「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」「Hotaru」が新聞協会賞受賞

 日本新聞協会は9月5日、今年度の新聞協会賞を発表しました。朝日新聞社は編集部門の「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」と、技術部門のデジタル指標分析ツール「Hotaru」で受賞しました。

 朝日新聞は3月2日朝刊で、学校法人・森友学園との国有地取引に関する財務省の決裁文書が書き換えられた疑いがあると報じました。報道をきっかけに、財務省は文書の内容を大幅に改ざんしていたことを認め、公文書管理をめぐる国民的な議論も呼びました。

 Hotaruは、記事が読まれた回数や、ソーシャルメディアからの流入などが一覧できるシステムです。デジタル時代の報道を支えるツールとして記者や編集者が活用しています。

「公文書改ざんスクープ 本社に新聞協会賞 技術部門でも」(動画あり:朝日新聞デジタル)

 

貧困ジャーナリズム大賞に青木美希記者著作

 朝日新聞社東京社会部の青木美希記者による著書「地図から消される街」(講談社現代新書)が、「貧困ジャーナリズム大賞」を受賞しました。貧困問題の解消に取り組む「反貧困ネットワーク」が9月18日、発表しました。

 「地図から消される街」は、青木記者が3・11直後から福島第一原子力発電所事故を追い続け、原発避難や帰還の実態を報じた著作。今回の受賞では「『つくられた貧困』の現状を等身大の感性で描いた労作」と高い評価を受けています。

 青木記者は「苦境に陥った人たちが、報道されないことで余計に苦しい目に遭わないように、彼らの声を発信し続けていきたいと思っています」と話しています。

 

真実は何かを追い求めさらなる挑戦を続ける

「森友学園」「加計学園」めぐる報道でJCJ大賞受賞

 財務省近畿財務局が学校法人「森友学園」への国有地の売却価格を非公表とし、その金額が近隣国有地の10分の1である1億3400万円だった――。朝日新聞は調査報道で掘り起こしたニュースを、2017年2月9日付朝刊でいち早く報じました。また、5月17日付朝刊では、安倍晋三首相の知人が理事長を務める学校法人「加計学園」による獣医学部新設計画で、文部科学省が、内閣府から「総理のご意向」と言われたとする記録文書を作成していたとスクープしました。

 新聞、放送、出版などのジャーナリストらでつくる日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、優れたジャーナリズム活動や作品に贈る17年のJCJ賞で、大賞に朝日新聞社の「『森友学園』への国有地売却と『加計学園』獣医学部新設問題を巡るスクープと一連の報道」を選びました。選考理由で「国政を揺るがす両問題を最初に報じた後、関連各省の記録文書の存在などを報道し続けた」「民主主義の原則を掘り崩そうとした問題の取材・調査報道の積み重ねの価値は大きく、メディアの存在感・信頼を高めた」と評価しました。

 また、森友学園への国有地売却を巡るスクープで、朝日新聞記者2人が日本外国特派員協会の「報道の自由推進賞」を受賞しました。

 

奥山俊宏編集委員が日本記者クラブ賞を受賞

 2018年度の日本記者クラブ賞が、朝日新聞の奥山俊宏編集委員に贈られることが決まりました。同クラブが27日、発表しました。
 奥山編集委員は1989年入社。大量の資料を集めて分析し、それをもとに問題提起をする調査報道に長く携わってきました。経済事件や汚職事件、原発事故まで取材対象も幅広く、記事や書籍の執筆に取り組んでいます。

 今回の受賞では、米国で発掘した公文書を読み解いた著書「秘密解除 ロッキード事件」(岩波書店)が、「米側の視点から事件に新たな光を当て、調査報道の手本を示した。日本で公文書改ざんが問題となっている今、公文書の意義を示したことも大きい」と高く評価されました。

 また、タックスヘイブン(租税回避地)の実態に迫った「パナマ文書」や「パラダイス文書」などの報道に世界中のジャーナリストと連携して取り組んできたことや、自身の取材手法を様々な場で公開して後進の育成に努めている点も理由として挙げられました。

 奥山編集委員は「受賞を糧に、旧来の発想にとらわれず、より広いグラウンドで、愚直に取材・報道に取り組んでいきたい」と話しています。

 授賞式は5月23日に行われます。

2018年4月27日掲載
日本記者クラブ賞の受賞が決まって(奥山編集委員のメッセージ)

2018年3月1日掲載
司馬遼太郎賞を受賞して(奥山編集委員の受賞スピーチ 全文)

 

真実は何かを追い求めさらなる挑戦を続ける

「森友学園」「加計学園」めぐる報道でJCJ大賞受賞

 財務省近畿財務局が学校法人「森友学園」への国有地の売却価格を非公表とし、その金額が近隣国有地の10分の1である1億3400万円だった――。朝日新聞は調査報道で掘り起こしたニュースを、2017年2月9日付朝刊でいち早く報じました。また、5月17日付朝刊では、安倍晋三首相の知人が理事長を務める学校法人「加計学園」による獣医学部新設計画で、文部科学省が、内閣府から「総理のご意向」と言われたとする記録文書を作成していたとスクープしました。

 新聞、放送、出版などのジャーナリストらでつくる日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、優れたジャーナリズム活動や作品に贈る17年のJCJ賞で、大賞に朝日新聞社の「『森友学園』への国有地売却と『加計学園』獣医学部新設問題を巡るスクープと一連の報道」を選びました。選考理由で「国政を揺るがす両問題を最初に報じた後、関連各省の記録文書の存在などを報道し続けた」「民主主義の原則を掘り崩そうとした問題の取材・調査報道の積み重ねの価値は大きく、メディアの存在感・信頼を高めた」と評価しました。

 また、森友学園への国有地売却を巡るスクープで、朝日新聞記者2人が日本外国特派員協会の「報道の自由推進賞」を受賞しました。

 

子どもたちの問題を深掘りし、解決の糸口探る

 貧困の現場を取材し、支援への在り方、制度の課題などを問う「子どもと貧困」や、子どもの命について考える「小さないのち」といったシリーズ企画では、今の子どもたちを取り巻く深刻な現場を深く取材し、みなさんとともに解決の糸口を探ってきました。

小さないのち ウェブサイト

 「子どもと貧困」は、関西を拠点にした優れた報道活動を顕彰する「坂田記念ジャーナリズム振興財団」の2016年度「第24回坂田記念ジャーナリズム賞」で、第1部門新聞の部(スクープ・企画報道)の1件に選ばれました。

子どもと貧困 ウェブサイト

 

明日も喋ろう 阪神支局襲撃から30年

 1987年5月3日午後8時15分、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が散弾銃を持った男に襲われ、支局員の小尻知博記者(当時29)が死亡、犬飼兵衛記者が重傷を負いました。事件から30年。歴代の記者は「明日も喋ろう」と事件を語り、取材を続けてきました。一連の事件は2003年に完全時効となり、今も真相は闇のままですが、忘れないこと、書き続けることの責務に変わりはありません。

 朝日新聞デジタルでは、これまでの一連の出来事や報道を時系列で追った特集「記者襲撃、あの夜から―阪神支局襲撃から30年」を企画し、支局内にある資料室の360度パノラマ写真や、被弾したペンや衣類の展示を解説した動画も公開しています。紙面では小尻記者を知る人や言論の自由を考える人たちのインタビュー企画「明日も喋ろう 阪神支局襲撃から30年」を掲載しました。

明日も喋ろう 阪神支局襲撃から30年 ウェブサイト

 

被爆者の声伝える「ナガサキノート」連載3千回を突破

 被爆者らの証言を伝える長崎総局の地域面連載「ナガサキノート」が、2017年1月18日で、3千回に達しました。20字どり21行の記事で「長崎版」の紙面右下が定位置。被爆者の話を直接聞ける最後の世代が、その証言を毎日少しずつでも載せようと、08年8月10日から連日掲載を始め、一度も休まず続いています。これまで体験を伝えた被爆者らの数は300人以上に上ります。3千回の節目は単なる通過点に過ぎません。まだまだ表に出ず、聞かなければ歴史に埋もれてしまうかもしれない体験があります。これまで通り、紙面の片隅でひっそりと、だが、しっかりと被爆者の声を伝え続けていきます。

ナガサキノート ウェブサイト