氏岡真弓

氏岡真弓うじおか まゆみ

朝日新聞編集委員=教育、子ども
関心ジャンル:教育子育て

最新コメント一覧

  • 子どもの権利は義務とセット? 教員に尋ねた結果は 国際NGO調査

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年7月4日20時35分 投稿

    【視点】「子どもの権利条約は校門の前を通り過ぎてゆく」。ある養護教諭が取材の時、話してくれた言葉です。「先生たちは、子どもの権利を尊重していると思っているけれど、それはあくまで義務を果たすのが前提」とも。今回の調査結果は、その言葉とぴったり合います。 批准から30年近くたっても、これほど根付いていない条約は少ないのではないでしょうか。いかに日本の教育が子どもに権利を伝えてこなかったかの表れです。 子ども政策の司令塔となる、こども家庭庁が来年4月に設置されることが決まりました。十分な人員と予算がつくかどうか心配する声がありますが、その前に、すべての子ども政策に子どもの権利条約を貫徹させることを求めたいと思います。

  • 中学受験はせずに三角関数 科学五輪選手が育った家庭の型破りな習慣

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年7月4日15時25分 投稿

    【解説】【楽しさが牽引する学習】 国際科学五輪への国内からの参加者は増えつつあります。この結果を大学入試に生かせることも一つの理由だと思いますが、佐藤弘康さんの「好き」から始まる挑戦は、ただ純粋にな意欲からのもので、学ぶとはこうあるべきだ、と感じました。 たとえばTIMSS(国際数学・理科動向調査)2019で、日本は小学校、中学校ともに、算数・数学、理科の「勉強は楽しい」「得意だ」と答えた児童生徒の割合が増えているものの、国際平均よりなお下回っています。楽しさが意欲を引っ張り、それが結果に結びつく学びがなお日本の課題になっていることを考えると、佐藤さんのような子どもたちが増えて欲しいと思います。

  • 共通テストの難易度「あまり適切でない」 平均点過去最低の数学

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年7月2日6時2分 投稿

    【視点】【問われているのは情報処理力では】 大学入学共通テストはどんな力を見ているのか。初回、2回目で明らかになったのは、「思考力・表現力・判断力」ではなく、端的に言えば、情報処理力だと思います。 問題文の長さ、問題を解くにはあまり関係ない「太郎さん」と「花子さん」の対話文の冗長さがこれまで指摘されてきました。 今年受験した学生たちに取材する機会がありましたが、「思考力を問われていると感じない」「まず問題を読み、要らないところをぱっと判断するスキルがついた」など否定的でした。 新しいテストの難易度は回を重ねるにつれて落ち着いていくと思いますが、その間の受験生は大変です。これまでの形式にこだわらない検討が必要です。

  • 父は高級車、なのに養育費は…西成・母子家庭の生徒らが政党に質問状

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月30日7時53分 投稿

    【解説】生活の問題から立ち上がる学びです。主要9党に送られた質問状にどんな回答がくるのか、それとも来ないのか。注目したいと思います。 西成高校は長く反貧困学習に取り組んできました。自分や家族の問題を自己責任にせず、社会にどう開くのかの実践の積み重ねで、肥下彰男先生の「自分たちの生活を社会に重ねることで、社会構造の問題に気づき、世の中に働きかける主人公になることだ」という言葉は重いです。 では、この学習は西成高校だから必要なのか。そうではないでしょう。経済的に安定したように見える家庭であっても、生徒の抱える問題はあります。それを見つめさせ、「自分事は社会事」と社会への回路を開くことはどの学校でも必要なはずです。 選挙はその重要なきっかけとなります。模擬投票だけでない実践こそ、いま求められていると思います。

  • 奨学金を打ち切られた19歳 根強い格差、「学歴社会」でゆらぐ将来

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月30日6時54分 投稿

    【提案】増谷さんのいうように、紋切り型の問題は大きいと思います。 苦しい学生を救うという制度の趣旨からいえば、経済的に厳しい学生こそ救うべきなのに、切り捨てる結果になっているのは大きな問題です。取材でもこの記事と同様のケースに出会いました。その学生も通知に愕然とし、まだ動けていません。 通知を送る前にまず、相談窓口を設けて事情を聴き、通知を送ったあとも、通知に復活の経路を書き添えるなどできることは多くあるはずです。

  • 過重労働で適応障害、高校教諭の主張認める 大阪地裁、府に賠償命令

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月29日0時51分 投稿

    【視点】時間外勤務が100時間程度とは。過労死ライン超えをはるかに超える労働実態です。校長は「効率的に業務をするように」と声をかけるレベルではなく、業務を減らすべきだったというもので、当然の判断だったと思います。 注目したいのは、西本先生が現役として働き続けながら、任命権者を相手取って裁判を起こし、名前と顔を明かしてたたかってきたことです。生徒たちは、理不尽なことを許さない先生の姿に学んだことも多かったのではないでしょうか。同様に心と体の不調に苦しむ先生たちも、この判決に励まされたことと思います。

  • 小学校の課外活動、コロナで継続困難に 危機救ったデジタル技術

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月28日12時0分 投稿

    【視点】子どもたちが素晴らしいのは、デジタルを目的として、ではなく、手段として、道具として使っていることです。キーポイントはそれまでの活動の蓄積があり、「こんな状況だからこそやりたい」という声が出たことでしょう。 多くの学校では、コロナ下で、何とかしなければならないという必要に迫られてオンラインやタブレットに否応なしに向き合わされましたが、榎本先生と子どもたちは軽々とハードルを越えていく。こうありたいというケースです。

  • どんどん重く、高くなるランドセル 実は義務でも推奨でもない?

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月27日9時22分 投稿

    【提案】同年齢、同学級、同学年・・・。学校は同調圧力の働きやすいところです。そして、前例踏襲になってしまうことが多く、学用品など見直せるのに、「こうとしたもんだ」が通る世界です。 「学校の同調圧力」。その典型がランドセルでしょう。保護者は、周りの子と違っていじめられたらどうしよう、などと心配して、同じものを買ってしまいがちですが、ここはたちどまってみる機会が必要ではないでしょうか。たとえばPTAで、そろえる必要のないものを洗い出してみる。事務職員の方が中心になって見直してみる。一歩前にでることが必要だと思います。

  • コラムニストの小田嶋隆さんが死去 「ア・ピース・オブ・警句」

    氏岡真弓
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    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月24日16時17分 投稿

    【解説】小田嶋さんといえば、「ポエムに万歳!」。 >書き手の「何か」が過剰に溢れた言葉。意図的に「何か」を隠すため、論理を捨てて抒情に流れた文章。そこに「ポエム」は現われる。 そうだ、教育の言葉はポエムが目立つ!と膝をたたいたのを覚えています。たとえば、「すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために」「将来に向かって夢を描き、その実現に向けて努力している少年少女一人ひとりが、自信に溢 あふれた、実り多い、幸福な人生を送れるようにする」・・・ 小田嶋さんは形にならないものを言葉にし、時代の空気を描き出すコラムニストでした。その世界を、もう読めない。悲しい。

  • 子どもが登下校中に地震…今なにをしたら? 壁から離れ、集合場所へ

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月22日9時9分 投稿

    【解説】とても重要な記事です。できるだけ多くの保護者と子ども、そして先生にお読みいただきたいです。2011年3月11日の東日本大震災を思い出します。いつもなら下校の時に地震が発生し、学校の指導の下なら助かった命も、津波にのまれた経験を忘れてはいけないと思います。 この記事は地震についてのものですが、津波、洪水、落雷などさまざまなケースがありえます。学校の避難訓練に頼らず、多様なシーンに合わせた家族の避難訓練が欠かせないところです。

  • 「親ガチャ外れで子どもに申し訳ない」 正社員当たり前でない時代に

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月21日9時28分 投稿

    【視点】大学生とともに取材する。このスタイル、同じ記者として、いいな、と思いました。若者が非正規労働をどうとらえているか知るのは重要なポイントだと思います。 教育担当として、就活の学生と話すことが多いのですが、「非正規にならないように正社員で」など、「正規=○、非正規=×」という話をよく聞きます。 しかし、正規にせよ、非正規にせよ、この社会で安心して働ける「椅子」が少なくなり、椅子取りゲームをさせられているのが現状ではないでしょうか。 正社員になっても、心を病んだり、過労でからだがボロボロになってやめていく人々もいます。心も体も病まずに働くことができるのは当然の権利で、憲法にも保障されています。参院選で各党がこの権利をどう保障しようとしているのか、注目します。

  • 「担任の先生いつ決まるの?」 1カ月半かけ持ち、教員不足の現場

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月19日8時0分 投稿

    【視点】教員不足、といっても新採用の先生の不足ではありません。産休をとった先生や病休の先生の穴を埋めてきた非正規の先生の不足です。このケースの場合、「春」というのですから学年初めから足りないのです。子どもたちはどんなに不安に思ったでしょう。そして先生はどんなに大変だったことか。 これまでこの問題が表面化しなかったのは、非正規の先生の問題だったことと、校内でなんとかしようとする先生たちの努力ゆえでした。しかし、もはやその状況は校内だけでなんとかできるものではなくなっています。リリーフに入った先生が倒れ、またそのかわりになった先生がダウンし、と玉突きが起きている学校もあります。 このままでは最終的にしわ寄せがいくのは子どもたちです。放置は許されません。

  • 教科書会社が現職教員に報酬 文科省が行政指導 「採択に疑念招く」

    氏岡真弓
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    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月18日10時28分 投稿

    【解説】東京書籍は教科書界のガリバーと呼ばれるほど、教科書の種類でも採択率でも大きな存在です。 教員の一部は教育委員会による教科書採択に意見を述べる立場になりますが、教育委員会に兼業届けが出ていれば採択に関係する業務には就かないだろうと、毎年アドバイザー300~400人を任命していたことがわかりました。 教科書協会の自主ルールは、全教員を「採択関係者」とみなし、対価を支払って意見を聞くことを禁じていたのですから、同社のやったことは「拡大解釈」といわれてもしかたないでしょう。 2015年、教科書各社が、教員に検定中の教科書に対する意見を聞き、謝礼を払っていた問題が明らかになったときの教訓が生きていないと言えます。 教科書は少子化も手伝い、限られたパイを奪い合う市場です。しかも、一度決まると、数年はその自治体や学校ではその教科書を使い続けるだけに、教科書会社の競争は戦前から熾烈なものでした。しかし、教科書選びがその質で決まらなければ、教材として子どもたちの教育の役に立つことにはなりません。東京書籍が当然のルールをどう徹底するのか注目します。

  • 「大変です」食べログ点数、突然の急落 評価の秘密に自力で迫った

    氏岡真弓
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    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月17日8時37分 投稿

    【視点】画期的な判決。 通っている店がある検索エンジンで、ある日突然、検索順位を下げられました。院長はこつこつと努力を続け、ホームページも業者に頼んで改良してやっと順位を上げていたのですが。客から客をたどって調べると、アルゴリズムが変わったせいだとわかりました。しかし、どう変わったかわからない。問いあわせても無音のまま。 では、どうすればいいのか。いま、「検索エンジンは顔のない王で、すべてを支配する」。ああでもない、こうでもないとホームページ業者数社に頼り、なんとか一つ一つ順位を上げ、元に戻すのに3年かかりました。 任さんのたたかいがそれに重なります。

  • 「日本は存在しなくなる」少子化は危機か、それとも受け入れるべきか

    氏岡真弓
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    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月17日8時7分 投稿

    【視点】いまから30年近く前、戦後50年の取材をしていたときのことです。研究者を取材する際、事前に質問を送りました。「少子化への対策は」「このまま進むことをどう思いますか」 すると、ある研究者から取材に入る前に、厳しい言葉が出ました。「少子化ってなんで問題なんですか」「産めよ育てよの時代に戻るんですか」「産むかどうかは個人の問題です。社会のために産むようにといいたいのですか」・・・・。なぜその質問をしたのか、きちんと答えるべきだったのに、あまりの勢いに何も言えなかったふがいのない自分でした。 さて、少子化。私は問題だとする立場です。出産する自由がいま妨げられている。次の社会をつくるべき子どもが急激に減っていることが、これまでの社会制度をあちこちで揺るがしている。静かな社会の崩壊をこのままにしておくことはできないと思います。これまで対策があまりに膨大なだけに、放置されてきた問題。もはや残された時間はないと思います。 日本は韓国と並んで、この問題の課題先進国です。国際的な注目も集めています。

  • 部活改革に今こそ必要な視点と大きな議論 「つけが回ってきている」

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月16日10時11分 投稿

    【視点】部活動改革は教育の中で極めて難しい問題だと思います。 それは子どもの活動面(お金も含む)、先生の働き方改革、地域の状況の3すくみだからです。3つの要素をパーフェクトに満たす改革案はなく、今回のスポーツ庁の提言は、地域の状況をまずは動かしてみようというものだと受け止めています。 できることからやってみよう、という姿勢はよいと思いますが、かつての失敗の検証が十分だったかといえばそうはいえないでしょう。 スポーツ部の記者は部活=善という前提ではなく、各地の現場を歩き、3すくみの矛盾を見て、その記事を積み重ねています。状況は各地の現場で違うとはいえ、子どもにとって何がよいのかを目指す教育の方向性は同じだと思います。

  • 高校生が金もうけ考えたらダメ? 農産物販売中止→反対で当面認める

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月16日9時20分 投稿

    【解説】農業高校の販売取りやめ、残念な対応です。 まず、一つの高校のトラブルで全体にブレーキをかける必要があるのでしょうか。 そして、いまの学習指導要領は「社会にひらかれた教育課程」がウリです。高校では一斉に探究活動に取り組んでいます。社会と接すれば、摩擦熱はつきもの。牛乳に雑菌が交じるトラブルを起こした高校は、なぜ、そうなったか考える機会を得たとも言えないでしょうか。もちろん、保健所の指導などは受けなければなりませんが。 さらに、販売収入を学校運営にまわすため、「もうけなければいけない」という意識があったのがまずいのか。技術的な問題を精神論に結びつけるのは危ういのではないでしょうか。 いずれにせよ、これは県教委の判断。首長が方針を言挙げすることではないと考えます。最近の茨城県知事は教育への越境が目立ちます。とても気になります。

  • 利用料は1分10円 託児所開設、シングルマザーが込めた思い

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月15日19時31分 投稿

    【解説】1分10円! 私も息子が8カ月のとき、夫と死別し、託児所のお世話になりました。取材がちょっと延びたり、子どもが病気になったりしてすぐお迎えに行けないたとき、「すみません」「すみません」と会社の廊下の公衆電話からかけ、慌てて会社を飛び出していました。 遅れるのはだめなのですが、1分10円をわずかながらお金を払うことで、少し気持ちが楽になる。これが1分100円だと焦ります。この絶妙な価格設定は経験者でなければできないと思いました。三浦さんたちに拍手、拍手です。

  • (天声人語)庁よ

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月15日7時57分 投稿

    【視点】今般新設されるのは「感染症危機管理庁」だけではない。岸田内閣の目玉とされる、子ども真ん中の「子ども家庭庁」もだ。子ども政策のコントロールタワーは、子どもの権利条約を批准して以来、関係者の悲願だった。 ただ・・・。途中で「子どもを守る家庭が大切だ」と「家庭」がくっつき、子どもコミッショナーは盛り込まれなかった。調整の難しかった幼稚園は文科省に残った。法律をよく読むと、厚労省や文科省、内閣府などがやってきたことをホッチキスで止めた感もなくはない。 この「庁」がどう運営されるのか。ほんとうに子どものための役所になるのか。財源はあるのか。大人の選挙目当てにならないか。注視している。

  • 小学校受験する理由、「公立不信」は減少 増えているのは…

    氏岡真弓
    氏岡真弓
    朝日新聞編集委員=教育、子ども
    2022年6月14日7時49分 投稿

    【視点】小針誠教授の調査結果に、時代を感じます。 私立中学はかつて少子化で受験者が減るのではないかと危惧を持っていましたが、息を吹き返したのが「ゆとり教育批判」でした。学校の保護者にオープンではない姿勢も批判され、公立不信が高まりました。 しかし朝日・ベネッセ保護者調査では、「ゆとり教育」の見直しや学校評価の広がりなどで公立学校への評価は復活。 しかし、しかし・・・私立受験は浸透する一方。子どもたちに大学受験で苦労させたくない、学歴を早く獲得したい、などという、収入の低くない保護者の意向が大きいのですね。 気になるのは、こうした行動をとらない家庭との格差がますます開くことです。どんな家庭に生まれたかで人生が決まる。その傾向が強まる社会がいいのか。社会の問題として考える視点も必要だと思います。

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