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週刊人間国宝

工芸技術 陶芸(11)

青磁・三彩・無名異焼

金子賢治 東京国立近代美術館工芸課長

 青磁(せいじ)は文字通り青磁釉(ゆう)のかかったやきものであるが、青磁釉は灰釉(かいゆう)が高度に発展したもので、灰の中にあるわずかな鉄分が高温の還元焼成(かんげんしょうせい)によって緑色を呈するものである。さらにカリ長石(ちょうせき)を用いると深青色の青磁釉を得ることができる。青磁が頂点を極めたのが中国・宋(そう)代の汝官窯(じょうかんよう)や郊壇(こうだん)窯などの官窯や、唐(とう)代からの龍泉(りゅうせん)窯で製造されたものといわれ、さらに龍泉窯で製造された端麗な青色に特色のある青磁を、わが国で「最良」を意味する言葉として砧(きぬた)青磁と称する。朝鮮では11世紀の高麗(こうらい)時代、中国の青磁を母体として翡色(ひしょく)青磁を完成させ、さらに赤土(あかつち)、白土(しろつち)を象嵌(ぞうがん)した象嵌青磁を始めた。日本には9世紀後半に伝わったが、灰釉の段階にとどまり、17世紀前半、伊万里においてようやく本格的に製造されるようになった。 [全文を読む]

加藤卓男/三浦小平二/五代伊藤赤水

もっと知るために

写真【伝統を学ぶ】

 教室の机に受講生それぞれの作品が並べてある。 皿や椀(わん)、花器(かき)もあれば、オブジェもある。 [全文を読む]

写真【資料館など・美術館・作品館・本】

【資料館など】
◎加藤卓男 幸兵衛窯  加藤卓男や父・五代幸兵衛が代々営んできた幸兵衛窯。 陶房に隣接して幸兵衛窯本館、古陶磁資料館、工芸館がある。 [全文を読む]

今週の人間国宝名鑑

◆加藤卓男(かとう・たくお)

1995年認定 1917.9.12−2005.1.11

父・五代加藤幸兵衛に師事し、美濃の陶芸技法や中国の陶技を習得。1961年フィンランド工芸美術学校に留学、イランの古窯趾を訪れペルシャ陶器を研究。80年から正倉院三彩を復元。現代感覚の三彩を制作した。

◆三浦小平二(みうら・こへいじ)

1997年認定 1933.3.21−

新潟県生まれ。佐渡無名異焼の父より手ほどきを受け、東京藝術大学で加藤土師萌に師事。1960年代後半から本格的に青磁を制作、佐渡の朱泥土の素地に青磁釉を用いた独自の青磁技法を開発。色絵を組み合わせた作品も制作。

◆五代伊藤赤水(いとう・せきすい)

2003年認定 1941.6.24−

佐渡の無名異焼の窯元、赤水窯の後継者として生まれる。京都工芸繊維大学を卒業後帰郷し、祖父・三代赤水のもとで技法を学ぶ。鉄分を多く含む無名異土にこだわり、焼成時に生じる窯変や発色の異なる土を生かした作品を制作。

2007年09月12日

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