DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2018/05/25

AIと人間の協働について考える 
朝日新聞DIALOG AIフォーラム4日目

朝日新聞DIALOG編集部

東京ミッドタウン日比谷で開催された「朝日新聞DIALOG AI FORUM」。4日目のセッションは、株式会社 Campus for H共同創業者で予防医学研究者の石川善樹さんの講演「AI時代のワークスタイル」で始まりました。

「AIと仕事をするということは、複雑な問いを一緒に解いていくこと」と言う石川さん。AIに世界各地の料理レシピを読み込ませ、シェフと共に考案した最高のハンバーグレシピの事例を紹介しながら、「料理を『無数の食材から10個を選び、組み合わせること』と定義すると、今あるレシピは膨大な組み合わせの1%にも満たない」と説明。大量のデータを処理できるAIとやりとりしながら、「料理のような答えのないテーマにも一緒に取り組むことが、AI時代のワークスタイル」と話し、人間と機械の共創のビジョンを語りました。

話題はその後、「長寿化が進む中、そもそも私たちの人生はどうなるのか」へ。「人生100年時代」と言われる現在、石川さんは「50歳が人生の転機になる」と指摘しました。石川さんは、100年の人生を25年ごとに分けて「春夏秋冬」と考えた場合、秋(50歳〜75歳)に当たる時期を「サードエージ(3rd Age)」と呼び、「リタイアしたシニアでも、バリバリの現役でもない、難しい時代」としつつ、「『学ぶ、遊ぶ、働く』をバランスよくできる素晴らしい時代でもある。どう学び、遊び、働くのがいいかわからない、という疑問に答えてくれる有効なツールとして、AIが活用される」と語りました。

午後には、 二つの講演と二つの対談、8社が登壇するエレベーターピッチ、ナイトセッションが行われました。

アクセンチュア株式会社デジタルコンサルティング本部アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京共同統括/マネジング・ディレクターの保科学世さんは「AIと共に働く未来」をテーマに、人間とAIの協働事例のデモ動画を見せながら「AIは、人の仕事を奪うものではなく、特定領域で得意を極め、助けるものだ」と語り、労働力不足解消の大切な手段だと話しました。

株式会社スクウェア・エニックステクノロジー推進部リードAIリサーチャーの三宅陽一郎さんと、東京大学大学院工学系研究科准教授の鳥海不二夫さんの対談は、「ゲームAIから考える、プレシンギュラリティ時代におけるAIと人の関係」がテーマでした。三宅さんはAIについて、「西洋はメカニクスの延長、日本は生命の延長と捉えている」と指摘。「シンギュラリティという言葉自体、西洋的な表現だ」とし、ドラえもんを例に挙げながら、「AIと人のどちらが上かではなく、ゲームの世界でもAIを友達や仲間と捉えている点で、日本は〝ポスト・シンギュラリティ〟 的だ」と語りました。一方、鳥海さんは、「現在の人工知能は『弱いAI』だ」とし、知的に見えても人間の作業を代替しているだけだと指摘。意識を持ち、真の意味で人間のように考える「強いAI」との区別を強調しました。その上で、ごく近い将来、弱いAIがゲームという「箱庭」の中での強化学習を経て、社会に入っていくかもしれないと語りました。

富士通株式会社AIサービス事業本部本部長の東圭三さんと、デロイトトーマツコンサルティング合同会社パートナーの長谷川晃一さんによる対談「AI Assisted Workの未来」では、新しいテクノロジーが、これからどのようにビジネスを変えていくのかについて議論されました。長谷川さんは「ビジネスの世界では、データを『過去に起きた出来事の説明や診断』から、『将来予測や課題への対処策』に活用する方向へと変化してきた」と述べ、リアルタイムに変化するデータを活用する「量子コンピューティングテクノロジー」は非常に将来性のある技術だと語りました。東さんは富士通が開発したデジタル技術「デジタルアニーラ」を紹介しました。量子コンピューティングテクノロジーを利用した、組み合わせ最適経路問題を解決するシステムです。ネットワークの混雑回避や倉庫内の最適経路選択など、様々な場面で活用できると説明しました。

株式会社Cogent Labs代表取締役の飯沼純さんは、「いま企業でAIはどのように使われているのか」をテーマに、自社が開発したAIで手書きの文字をデジタル化するアプリや、デジタル化したデータをAIが自然言語の文脈で解読するサービスを紹介。「解決の難しい問題など、人が適切な業務に時間を割けるようにサポートしたい」と述べ、講演を締めくくりました。

エレベーターピッチには、株式会社アイデミー、株式会社AIトラベル、AnyTech株式会社、株式会社GAUSS、株式会社ジョリーグッド、特許業務法人Toreru、BizteX株式会社、RoboMarketer株式会社のAIスタートアップ8社が登壇。ディップ株式会社の進藤圭さんがプレゼンターを務め、「明日から使えるAIサービス」と題して、各社が出張予約や商標登録手続きの簡素化、競馬予測、VRを使った安全教育など、それぞれの取り組みをプレゼン。終了後のナイトセッションでは、登壇者と来場者が名刺交換や交流を楽しみました。

開催されたセッションの内容は、後日、このサイトで詳しくお届けする予定です。

関連記事

pagetop