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岸田今日子さんが死去 劇団円創設、映画「砂の女」主演

2006年12月20日

 演劇集団円を創設し、「砂の女」などの映画やテレビでも活躍した俳優の岸田今日子(きしだ・きょうこ)さんが17日午後3時33分、脳腫瘍(しゅよう)による呼吸不全で死去した。76歳だった。葬儀は近親者ですませた。後日、お別れの会を開く予定。喪主は長女西條まゆさん。

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岸田今日子さん

 個性的な面立ち、神秘的な響きを持つ声を生かし、濃厚なエロチシズムからメルヘンの世界まで多彩な演技を見せ、高く評価された。

 劇作家・小説家の岸田国士の次女として東京都に生まれる。舞台美術を志し49年に文学座研究所に入ったが、俳優に転じ52年デビュー。60年には三島由紀夫演出「サロメ」の主役に選ばれた。

 63年に劇団雲の結成に参加。75年には芥川比呂志らと演劇集団円を設立した。別役実、清水邦夫、太田省吾、岩松了さんら多くの劇作家の新作に精力的に取り組んだ。99年には「猫町」「遠い日々の人」で紀伊国屋演劇賞個人賞に選ばれた。

 カンヌ映画祭審査員特別賞を受けた主演作「砂の女」(64年、勅使河原宏監督)や、「黒い十人の女」「秋刀魚(さんま)の味」「卍(まんじ)」などの映画、「男嫌い」「傷だらけの天使」などのドラマに数多く出演。アニメ「ムーミン」の主人公の声で子供たちに親しまれた。児童劇上演や童話創作にも力を入れ、小説などの著作もある。「妄想の森」で98年に日本エッセイストクラブ賞。

 05年10〜11月に円の公演「オリュウノオバ物語」に主演したが、06年1月に脳腫瘍が見つかり、薬物治療などを続けていた。

 54年に俳優の仲谷昇さん(今年11月に死去)と結婚し、のち離婚。姉は詩人で童話作家の岸田衿子さん。俳優の故岸田森さんはいとこにあたる。

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