DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2018/03/26

大学生がパラリンピック教育について本気で考えてみた 「Impossible」から「I’m POSSIBLE」へ

Written by間宮秀人(POTETO)with 朝日新聞DIALOG編集部

ここ数年、2020年に向けてパラアスリートを学校に招き、講演や実技を披露してもらう学校が増えています。でも、まだごく一部。こうした「パラリンピック教育」を広めていくには、どうしたらよいのでしょうか。教員を目指す学生たちが考えてみました。

2018年3月1日、東京都港区の日本財団ビルで、朝日新聞DIALOGが主催するワークショップ「授業の枠をこえた『パラリンピック教育』を考えよう」が開かれた。東京2020に向けて、これからのパラリンピック教育にはどういった工夫が求められるのか、教育を通じてパラリンピックをどのように社会に浸透させていけば、日本は「共生社会」に近づくのか。教職課程を履修する大学生ら11人が意見を交わした。

パラリンピック教育の目的は?

ワークショップに先立ち、日本財団パラリンピックサポートセンター推進戦略部の徳留圭吾プロジェクトリーダーが、パラリンピック教育の現状や意義を説明。国際パラリンピック委員会(IPC)公認のパラリンピック教材「I’m POSSIBLE」についても解説した。

徳留さんは、「『Impossible(不可能)』という言葉は、点を一つ打つだけで『I’m POSSIBLE(私はできる)』になる。こうした発想の転換により、誰もが輝ける社会を実現したい。現在、学校現場では、パラリンピック教育に関する知識やその意義、具体的な教え方が分からないといった課題があるが、できることから始めることが何よりも大切」と語った。

ワークショップでは高校での授業案を検討

パラリンピック教育の現状を学んだ後、ワークショップでは学生たちが三つのグループに分かれ、高校生を対象としたパラリンピック教育の授業案を議論した。パラリンピック教育を行う場として、授業や部活、学校行事など、高校生活にかかわる様々な項目の中から一つを選択し、どのような内容にするか、どういう人を巻き込むかなどを具体的に検討していった。

一つ目のグループは、「総合的な学習の時間」を使った授業案について発表した。高校生にとって身近な世代である大学生のパラリンピック選手を招き、自身の人生経験や、挫折との向き合い方、立ち直り方、競技に向けた思いなどを語ってもらう「ヒューマンライブラリー」(あることの当事者に、自身について語ってもらう)形式の授業を提案した。

二つ目のグループは、高校生が授業の一環で参加することの多い職場体験やインターンシップの訪問先として、パラリンピック選手の勤務先を訪ねることを提案。障害者が職場で活躍する姿や、バリアフリーな職場環境、人間関係などを実際に見ることで、障害に対する考え方が変わるのではないか、と説いた。

三つ目のグループは、高校の体育祭の種目などを、地域に住む障害者を招いて、ともに考える授業案を提案。「一緒にできる種目を考えたり、会場をバリアフリーにしたりすることを通じて、高校生自身も、障害者の目線や意識を自然と学べるのではないか」と発表した。

ワークショップに同席した東京都立高島高校の教員や日本財団パラリンピックサポートセンターの職員からは、いずれのグループの発表も視点のユニークさや実施の現実味などが高く評価された。

Author…間宮秀人/早稲田大学教育学部教育学科教育学専修1年。POTETO Mediaではメディア提携事業部に所属。

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