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週刊人間国宝

工芸技術 染織(12)

加賀友禅

内山武夫 前京都国立近代美術館長

 加賀友禅(かがゆうぜん)とは江戸中期に始まった友禅染(ぞめ)の様式の一つ。模様は様式化された花鳥や山水が主で、細く、くっきりとした糸目糊(いとめのり)で精細に表した図柄は、臙脂(えんじ)、紅、藍(あい)、黄土(おうど)、緑などに暈(ぼか)しが加わった派手な趣(おもむき)をもつ。また彩色(さいしき)は花を紅に、葉を緑にといった常套(じょうとう)的なものだけではなく、花に藍を、葉に紅を用いるなど写実を離れて行われている。また初期のものには模様の間や後ろに縫(ぬ)い絞(しぼ)りで紫紺(しこん)染が施されてアクセントをなし、小袖に一層の華やかさを生んでいるものが多い。 [全文を読む]

三代田畑喜八/木村雨山/上野為二/羽田登喜男

もっと知るために

写真【伝統を学ぶ】

 日本の代表的な染色法である友禅(ゆうぜん)美しい着物を作り出す技法として知られるが、素人が着物まで作るのは難しい。 この講座では、友禅の技法を学びながら、2カ月ほどで小品を作ることができる。 [全文を読む]

写真【施設・美術館・DVD】

【施設】
京都伝統産業ふれあい館  1996年(平成8)、京都市勧業館が改築された際に誕生した。 常設展示場では、京友禅をはじめ京都の伝統工芸品を体系的に見ることができる。 [全文を読む]

今週の人間国宝名鑑

◆三代田畑喜八(たばた・きはち)

1955年認定 1877.8.16−1956.12.25

父・二代喜八の死去で、京都府画学校を中退し家業を継ぐ。のち幸野楳嶺、竹内栖鳳に師事して四条派の画風を学び、友禅模様の基礎を固めた。糸目と堰出技法を駆使し、日本画の筆致と融合した写実風模様を得意とした。

◆木村雨山(きむら・うざん)

1955年認定 1891.2.21−1977.5.9

石川県立工業補習学校卒業後、加賀染の名工和田雲嶂に師事し、友禅技法を習得。また大西金陽について南画を学ぶ。1924年独立、雨山と号した。金沢にとどまり、新しい意匠の開拓に努力し、自然の姿をみずみずしく表現した。

◆上野為二(うえの・ためじ)

1955年認定 1901.4.16−1960.9.4

京都市立美術工芸学校中退後、西村五雲に日本画を、関西美術院で洋画を学ぶ。父で京友禅の名匠の上野清江に学び、清江が確立した、京友禅の伝統色に加賀友禅の繊細さを加えた作風を伝承。古典だけでなく、新しい形象も制作した。

◆羽田登喜男(はた・ときお)

1988年認定 1911.1.14−

金沢市生まれ。友禅師・南野耕月に弟子入り後、京都の曲子光峰について京友禅の技法を習得。1937年独立。写実的な絵模様の加賀友禅と華麗な京友禅を融合して、花鳥風月を題材に制作。祇園祭の山鉾胴掛の制作も手がける。

2007年07月31日

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