法隆寺金堂壁画と百済観音

【開催期間】2020年3月13日~5月10日(東京国立博物館)


 奈良県斑鳩(いかるが)町の法隆寺金堂の極彩色壁画(7世紀)の多彩な模写や、日本古代彫刻の最高傑作の一つとされる国宝の百済(くだら)観音(同)などが公開される特別展です。主催は東京国立博物館、法隆寺、朝日新聞社、NHK、文化庁、日本芸術文化振興会など。東京五輪・パラリンピックにあわせた政府による文化プログラムの中核「日本博」のプロジェクトの一つです。

 百済観音は1997年にパリのルーブル美術館で展示された後、東京など国内各地でも公開されましたが、98年に境内に百済観音堂が完成し、安置されてからは事実上「門外不出」でした。東京での公開は23年ぶりになります。

 金堂壁画は飛鳥時代に描かれ、現存する日本最古の仏教絵画とされています。1949(昭和24)年の火災で、12面の壁画は色を失いました。焼損した壁画は境内の収蔵庫に安置されてきましたが、法隆寺は2015年から文化庁と朝日新聞社の協力のもと保存活用委員会を立ち上げて、初の科学的な総合調査に乗りだし、一般公開に向けた検討を進めています。
 特別展では、幕末の1852年に浄土宗の僧侶らが描いた阿弥陀浄土図のほか、明治・大正時代の桜井香雲(こううん)や鈴木空如(くうにょ)の模写も紹介され、描写技法の違いなどを味わえます。
 一方、百済観音(木造、観音菩薩立像〈ぼさつりゅうぞう〉、像高209センチ)は金堂に安置された時期もありました。
 会期は3月13日(金)から5月10日(日)で、前期が4月12日(日)まで。後期が4月14日(火)~5月10日(日)で、絵画は展示入れ替えがあります。月曜休館ですが、3月30日と5月4日の月曜日は開館します。
 問い合わせはハローダイヤル(03・5777・8600) 


東京国立博物館の特別展のサイトはこちら

 

コートールド美術館展 魅惑の印象派

【開催期間】2019年9月10日~12月15日(東京都美術館)2020年1月3日~3月15日(愛知県美術館)
      2020年3月28日~ 6月21日(神戸市立博物館)


 

エドゥアール・マネ「フォリー=ベルジェールのバー」(1882)
(c) Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)

 世界有数の印象派コレクションを誇る、ロンドンのコートールド美術館所蔵の傑作を展示。

 マネの代表作「フォリー=ベルジェールのバー」、セザンヌの「カード遊びをする人々」、ゴーギャンの「ネヴァーモア」をはじめ、モネ、ルノワール、ドガ、ファン・ゴッホらによる油彩、彫刻など約60点を紹介。同館の優れた作品が日本でまとまって紹介されることは20年以上ありませんでした。

 2019年9月から1年をかけて展開される「英国 Year of Culture 年」のオープニング催事としての開催です。東京のほか、愛知県美術館(2020年1月3日~3月15日)と神戸市立博物館(20年3月28日~6月21日)にも巡回します。


コートールド美術館展

 

円山応挙から近代京都画壇へ

 8月3日、東京上野の東京藝術大学大学美術館で開幕。会期は9月29日までです。その後、京都国立近代美術館に巡回します(11月2日~12月15日)。

 18世紀の京都で、円山応挙は写生画を刷新し、一世を風靡する。応挙に師事した呉春によって四条派も勃興。「円山・四条派」が確立され、近代にいたるまで京都画壇の主流を占めました。

 円山応挙、呉春から長沢芦雪、渡辺岳南、竹内栖鳳、上村松園に至る円山・四条派の系譜を、重要文化財12件を含む約120件の名品でたどります。

 応挙晩年の傑作、兵庫・大乗寺の襖絵(重要文化財)も特別展示されます。東京では10年ぶり、京都では24年ぶりの公開となります。


円山応挙から近代京都画壇へ

 

クリムト展 ウィーンと日本 1900
【開催期間】2019年4月23日~7月10日(東京都美術館)7月23日~10月14日(愛知県豊田市美術館)

グスタフ・クリムト「ユディトⅠ」 1901年
ウィーン、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
(c) Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll

 オーストリアを代表する巨匠グスタフ・クリムト(1862~1918)の作品を紹介する展覧会を、2019年4月23日~7月10日に東京・上野の東京都美術館で開催。その後、7月23日から10月14日まで、愛知県の豊田市美術館に巡回します。

 油彩画の代表作をはじめ25点以上の作品が並ぶ日本では過去最大級の展覧会となります。黄金様式の時代の代表作の一つ、「ユディトⅠ」(1901年)が、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館から来日するほか、初期の写実的な作品から生命の円環を見つめる後期の名品や風景画まで、幅広い画業を紹介します。

 クリムトの没後100年と、オーストリアと日本の修好150周年を記念しての開催となります。


クリムト展

 

ムンク展 共鳴する魂の叫び
【開催期間】2018年10月27日~2019年1月20日(東京都美術館)

「叫び」1910年 ムンク美術館蔵
(c) Munchmuseet

 「叫び」で知られる近代絵画の巨匠、エドバルド・ムンク。1863年、ノルウェー生まれ。家族の死や恋愛の経験などから、力強い筆遣いと鮮やかな色彩で、人間の内面に渦巻く感情を表現しました。本展はオスロ市立ムンク美術館の世界最大のコレクションを中心に、60点の油彩画に版画などを加え、初期から最晩年までの約100点で構成する大回顧展です。

 世界的に知られる傑作「叫び」(厚紙にテンペラ・油彩)。ムンクは同名の作品を何点か描いていますが、ムンク美術館所蔵の本作は日本初公開。口を開け両耳の辺りに手を当てる人物のイメージはあまりにも有名です。背景の赤い空と入り江、橋の上の人物といった要素は、実は他の作品でも用いられました。今回の展示では同じ構図を幾度も描いた画家の試みにも光を当てています。

 ムンクは後に、黄色や水色などの爽やかな色彩も好んで使いました。「叫び」などとは打って変わった明るい色合いに、新鮮な驚きを覚える人もいるでしょう。


ムンク展

 

没後50年 藤田嗣治展
【開催期間】2018年7月31日~10月8日(東京都美術館) 10月19日~12月16日(京都国立近代美術館)

「自画像」1929年 東京国立近代美術館蔵
(c) Fondation Foujita/ADAGP,Paris &
JASPAR,Tokyo,2017 E2833

 おかっぱ頭と丸眼鏡で知られるエコール・ド・パリの画家、藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886~1968)。今年が没後50年の節目に当たるのを記念し、画業の全貌(ぜんぼう)を紹介する回顧展を開催。

 明治19年に軍医の家に生まれた藤田は、東京美術学校(現・東京芸術大学)で学んだ後に渡仏。2度の世界大戦をはさんで日本と行き来し、戦後国籍を取得したフランスで晩年を過ごしました。

 本展にはパリのポンピドゥー・センターやアメリカのシカゴ美術館など、世界各国の美術館から第一級の作品約120点が集い、藤田の代名詞でもある「乳白色の裸婦」は10点以上そろいます。質・量ともに史上最大級の回顧展は、波乱の生涯の中で、美術界に大きな足跡を残した画家の魅力を、余すところなく伝えます。


 

プーシキン美術館展  ~心が旅するフランス風景画~
【開催期間】2018年4月14日~7月8日(東京都美術館) 7月21日~10月14日(大阪・国立国際美術館)

クロード・モネ「草上の昼食」1866年 (c) The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.

 

 モスクワのプーシキン美術館からフランス風景画の名作の数々が来日します。展覧会は17世紀から20世紀までの風景画の流れを、「旅」の視点を交えてたどってゆきます。画家が旅先で筆を走らせた絵、空想にもとづく神話の風景、近代化によって変わりゆく都市の景観、エキゾチックな異国の景色など油彩65点。なかでも一押しは、印象派の巨匠クロード・モネが20代半ばで描いた「草上の昼食」。日本初公開となります。

 パリ郊外の森。当時最先端のファッションに身を包んだ若い男女がピクニックを楽しんでいます。木々の間を抜けて、いまにも語らいが聞こえてきそうな登場人物のモデルは、友人で画家のバジールや、のちにモネの妻となるカミーユらとされています。木漏れ日の下に集う青春群像を、モネは独特の粗いタッチを用い、調和のとれた一枚に仕上げました。やがて開花する印象主義を予感させる、巨匠の若き日の傑作です。

プーシキン美術館展 ── 旅するフランス風景画 展覧会公式サイト

 

名作誕生展 ~「だれもが知る」が勢ぞろい~
【開催期間】2018年4月13日~5月27日(東京国立博物館)

伊藤若冲「仙人掌(さぼてん)群鶏図襖(ふすま)」 重要文化財 大阪・西福寺蔵

 

 日本美術史上に「名作」として燦然(さんぜん)と輝く幾多の作品たち。これらがどのように生まれてきたのか、その関係や共通する背景に着目して紹介する展覧会「名作誕生―つながる日本美術」。

 本紙創刊140年と、本社が長年発行を支援してきた美術雑誌「國華(こっか)」の創刊130年を記念する特別展として企画しました。

 雪舟等楊や伊藤若冲、長谷川等伯などだれもが知る巨匠たちの絵画、各地の寺院で大切に受け継がれてきた貴重な仏像、源氏物語や伊勢物語といった古典文学を題材にした繊細な工芸作品など、国宝・重要文化財を多数含む名品がずらりと並びます。時代や地域を超えた約120件を、前後期の2期にわけて展示します。

 雪舟が中国の画技をどう吸収していったのかや、若冲ならではの鶏の構図はどう生まれたのかなど、「つながる日本美術」のサブタイトル通り、作品の「つながり」が体感できる仕掛けで、名作の裏に隠されたドラマが堪能できます。

 

中之島香雪美術館 特別展「明恵の夢と高山寺」

 開催期間:3月21日~5月6日

 大阪・中之島フェスティバルタワー・ウェスト4階にある中之島香雪美術館の特別展として、京都・高山寺の開祖・明恵上人(みょうえしょうにん)の人物像や夢に焦点を当てた美術品などを紹介。合わせて、同寺を代表する国宝・鳥獣戯画を展示します。

 2018年春の開館から1年をかけて開催している所蔵品展に続き開館1周年を飾るにふさわしいテーマと名品で構成。各所に所蔵される「夢記」(明恵が自分の夢を記したもの)のうち1巻が香雪美術館の村山コレクションにも入っており、それらの「夢記」や関連する絵画、彫刻作品を通して、明恵上人の仏教者としての真摯な生き方を明らかにします。また、「鳥獣戯画」は全4巻を公開。擬人化された動物がユーモラスに生き生きと描かれている人気の作品です。

会期:2019年3月21日~5月6日(前期3月21日~4月14日、後期4月16日~5月6日)
   月曜休館(ただし、4月29日、5月6日は開館)
主催:公益財団法人香雪美術館、高山寺、朝日新聞社
後援:大阪市、大阪市教育委員会

 

 

中之島香雪美術館 
開館記念展 ~日本と東洋、珠玉の品々 300点~

 大阪の「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」に3月21日、中之島香雪美術館が開館しました。朝日新聞社の創業者・村山龍平(りょうへい)(1850~1933)ゆかりの香雪美術館が神戸に開館して45周年になるのを記念。同館2番目の施設となります。

 開館から1年間は、5期にわけ開館記念展「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」を開催します。村山が集めた日本と東洋の古い時代の美術品は武具、仏教美術、書跡、茶道具など幅広く、重要文化財、重要美術品も含まれます。よりすぐりの300余点を五つのテーマ別に展示します。

 

  • 【Ⅰ期】「美術を愛して」     2018年3月21日(水・祝)~4月22日(日)
  • 【Ⅱ期】「美しき金に心をよせて」 2018年 4月28日(土)~ 6月24日(日)
  • 【Ⅲ期】「茶の道にみちびかれ」  2018年 7月 7日(土)~ 9月 2日(日)
  • 【Ⅳ期】「ほとけの世界にたゆたう」2018年10月 6日(土)~12月 2日(日)
  • 【Ⅴ期】「物語とうたにあそぶ」  2018年12月15日(土)~2019年2月11日(月・祝)

 

中之島香雪美術館 ホームページ

「志野茶碗 銘 朝日影」
(桃山時代、17世紀) Ⅰ期に展示