかもしれませんが、「なにはともあれ生きてはいける」と思えることって、すごく大事ではないでしょうか。ただ生きている。それだけで尊いことだと思います。 ウェブでみられる読本は平成23年発行のものなので、当事者や家族が実際に参考にする場合は、利用できる制度などについては最新の情報を参照するようにしてください。

  • ランドセルじゃない? 小樽で愛され続ける通学かばん

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月21日20時1分 投稿

    【視点】ランドセルより軽くてお値段も手頃な通学カバン、少数ですが各地にあるようです。 上野千鶴子さんの記事で、高くて重いランドセルの問題に関心を持った方に、ぜひこちらの記事を読んでほしいと思います。 ランドセルより軽くて安いのはとてもよい。加えてすばらしいと思うのが、ナップランドを買うのが新入生の6~7割だという点。きっと、いろいろなカバンを使っている子がいるのでしょう。それが自然な姿なんじゃないでしょうか。 地元のカバン店が企画して売っている点も、よいと思いました。 上野千鶴子さん「いいかげんランドセル止めたら?」問われる親の選択 https://digital.asahi.com/articles/ASQ4N41R0Q3QPISC00T.html#comment_area

  • 上野千鶴子さん「いいかげんランドセル止めたら?」問われる親の選択

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月21日19時42分 投稿

    【視点】子どもが中学生になるとき、通学用のカバンを選びに行って驚いた。 学用品コーナーには、軽くて大きな中学生のリュックがたくさん売られている。価格は1万円以下のものが大半で、デザインはさまざま。「小学校だってこれでよかったじゃないか」「ランドセルはなんだったんだ」と思わず声が出た。 検索すると、ランドセルの平均購入価格は5万円を超える(うちはそれよりお安いのを買いました...)。自分用にそんなお値段のカバン、私は買ったことがない。高いし重いし、なにより、みんなが同じカバンにしなくたっていいじゃないですか。 ランドセルは定期的に話題になるテーマで、2016年のwithnews記事(https://withnews.jp/article/f0160102002qq000000000000000W02j0401qq000012866A)では、京都府の一部学校で使われているという「ランリック」が紹介されている。 経済的に苦しい親が子に安価な豚皮のリュックサックを買ったところ「ブタ、ブタ」といじめられたという話を学校長から聞き、安価な通学カバンの開発をはじめたという学用品販売会社の経営者の物語だ。 2020年の朝日新聞記事(https://digital.asahi.com/articles/ASN4V6443N4GIIPE028.html?iref=pc_ss_date_article)は、北海道小樽市で使われる軽くて安い「ナップランド」を紹介している。 ナップランドの場合、小樽市の新入生の6~7割が購入すると記事にある。小学校でもいろいろなカバンを使う子がいるのが当たり前になっているのだろう。とてもいいと思う。 カバンは自由になった中学校だが、こんどは服装がみんな一律の制服だ。これまたけっこう高い。 自分も取材したことがある。学校によって少しずつデザインが違うため、少量生産で値段が高くなりがちだ。衣料品チェーンの既製品でよいことにする取り組みが一部で進むが、合意形成にかなりの時間がかかり、一部での取り組みにとどまる。 さて、上野千鶴子さんはこうも書く。 《子どもが生きる未来はもっと自由な選択肢があってほしい、「切実に、そう思う」と考える親のひとりである小林さんにしてからが、入学前につまずくのか。子どもを人質にとられる、ってこういうことなのか、と思うが、これから先だって、ひとつひとつ子どもに同調を強いるのか強いないのか、親の選択が問われるだろう》 ドキリ。同調圧力超絶苦手系で小中高は不登校の私だが、自分の子のことになると、同調圧力と自由な選択のはざまで揺れ、そしてたいがい負ける。 でもいいのだ。ぶつぶつ言ってる私をよそに、子は子の道を自分で決め、歩んでゆく。

  • ダウン症児の子育て、一番の「モンスター」は 奥山佳恵さんの10年

    太田泉生
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    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月21日0時43分 投稿

    【視点】デジタル記事掲載から半年以上経ったきのう(2022年4月20日)になって、アクセスランキングトップになるほどこの記事が読まれました。奥山佳恵さんのすばらしいメッセージがこもった記事で、掲載から少し時間が経っても再び多くの人に読んでいただけるというのが、デジタルの良さでもあり、デジタルの編集を担当している身としてうれしいところです。(この記事の取材や編集には私は関係していません) 記事のなかで、もっとも大事だと思ったのは次の一文です。 《「生産性」のある「100点」の人しか生きられないとなっていくのは、本当に生きづらい。誰もが、老いたり病気にかかったりするわけですから、生きているだけで100点、というハードルにしないと、つらくなりませんか。できる人ができない人をフォローするという、当たり前の共生社会を思い起こしてほしいです》 私は障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件をきっかけに、障害と社会について考える取材を始めました。加害者とも拘置所で何度も面会し、話を聞きました。 加害者は「重度障害者はいらない」といいます。あるとき私は、彼のいうとおりに人を切り捨てると、どんな社会になるだろうと想像してみました。 「劣る」とされた側を切り捨てることが当たり前になってそれがどんどん進んでいけば、いつかは自分が切り捨てられる側になるかもしれないじゃないかと思いました。いのちはただ存在するだけで尊い、かけがえないものなのだと、この事件の取材がきっかけで、強く思うようになりました。 生きているだけで100点。奥山さんの言うとおりです。 仮にモンスターにみえるときがあったとしたって、いのちあるだけで、無条件で100点。そのことを何度でも確認したいと思います。

  • 吉野家HD、不適切発言の常務取締役を解任 「到底許容できない」

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月19日18時3分 投稿

    【視点】会社が発言の問題点を曖昧にせず、「人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することのできない」と明確に述べたことはよかったと思います。 大学の講座での発言を聞いた人がその場で大学側に抗議し、SNSにも書き込んだことで広く知られることになったようです(SNSの記述による)。私自身も報道が出る前に、友人らがSNSでシェアした投稿を見ていました。 その場で抗議することや、SNSに公開設定で投稿することは勇気が要ったと思います。こうした異議申立の積み重ねが、これまでも少しずつ、社会を変えてきました。大事なことだと思います。 多様性(ダイバーシティー)の尊重などということを持ち出すまでもない論外の発言ですが、こうした感性を変えていくためにはやはり、社会全体でも個々の組織でも、多様性が尊重されるようにしていくことが大事だと思います。 ただ要職に女性の数を増やすだけではオトコ社会は変わらない。ダイバーシティーが尊重される社会(組織)にしていかなければならないということを、今回の事例は示しているように思います。

  • 「学校に行かなくていい」は救いになり得るか 逃げられない時代に

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月11日16時40分 投稿

    【視点】「学校に行かなくていい」なんて言葉が頻繁にメディアに載るようになったのはここ数年のことだ。2015年夏に、9月1日をはじめ長期休暇明けに子どもの自死が多いことが報道されてから、急にメディアにおける不登校をめぐる語りが変化した。驚くほど急激な変化だった。 現在44歳の私は小学6年の時に不登校になり、中学校には1日も行かなかった。不登校がまだ「登校拒否」と呼ばれ、医療や矯正の対象とされた時代だ。そうした時代を身をもって知る側からすれば、「学校に行かなくていい」という言葉がメディアに頻繁に出てきて、政治や行政からもそうした発信があるなど、隔世の感がある。 でも、しんどい子にとって楽な社会になったのだろうか。私は、そんなに変わっていないのじゃないかと思う。 9月1日問題が注目され、メディアではしばしば「死なないで」というような直截なことばが載った。9月1日が近づくとそうした記事や番組が集中的に組まれるようすは、喧噪のようだった。そういえば私が不登校になったのは9月1日からである。自分が目にしていたら、むしろしんどかっただろうと思う。「しんどかったら行かなくていい」とか「無理して行かなくていい」とか言うけれど、しんどいなんて認めたくないし、しんどくなかったら行くべきだと思っているんでしょと、背景にある変わらぬ価値観が透けて見える感じがするからだといったら、言い過ぎだろうか。でも渦中の子たちは見抜いているはずだ。 「学校に行かなくても大丈夫」というメッセージもよく見かける。でもそれらはしばしば「家で勉強をすれば」「オンライン学習をすれば」「得意なことを伸ばせば」といった条件がついている。学校に行くことは依然として基準であり、行かないならこうするべきだと、人として存在することに条件がつけられることは変わっていない。 自死した子の背後には、自死まで至ってないがしんどいという子が無数にいる。「自殺対策」という言葉が私は嫌いだ。死のもっと手前にあるしんどさに目を向けなければと思う。 しんどさを生んでいる原因は、社会や学校のあり方にもある。山下さんが記事で「子ども本人の頑張りや意識の問題にせず、社会の仕組みや認識を変えるべきだと私は思います」と述べているのはそういうことだろう。社会や学校のあり方を変えることなく「学校に行かなくていい」とだけ言われても、渦中にいる子たちが楽になることはないんだと、私は思う。

  • アマゾン奥地の先住民族と軍が衝突 4人が死亡 原因はWiFi

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年4月10日13時28分 投稿

    【視点】現地報道を見てみると、金を採掘する「ガリンペイロ」と軍により、先住民ヤノマミが迫害を受けている構図が背景にあるようだ。 記事の元になったワシントンポスト報道やベネズエラの現地報道を読んだ。 まだ全容は見えないが、多くの記事が共通して指摘するのは、ヤノマミの人々が暮らすアマゾン奥地で、金を採掘する「ガリンペイロ」とベネズエラ軍が、ヤノマミの人々を迫害してきた構図だ。今回の事件とのつながりは明らかではないが、アマゾン奥地で違法な金の採掘が跋扈し、ヤノマミも採掘にかり出されたり、軍が違法採掘を少なくとも黙認してきたりした構図が、各記事で指摘されている。 WAPOの元記事には、ベネズエラの先住民出身議員が「彼らはインターネットのために死んだのではない。アマゾンの金のために死んだのだ」と述べたとの記述がある。 https://www.washingtonpost.com/world/2022/03/31/venezuela-army-yanomami-killing/ スペイン紙エルパイスは、ヤノマミの人々はインターネット機器の寄付を受け、太陽光発電のある陸軍施設に置いて接続を共有することになったと記述。だが軍側がパスワードを変えてしまい、ヤノマミ側が抗議にいった。この際に軍側は、金(カネではなく、採掘するきんのことと思われる)を要求したとの情報もあるという。 https://elpais.com/internacional/2022-03-24/cuatro-indigenas-de-la-amazonia-venezolana-mueren-a-manos-de-militares-por-un-conflicto-sobre-el-wifi.html 先住民とは、現代社会と切り離されて古くからの生活を守り続ける存在ではない。さまざまな形で外部と接触し、しばしばそれは迫害をともなってきた。その意味ではこの事件もまた、典型であるようにみえる。今回の衝突の背後になにがあったのか。続報を待つ。

  • 海自、金曜にカレー食べる習慣のわけ 各地で独自の味を追求

    太田泉生
    太田泉生
    朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権
    2022年3月29日11時46分 投稿

    【解説】海上自衛隊といえば金曜日の昼のカレー。 船乗りの自衛官からは、長い航海では曜日の感覚がなくなるので 金曜日にカレーを食べると解説を受けた記憶があります。 記事に書いていないところをみると俗説なのかもしれませんが、 てっきりそういうことだと思い込んでいました。 あるいは、私に説明した人にとっては本当にそうだったのだろうと思います。 カレー、食べたいですよね・・・。 これはかなり軽微な部類の懲戒処分かと思います。 横須賀支局に2年間勤務しました。支局管内には自衛隊施設がいくつもあり、 懲戒処分の発表がかなり頻繁にありました。 記憶では、海自横須賀地方総監部はもちろん、 陸自の久里浜駐屯地や防衛大学校、高等工科学校からもしばしばありました。 多くはこうした軽微な懲戒処分で、取材して事情を確認し、 記事は出さないという事例もけっこうありました。 大湊と舞鶴で同旨の発表が同じ日にあったということですから、 各地で黙認されていたことを改めたということかもしれません。 ツイッターでは「カレーぐらい食べさせてあげたら」という反応が多くありました。 私も心情的には半分ぐらいそう思いつつ、 自衛隊がルールに厳格であることは大切なことだとも考えています。

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