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小原篤のアニマゲ丼

アナログテレビ終了、そんなの関係ねえ?

2008年04月28日

 2011年に地上波テレビのアナログ放送を停止する(予定)ので、夏からテレビ画面に「アナログ」という文字スーパーが流されるそうです。うっとうしそう。次の段階では「アナログ放送は2011年7月24日で終了します」というスーパーが入るそうです。いよいよ停波間近になったらさらに表示を変えるのでしょうか。想像するとちょっと怖い気が。閉店を告げる「蛍の光」のボリュームがどんどん上がっていくような、そんな気分に追い込まれそうです。

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あなたはワンセグを見ますか?

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薄型テレビでハイビジョンを見ますか?

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5/5に東京・有明の東京ビッグサイトで開催の同人誌即売会「コミティア84」(写真は公式ガイド本「ティアズマガジン」)に、私の所属していた「東京大学新月お茶の会」が出展するそうです

 我が家は、就職する時に買ったテレビが壊れたのを機に昨年、テレビも録画機も地デジ&ハイビジョンへシフトしました。すると人間は利己的なもので、いかんと思いつつもどこかこの問題は他人事。ただ、アナログ停波を機にテレビ離れが進む、との指摘をよく見かけるので、じゃあ若者は実際のところどんな風にテレビを見ているのかと、大学の文芸サークルの後輩に聞いてみることにしました。

 学生会館のロビーで、例会に集まった面々に答えてもらった結果がこの通り。

 独り暮らしの3年生「テレビはなく、パソコンでワンセグを見ます。録画はしません。録画したいものがある時は、実家の親に頼みます」

 家族と同居の3年生「自室にテレビとDVDレコーダーがあり、アニメやドラマを見ます。ニコニコ動画もたまに見ます」

 独り暮らしの3年生「テレビはありますがほとんど見ません。中学、高校あたりからネットにハマって、テレビを見る習慣がなくなりました」

 独り暮らしの4年生「テレビチューナー内蔵のパソコン兼用ディスプレーがありますが、使途はパソコンがメーンです。2年前までVHSで録画もしていましたが、今は就職活動中でヒマなし。就職してお金がたまったら、液晶テレビで地デジが見たいです」

 家族と同居の1年生「居間にテレビとDVDレコーダーがあり、アニメや米国ドラマを見ます。自室のパソコンでYouTubeを見ることもあります」

 独り暮らしの2年生「テレビはあります。ビデオもDVDレコーダーもないので録画はせず、映画のDVDを借りた時はパソコンで見ます」

 独り暮らしの1年生「小さな液晶テレビがありますが、レコーダーはなし。テレビを使うのは朝の時計がわり程度。携帯でワンセグをSDカードに録画し、アニメを見ています。画面がザラザラして見づらいですけど」

 独り暮らしの2年生「週20本を超すアニメを見ていますが、テレビはなく、ワンセグをパソコンで見ています。見たいものはリアルタイムで、それ以外はネットで。大きなテレビやレコーダーがあればなあとは思いますが…」

 家族と同居の1年生「テレビはありますが見ません。家族共有のパソコンがありますが、ネットもあまり…。ゲームもしません。本を読んでいることが多いです」

 独り暮らしの1年生「パソコンはあるけどテレビはなし。もともと実家でもほとんど見ていませんでした。映画も見ません。読書かネットか、という感じです」

 独り暮らしのOB(社会人)「32型液晶テレビとDVDレコーダー2台で、アニメを見ています」

 最後のOBさんの答えに思わず「あぁ、仲間だ!」――そこでアニメ談義に流れてしまい、リサーチはなし崩し的に終了。それにしても、11人の答えを並べると「テレビ見ない」派+「ワンセグ」派が過半数です(サンプルを増やせばまた変わるのでしょうが)。アナログ放送が終了する3年後、彼らはOBさんのようにハイビジョンライフをエンジョイしているでしょうか。それとも「ハイビジョン? ネットで満足、あってもワンセグ」と言っているでしょうか。

プロフィール

小原 篤(おはら・あつし)
1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。08年4月から編集局編集センター員。

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