2000年英国サセックス大学ヨ-ロッパ研究所現代ヨーロッパ研究専攻博士課程修了。2000年から2008年まで筑波大学国際総合学類で専任講師・准教授、2008年から2020年まで北海道大学公共政策大学院で准教授・教授。2012年から2013年にはプリンストン大学国際地域研究所客員研究員。2013年から2015年までは国連安保理イラン制裁専門家パネル委員。2020年から東京大学公共政策大学院教授、2022年から地経学研究所長。内閣府宇宙政策委員会委員(宇宙安全保障部会長)、日本安全保障貿易学会会長、国際宇宙アカデミー正会員、国際問題研究所客員研究員なども兼任。…続きを読む
自分でもなぜトルコの大統領選の解説の役目が回ってきたのかわからないが、今やトルコの大統領選は一国の選挙というよりは、中東、欧州、そしてロシア・ウクライナの戦争に影響を与える選挙になっているからなのだろう。私もそういう観点で見ていたので、その
果たしてエルドアンはカリスマなのだろうか?確かに彼は一身に権力を集中させることに成功し、一部には熱狂的な支持者もいるが、ドゴールやJFKのような、敵であっても何らかの敬意を表さざるを得ないというタイプのカリスマではない。エルドアンは権力の使
いろんな意味で示唆的であり、考えさせられるハバ―マスの議論を的確に読み解く板橋さんの論評。西側諸国の責任と覚悟がこれまで十分に語られてこなかったのは、ウクライナへの武器供与を最初から決めていたわけではなく、ロシアの侵略を抑止できなかった(経
シナリオの一つ、とはいえ、ロシアによる暗殺の恐れや、移動中になんらかの妨害を受ける可能性があると考えると、そんなに軽い「一つ」ではなく、相当可能性として高いと見積もって警備の計画を立てていたものと思われる。日本はゼレンスキー大統領が来る可能
トルコの世俗主義がもたらしたものは、経済社会の近代化であり、トルコの世界的な地位を押し上げることだったが、同時に国民の宗教上の自由の抑圧ももたらした。しかし、宗教上の自由が得られるようになった今、エルドアンがもたらした経済社会の混乱と大地震
ロシアのプロパガンダの影響力を物語る記事だが、すべての人がこうしたプロパガンダを信じているわけではない。しかし、外国に関する情報が乏しければ、そうしたプロパガンダがすんなり入ってきてしまう。人が国際関係を学び、批判的な思考を獲得することの重
強すぎる科学信仰、というご説明はその通りだと思うのだが、一方で政府や専門家は科学信仰が強すぎて、「科学で説明すれば国民も納得する」「科学が正しいのだから、正しいものは理解される」という判断となり、国民に対するメッセージもデータや科学的解説ば
ユン大統領は検察出身の政治経験の少ない大統領。これまで支持率に一喜一憂する生活を送ってきたわけではなかった。一期五年の大統領になった以上、再選を心配する必要もないし、退任後の政治的影響力を維持しようという野心も、過去の大統領に比べると小さい
政権としての物足りなさが、なんだかんだいって政権の長期化につながるようであれば、かつての55年体制の時のように、派閥の長となって調整型の政治を続けていくことが日本の政治において正解となる時代が戻ってきた、という感じを受ける。これまで小泉、安
すでにロシアの仲介でシリアとサウジの関係は正常化しており、アラブ連盟への復帰も時間の問題であった。サウジはイエメン内戦への関与を減らし、その流れでイランとの関係を中国の仲介で正常化させ、さらにはロシアとの関係も深めている。まさに、サウジはア
経済安全保障の議論では、コストがどうであっても供給の多元化を進め、リスクに備えるということが議論されている。それはそれで正しいのだが、この町工場のように、だれかがコストを負担しなければならず、その負担が「国難」に立ち向かうために利害を度外視
中国がだんだんとフラストレーションをためてきている、という印象が強まるやり取り。これまでアメリカの行動を一定容認し、中国の独自能力を高める機会だとすら考えていたように見えるが、さすがにアメリカ国内に渦巻く反中感情と攻撃的な対中姿勢はもう容認
EUは「反威圧措置(Anti-Coercion Instruments, ACI)」といった報復措置を検討するなど、経済安全保障の分野ではアメリカほどではないにせよ、強気で攻撃的な姿勢を見せるようになってきている。これまではアメリカの国内措
しばしば日本の失敗のパターンとして現れるのは、世界に先駆けて新しいものを出した結果、その新しいものが時代と共に古いものになり、他のものに追い越されてもずっとしがみつき続けるということ。ハイブリッド車がそうだし、携帯電話がそうだった。日本では
これだけの規模のインフラ建設であれば、昨年2月以前から調達計画などが立てられ、一通りの資材は手元にあったはずなので、制裁の影響が出るということはおそらくないだろう。今後問題になるのは、こうした機能性の高い車体やサービスが継続的に使えるかどう
G7に向けて「経済的威圧」についてインタビューしていただきました。経済的威圧は経済的手段で他国の政策を変更させるという一般的な定義はあるが、その目的としては自国の政治的・経済的利益を追求するものや、経済制裁のように国際的正義を追求するものも
空港の保安検査場の人員不足は日本だけでなく世界的に起こっている問題。コロナの時にかなりの人員整理をしたところが多く、そこからの回復に時間がかかっている。日本も羽田や成田での人員不足はだいぶ解消に向かっているという印象を受けているが、それでも
先日、外国メディアに日本の安全保障政策の変化が起きているが、国民はなぜ反対しないのか、と質問された。単に安全保障環境の変化で説明するのもなんなので、アメリカの孤立主義的な傾向、ウクライナ戦争における自国防衛の重要性とともに、日本の「平和主義
どんな世界においても、「小さな池の大きな魚」であることの意味は大きい。小さなニッチ市場を生み出し、そこで大きなシェアを取ることで存在感を示し、ブランドを構築する。個人的な話になるが、私が国際政治学者として宇宙政策などを研究していたとき、周り
いろんな意味で注目を集める芦屋新市長だが、この教育論も筋が通っていて良い。日本の教育は全体最適を優先し、個々人の能力に適合した制度にはなっていなかった。しかし、これからの時代はAIが多くの知的作業を代替する時代となり、「記憶力がよく、問題に