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週刊人間国宝

工芸技術 漆芸(6)

輪島漆器の特色

柳橋眞 金沢美術工芸大学大学院専任教授

 高松(香川県)と輪島(石川県)の漆器産地は数多くの漆芸(しつげい)作家と人間国宝を生み出している。江戸時代後期から始まった香川漆器は知識階級を対象に、硯箱(すずりばこ)のような文房具を中心に発展した。一方、江戸時代の初めから存在していた輪島漆器(わじましっき)は黒漆塗(くろうるしぬ)りの漆椀(うるしわん)という食器から出発し、机や調度品などへと漆製品の幅を広げていった。それは一般の日本人の生活の隅々に漆器が普及していった様子をよく示している。 [全文を読む]

前大峰/前史雄/塩多慶四郎/保持団体 輪島塗技術保存会

もっと知るために

写真【伝統を学ぶ】

 漆黒(しっこく)の世界に彫り込んでいく点と線。 彫り込まれた溝に漆(うるし)を塗り、金箔(きんぱく)や金粉(きんぷん)を埋め込んでいく。 [全文を読む]

写真【美術館・史跡・見学・体験・ビデオ・DVD】

【美術館】
石川県輪島漆芸美術館  日本を代表する漆器の産地として、漆芸作品を専門に扱う美術館。 現代の漆芸作家の作品や、歴史的な輪島塗の展示、世界の漆芸作品を鑑賞することができる。 [全文を読む]

今週の人間国宝名鑑

◆前大峰(まえ・たいほう)

1955年認定 1890.11.10−1977.6.8

沈金師・三代橋本佐助に弟子入りし、1912年独立。漆の塗面に文様を彫り、金粉などを埋める沈金技法で、伝統の線彫が平面的であるのに飽きたらず、点彫を研究して立体感や量感、暈しなどを多彩に表現した。

◆前史雄(まえ・ふみお)

1999年認定 1940.8.15−

金沢美術工芸大学卒業後、1964年父・前大峰に師事して伝統的な沈金技法を習得。沈金刀の研究を重ね、線彫、点彫、コスリ彫などを駆使。金、銀、白金などの色彩を生かし、繊細で絵画性のある作品を制作している。

◆塩多慶四郎(しおだ・けいしろう)

1995年認定 1926.1.17−

早くから塗師の父・塩多政のもとで修業し、勝田静璋に蒔絵を学ぶ。松田権六から「過剰な加飾は不要」という指導を受け、髹漆漆の技法を研鑽。乾漆技法と、朱漆塗や溜塗などによる塗立仕上げで制作を行っている。

◆保持団体 輪島塗技術保存会(わじまぬりぎじゅつほぞんかい)

1977年指定・認定

古くから石川県輪島は漆器の生産地で、15世紀後半からは沈金や蒔絵で加飾される。各種の榡地の制作、漆塗、蒔絵や沈金などの工程を専門の職人が分担して制作している。分業が定着しており、「輪島八職」などと呼ばれている。

2007年07月17日

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