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芥川賞に諏訪哲史さん、直木賞は松井今朝子さん

2007年07月17日22時16分

 第137回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に諏訪哲史(てつし)さん(37)の「アサッテの人」(「群像」6月号)が、直木賞に松井今朝子(けさこ)さん(53)の「吉原手引草」(幻冬舎)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は8月22日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。

写真芥川賞に決まった諏訪哲史さん(左)と直木賞の松井今朝子さん=17日午後9時すぎ、東京・丸の内で

 諏訪さんは名古屋市生まれの会社員。国学院大学卒。今年、この作品で群像新人文学賞を受けデビュー、続けて芥川賞も射止めた。名古屋市西区在住。

 「アサッテの人」は、「ポンパ」などと意味不明の言葉を発する癖がある、ちょっと変わった叔父の実像を描き出そうとする。語り手が、かつて叔父のことを書いた小説の草稿や叔父が残した日記を引用しながら、失跡した叔父の謎に多層的に迫る。

 会見で諏訪さんは「候補になってからずっとモヤモヤした気持ちだったが、ぼくだけ先に梅雨明けさせていただいた。『ポンパ』は昨年亡くなった父の口ぐせで、生きていたら喜んでくれたでしょう」と語った。

 松井さんは京都市生まれ。早稲田大大学院で演劇学を学び、97年に「仲蔵狂乱」で時代小説大賞を受賞して作家活動に入った。02年に「非道、行ずべからず」が、03年には「似せ者」が直木賞候補に。東京都世田谷区在住。

 「吉原手引草」は、江戸の吉原を舞台に、人気絶頂の花魁(おいらん)が突然消えた不可解な事件を描く長編小説。遊郭に生きる様々な人々の人生模様は読み応えがある。

 松井さんは会見で「本当にいい小説は、作者を忘れさせる小説ではないか」と話した。

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