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ケラがしばし休筆 戯曲執筆の「充電」、演出に力を

2006年06月08日

 主宰する「ナイロン100℃」公演を中心に、多くの舞台を作ってきたケラリーノ・サンドロヴィッチ(ケラ)が、上演中の「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」で初めて海外戯曲の演出に取り組んでいる。シュールな喜劇の書き手として定評のあるケラだが、しばらく戯曲執筆を休み、演出を通して演劇に向き合うという。

 ケラは年に6〜7本もの新作を手掛け、「拡張する才気」とも評されてきた。しかし、今年2月の「労働者M」を書き上げた後は「自分の中に何もなくなった」と打ち明ける。

 劇作家として「充電」の意味も込めて、演出に力を入れることにした。その最初の作品が、60年代の米国戯曲「ヴァージニア・ウルフなんか――」(エドワード・オールビー作、徐賀世子翻訳)。大学教員の家を舞台に、深夜、酒に酔った2組の夫婦が激しい言葉をぶつけ合う。大竹しのぶ、段田安則、稲垣吾郎、ともさかりえが出演している。

 「オールビーには以前から興味があったし、絶望の果てに一筋、光が見えてくるような戯曲には共感しました。好きなカフカ作品のように、ある磁場に囚(とら)われてしまった人たちの話でもありますし。でも、一晩中ののしり合っているような内容なので、演出は難関でした」と言う。

 8〜9月に福島三郎の新作「噂(うわさ)の男」、9〜10月にはウディ・アレンの戯曲「漂う電球」を演出。ミュージシャンとしては今月、女性歌手の曲をカバーしたアルバム「隣の女」(ケラ&ザ・シンセサイザーズ)を発売し、ライブも行う。夏には監督した映画の上映予定も。「充電」といいながら多忙な日々だ。

 「でも、書かないと決めると気分が全然違う。他の人の戯曲をこんなに考えたことはなかった。来年は岸田国士作品なども演出してみたい。こういう体験が、その先の自作に絶対返ってくると思います」

 「ヴァージニア・ウルフなんか――」は30日まで、東京・渋谷のシアターコクーン。当日券問い合わせは電話03・5423・5906(シス・カンパニー)。

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