2018/04/16

「AIは魔法の杖でも、黒魔術でもない」
自動運転AIで世界を牽引する半導体メーカー・エヌビディアが考える、2030年の未来とは

Written by 呉本謙勝(POTETO)with 朝日新聞DIALOG編集部

5月20日から5日間にわたり開催される朝日新聞DIALOGのAIフォーラム。21日には、昨今のAI(人工知能)ブームで躍進し、AI用半導体で世界トップ企業に急成長しているエヌビディアが登壇する。

エヌビディアは米カリフォルニア州サンタクララに本社を構える半導体メーカーで、コンピューターのグラフィックス処理や演算処理を行う半導体であるGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)とよばれるチップを開発、販売している。しかし今は、PCゲーム向けに開発してきたGPUがAIの処理に適していることが分かり、AI分野をリードする企業へと急成長。世界各国の製造業と提携しており、トヨタの自動運転技術にもエヌビディアの半導体が採用されている。

そんなAI時代の雄・エヌビディア が考える2030年とは、どのような社会なのだろうか。同社エンタープライズ事業部シニアマネージャーで、スタートアップ・技術パートナー支援を担当する山田泰永さんに話を聞いた。

Q.2030年には、AIがどのように社会実装されていると思いますか
ディープラーニングの技術は、幅広い産業分野に活用が可能です。大きなビジョンとしては、社会の様々な場面にAIが実装されることで、我々の生活が快適になり、より生産性が上がり、労働力不足などの社会問題の解決に寄与したりできるのではないか、と考えています。しかし、あくまでAIが「人間をサポートする」という役割は当面変わらず、ホスピタリティーの分野でも、完全に「人間が代替される」ことは考えにくいと思っています。

Q.AIが社会実装されていく過程で、どのような課題があると思いますか
よく言われているAIの倫理や自動運転の規制などはありますが、まずは世間一般におけるAIの認識をアップデートしなければいけないと考えています。AIはあくまで「高速演算で最適化を図るアルゴリズム」に過ぎず、今のディープラーニングから導き出される結果には何ら精神性や自我、神秘性などはありません。AIは決して、魔法の杖でも黒魔術でもない。AIの実態を正確に把握した上で、どのように活用するのかを考えていく必要があります。

Q.これからの日本社会において、AIに期待することは何ですか
日本がもともと持つ「強み」をいかに発揮していくかということを考えると、自動車やロボットのようなモノづくり産業への貢献が第一に挙げられます。一方で、日本が世界に先駆けて直面し、率先して解決すべき課題としては、高齢化や医療の問題があると思います。日本はいま、人手不足の状況です。人間とAIがうまく共存する形で様々な社会課題を解決する道を模索していくことが大事だと考えています。

21日のフォーラム当日は、山田さんと、エヌビディアのAIスタートアップ支援プログラムを受けている株式会社エクサウィザーズの石山洸社長と株式会社Laboro.AIの藤原弘将代表取締役CTOがトークセッションを行う。山田さんは、「幅広い分野でAIを活用する技術を持つ2社と共に、AIが実装された2030年の社会の姿について、来場者の皆さんとイメージを共有できるようなセッションにしたい」と語った。

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