意見書で言及されている「情報空間全体の改善」という視点は非常に重要で、この点について新聞業界は何ができるのか、政府や世論に働きかけることはないのか、大局的な観点から、業界として知恵を出していくことが求められていると思います。
ネット上のコミュニケーションの媒介者(プロバイダ)を免責する通信品位法は1996年に制定された法律です。当時のサービスは、投稿されたメッセージをそのまま掲載し単純な媒介を行うにとどまるか、せいぜい手作業で多少の編集を行う程度のものでした。
政見放送について公職選挙法は、NHKが「そのまま放送」する義務を課す一方で、「他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位を損なう
9条や安全保障の問題は、日本政府自体にも当事者能力が十分にないという特殊性があります。 戦後憲法体制は、日本国憲法だけではなく、日米安全保障条約によっても支えられており、両者は矛盾をはらんだまま展開してきたことが、防衛政策を規定していま
今回の職員アンケートは非常に重要だと感じます。刑務所(や今回の調査の対象外でしょうが入管施設も同様でしょう。)の職員の職務環境や待遇の問題は、採用難による職員の質の低下、モチベーションの喪失などを通じ、被収容者の処遇にも大きな影響を与えるは
この資料については、毎日新聞が昨年11月から継続的に詳報しています。下記がおそらく最初のものかと思います(間違っていたらすいません。)。 「旧統一教会教祖の発言録が流出 「安倍派を中心に」浮かぶ政界工作」 https://maini
結婚という選択肢がないことは、単にカップルの法的地位だけの問題ではなく、自分のアイデンティティを理由として一人前の個人として認められていないという尊厳の問題だということ。リンク先の動画を見ると、有吉さんとそのパートナーや家族の等身大の語りを
陵虐行為にあたるという取り調べを行った検事の氏名は匿名になっています。実名報道原則を標榜するなかで、本件はいかなる理由があって匿名になっているのか、ぜひともご説明をいただきたいところです。
先日、沖縄でこの条例について色々な方にお話をお伺いしてきました。ヘイトスピーチ(本邦外出身者に対する不当な差別的言動)に対して具体的な対応手続を定める条例は、大阪市、東京都、川崎市、愛知県に続く例だと思われます。また、相模原市でも検討が進ん
国会のあり方を考える際には、大前提として、一般国民が国会議員が普段どのような活動をしているのかほとんど知らないという問題を何とかする必要があると思います。 個人的な話で恐縮ですが、先月、法学部のゼミ生と一緒に、与党・野党の衆議院議員・
技能実習制度の功罪を多面的に提示する記事で、非常に参考になりました。連載になるようですので、今後も期待したいと思います。 技能実習制度については、様々な悲惨な実情が伝えられてきました。つい最近も死産した新生児を「遺棄」したとして起訴さ
TikTokは日本でも、10代、20代では、LINE、Youtube、Twitter、Instagramに次いで利用される人気のアプリとなっています(利用率は10代で62%、20代で47%〔総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メデ
行政(サービス)のデジタル化に向けて次の段階に進む転機としたい判決です。 判決は、マイナンバーと紐づいた個人情報は、法律上、正当な行政目的の範囲内で利用されることとされている上、漏洩など悪用される具体的な危険も生じないような保護措置が
日本の放送制度の脆弱性を露わにした事例だと捉えています。つまり、「政治的に公平であること」(放送法4条1項2号)の解釈内容そのものよりも、政権中枢が特定番組を念頭に放送法解釈に介入しようとしたこと、そしてそれが制度上排除されきっていないこ
ドキュメンタリー映画での知事の肖像利用に関する肖像権理解については、局側の考えが適切であり、知事の主張には無理があるように思います。 他方、知事のプロレス映像の提供拒否に関しては、確かに、局側に提供を求める明確な権利があるとまでは言え
外国の影響力工作への対応は新しい問題で、実務対応と並行して、理論的な検討も進める必要性を感じます。 憲法との関係では、たとえば、外国政府が直接的又は間接的に行っているプロパガンダは表現の自由として保障されるのかといったことがまずもっ
こと日本国内向けに関しては、ツイッターの広報体制は以前から十分とは言えませんでしたが、マスク氏による買収以降、より一層不備が目立ちます。このことは、買収以降、コンテンツモデレーションやアカウント停止に関して、今回のように不安定な出来事が増
国際的にも意識の高まっている先住民族の権利について考えるきっかけとなる記事だとは思います。アイヌ民族の権利に関しては、研究用として複数の大学が保管していた遺骨の返還が問題となってきたほか、「2020年8月、アイヌ民族が地元の川でサケを捕獲
庄司先生のお立場に基本的に賛成します。 マイナンバーあるいはマイナンバーカードに関する議論では、プライバシーに対する懸念があまりにも強調されすぎており、そこから得られる(はず)の便益があまりにも過小評価されていると感じます。いわば、国
菅野さんのご指摘のような根源的な疑問は、憲法そのものの抱える限界であり、それを解消するためには憲法改正をするのが本筋だと思います。現行憲法の解釈としては、今回の判決は日本の裁判所として可能な範囲で、かなり踏み込んだものだと考えます。