※在任期間2022年6月~2023年3月 肩書等は当時のものです…続きを読む
土井香苗さんには昨夏、日中国交正常化から半世紀の節目にインタビューさせて頂きました。記事の見出しは、「対中外交は中国の人たちを見ていたか モンスター化招いた日本の失敗」。その中で土井さんは、これまでの日本政府による対中外交は、「人権」とい
ブラジル前大統領のボルソナーロ氏が、大統領選に敗れたにもかかわらず、国家元首らに与えられるビザで米国に滞在し、ビザの有効期限が切れても出国せず、米国に居座っています。同氏の支持者がブラジル大統領府などを襲撃した事件で、事情聴取されることを
結局、日本人に対するビザ発給の一時停止措置は、なんのためだったのでしょうか。日本政府が中国での感染拡大を見て、中国からの入国者へのPCR検査の義務づけや、陽性者の隔離を決めたことは、妥当な判断だったと思います。そして、これはあくまで検査や
昨年11月にあった台湾の統一地方選で、石田耕一郎記者が現地から、山田摩衣さんの立候補について書いた記事を読み、いろいろなことを教えられ、考えさせられました。そして、今回の特派員メモ。まぶしいという言葉が、印象的でした。 台湾が地方議会
中国共産党・政府の透明性と説明責任の欠如は、この体制と長くかかわっていると、慣れてしまうというか、鈍感になってしまいがちで、それではいけないと感じることがあります。 グローバルな人の往来が当たり前になり、しかも、大勢の中国の人々が移動
大学で専攻したポルトガル語がどこまで通じるか、南米を回って試したことがあります。30年以上前のことです。ブラジルのリオデジャネイロで、友人の紹介で知り合ったブラジル人の車に乗せてもらっていたとき、「(夜間に)赤信号で止まったら、(襲われる
子供だましと言ったら、言葉遣いが悪いでしょうか。でも、あまりにも稚拙な対応に感じられました。こういう対応をとると、かえって人々の神経を逆なでしてしまうのではないかと、こちらが心配になります。 ゼロコロナとウィズコロナ。どちらかが百
まさに「上に政策あれば、下に対策あり(上有政策、下有対策)」。隠語か、それとも符牒と呼ぶべきでしょうか。しかも、中国の人々は、当局が不穏なやりとりを察知して削除するまでの時間を体感し、SNSの素早い転送に慣れ、削除される前に驚異的なスピー
習近平氏が中国共産党の総書記に就いて10年になりますが、今回の事態は最大の試練といえるでしょう。習近平指導部は、ウィズコロナ路線に転換することをよしとせず、「中国共産党の指導と社会主義制度の顕著な優位性」を示しているとして、ゼロコロナ路線
三代の総書記に仕えた王滬寧氏は別格ですが、ほかの政治局常務委員5人と習近平総書記の距離の近さが際立ちます。 毛沢東の死去後、鄧小平時代、江沢民時代、胡錦濤時代とも、最高指導部やその周辺には、路線や利害の対立などで一定の緊張感がありまし
共産主義青年団(共青団)派のエースと目されてきた胡春華氏が、政治局員から外れました。「団派の黄昏」。政治局常務委員と政治局員の名簿を眺め、そんな言葉が頭に浮かびました。 共青団といえば、私は胡耀邦元総書記をまず思い浮かべます。その胡耀
李強・上海党委書記(63)が、中国の次期首相に就く見通しになりました。すでに政治局常務委員を一期5年つとめた趙楽際・中央規律検査委員会書記(65)、王滬寧・中央書記局書記(67)を追い越す形で、党の序列2位に。上海でのコロナ対策で市民から
中国ではアクセスできない英語版ツイッターで、国営新華社通信が胡錦濤前総書記の途中退場について、疑惑を打ち消すような説明をしました。他方、中国の主要な国営メディアは、沈黙を守っています。こうした状況が、かえって「なにかあったのでは」という疑
英マンチェスターで中国当局への抗議活動に参加していた男性を在英中国総領事館員が総領事館の敷地内に引きずり込み、暴行を加えたところ、マンチェスターの地元警察が男性を救出したといいます。中国総領事館員の行為は、拉致(未遂)に他なりません。本来、
演説の所要時間が前回の党大会に比べて半減したので、それが何を意味するのかと思いを巡らせていました。ところが、演説後に公表された政治報告の全文は、習近平総書記が壇上で読み上げた分量の倍もありました。「俺は半分ほど読み上げる。残りは読んでおきな
中国共産党大会で注目されるのは、なんといっても人事、それに、党規約がどう書き換えられるのか、ではないでしょうか。そのなかで今回は、首相に誰が就くのか、いまだにはっきりしていないという、これまでになかった異例の事態です。 歴代の首相を振
垂秀夫大使の発言に強い印象を受けました。対中外交の最前線で陣頭指揮をとる駐中国大使が、ここまで率直な言葉を繰り出すことは、異例中の異例です。並大抵ではない覚悟と戦略的な意図をもってのことでしょう。日中関係について、相互信頼が「全く醸成され
タラップの上から手を振る当時の田中角栄、周恩来両首相をとらえた写真は、所々がセピア色に変色していて、「半世紀」という月日の長さを物語っています。同時に、記者の「時代状況が変わった今、彼らの思いや言葉は色あせたと断じるのはたやすい。しかし、
中国で日本語を教える岡本直恵さんが蘇州で暮らし始めたのは、2014年の春。その1年半ほど前、中国では100都市以上で激しい反日デモが繰り広げられました。 それでも、岡本さんは「初めて暮らす中国は、思っていた以上に肌が合った」とおっしゃって
習近平氏は、「定年」だけでなく、いわば「早期退職」ともいえるやり方で、幹部人事を動かそうとしているのでしょうか。しかも、党、政府だけでなく、国営企業などの幹部にも広く適用され、その範囲は指導部メンバーに及ぶかもしれないとなれば、これは重い決