障害者施設「津久井やまゆり園」で殺傷事件を起こした植松聖死刑囚は事件前、周囲に「障害者は社会に役に立たない」「生産性がない」と語っていた。拘置所での私との面会でも、その後の裁判でも、同じ趣旨のことを述べた。 裁判を取材しながら、思い至った
ジャニーズ事務所所属タレントのCM起用をめぐり、複数の企業が相次いで「人権」を重視すると表明したことは、企業経営と人権をめぐる節目になるように見える。 人権をめぐって企業の姿勢が問われる場面は、CM起用に限らずこれまでも多数の例がある
「女性ならでは」というのは、典型的な無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)だ。内閣府男女共同参画局が全国の1万人を対象に行った調査では、多くの女性が「女性には女性らしい感性がある」と決めつけられた経験があると答えている。 内閣府
「地元民案・地元民設・地元民営」「村人自ら企画・立案する」「地元建設事業者優先で建設事業決定」 藤木幸夫氏が2022年に発表した「山下ふ頭開発の基本的考え方」には、こんな言葉がのっている。現在も、横浜港ハーバーリゾート協会のウェブサイ
私はオルケスタ・デ・ラ・ルスでスペイン語を覚えたといっても過言ではない。スマホには今でもほとんどすべてのアルバムが入っている。昨日は通勤の電車内で聞いた。 初めて聞いたのは十代半ば。音楽に詳しい友人が貸してくれたCDが気に入った。Somo
津久井やまゆり園事件の裁判の取材を担当した。この記事に出てくる方の証言も、法廷で読み上げられた。記事や本にまとめた裁判の記録を読み返した。 成人になったとき、本人の希望でパンチパーマにスーツ姿で写真を撮った。「はにかむ笑顔がうれしそう
横須賀市長発言に対してツイッターで広がった反響を読んでいて、第6次横須賀市男女共同参画プランに言及したものが目にとまった。今年3月に横須賀市がまとめた文書で、ジェンダー平等と多様な性の尊重に向けて、市が今後4年間に取り組むことが書いてある。
地方支局で10年以上、自治体取材を担当した。教職員が児童生徒と交際したり性的な行為をしたりしたとして処分されるケースは、日常的にある。その多くは、地域面の片隅に記録されるにとどまる。 件数の多さを思えば、校内にこうしたポスターを掲示す
急激な人口減少は、間違いなく横須賀市政の最重要課題だ。特に女性は、20代前半で大幅な転出超過となっている。人口が減るなかで「女性に選ばれるまちになっているか」という議会での質問は、最重要課題の核心を突いた質問といえる。その問いへの回答がこれ
はなわさんの「佐賀県」がヒットした2003年当時、佐賀支局員だった。「牛丼屋はあるけど名前は吉田屋」といった一節が歌詞にあったが、当時から佐賀市内には1カ所だけど吉野家があった。 遅くまで現場取材をした帰り、街道沿いの吉野家に入って一
夜のシフト勤務を終えて会社近くを歩いていたある日、「お疲れさまでーす」と軽やかな声が聞こえ、シェアサイクルにまたがった同僚が私を追い越していった。電車で数駅程度の範囲なら、シェアサイクルで帰るのは爽快だし楽しいものだろう。 私も横浜に
学校に行かないと日々やることがない。時間が無限にある。無為に過ごしているようで心配になる。自分は何なのか、何をするのか、何をして生きていくのか考えるのだが、容易には答えが出ない。道を示してくれる人はいないので自分で決めるしかない。私にとって
横須賀線は100年近く前のほうが速かったーー。記事の指摘に驚き、自宅にある昭和43年10月(ヨンサントオ大改正)の時刻表を見てみた。 確かに今より速い。 昭和43年10月改正時刻表で東京を15:18に出る1521S列車は、横須賀に1
私は書籍は書店で買う。いろいろ理由があるが、大きな理由は、ブックカバーをかけてもらうのが好きだからだ。自宅の本棚には、有隣堂のカバーがかかった本がたくさん並んでいる。 横浜で長く勤務し、いまも暮らしているので、有隣堂の変遷はずっと見て
久保敬さんとおおたとしまささんのことばを、共感をもって読んだ。教育と「競争」が言及されるたびに感じるもやもやが晴れていくようだ。 3月に配信された「通知表をやめた小学校」でも、競争社会ということばが出てくる。https://www.a
「中高生時代に不登校だった現役の運転士が社内公募で提案した」という点に注目した。 「鉄道への興味から、学校以外にも世界があるとの気づきにつながった」というのもよいことばだ。本人が取材に答えたわけではないようだから、この運転士は自らの経
要請の趣旨に共感する。不登校だったことが高校進学の足かせになったり、マイナスになるのではないかと当事者が心配になったりするような制度は、あらためてほしい。 私自身は小学校時代に不登校になり、中学3年間の出席はゼロ。高校には進学しなかった。高
横浜市会の議事録を検索し、市議の発言を読んだ。不登校の我が子が自宅でひとりで日々過ごしていること、学習面の不安、今後への漠然とした不安が率直に語られている。 「不登校予備軍はたくさんいると想像しなければいけない」 「教室が安心できな
街頭に立つこと、市民運動に関わることだけが、異議申立ではない。内面に変わらぬものをもって生きるだけでも、大切なことだ。(年を経て変わる部分があったとしても、それはそれ) 小さな不正義は、日々の暮らしのなかにある。学校で、地域で、職場で
不気味な話だ。 米海軍横須賀基地に原子力空母が戻ってくる日、基地を見下ろす安針台公園にはカメラをもった人が多く集まる。 基地監視団体の人たちや私たち新聞記者もいるが、多くは艦船や軍用機の写真を撮ってまわる人たちだ。艦上に珍しい機