2018/07/04

5Gが切り開く未来の展望 ~パートナーの強みを融合させた世界~
AIフォーラムレポート

朝日新聞DIALOG編集部

中村武宏
株式会社NTTドコモ 5G推進室 室長

世界最大級のモバイル関連イベント「Mobile World Congress 2018」でも中心的なテーマとなっていた次世代の通信技術「5G」。通信事業者は新時代に向けて、どう取り組んでいくのか。5G時代が到来すると社会はどう変わるのか。「朝日新聞DIALOG AI FORUM 2018」に登壇したNTTドコモ5G推進室の中村武宏室長が5Gの近況を紹介しました。

大容量・超高速・低遅延。5Gの大きな可能性

5Gについてはいろいろなユースケースの議論があります。カテゴライズすると「超高速・超大量接続」「超高信頼」「超低遅延」の三つです。高速性、大容量性が求められるAIはもちろん、あらゆる業界で5Gを活用していただけると思っています。NTTドコモでは、このような多様な要望を満たせるよう、できれば2020年までに5Gを安定的に導入することを目指しています。最近ではオープンパートナープログラムなどを通じて、いろいろな業界、いろいろなパートナーと協力して、5Gをどんどん推し進めようとしています。

2017年5月から東京スカイツリーとお台場で5Gトライアルサイトを開始し、今年4月から東京ソラマチで「PLAY 5G」という5Gのアクティビティーを紹介する常設展示をしています。一般の方にも気兼ねなく来ていただきたかったので、ARやVRを使ったエンターテインメントの要素が大きい内容にしています。

また、車の中で5Gのデモができるように「デモバス」も用意しました。この車両を活用することで、東京エリアだけでなく日本全国で5Gのデモをご覧いただけます。車内には3面にフルスクリーンを配し、全部で13K相当と、かなり没入感が味わえる空間となっています。まさにスタジアムにいるような臨場感のあるライブ映像も楽しめます。5Gでどんなサービスが提供できそうか、今後、このバスで全国を行脚しながら考えていきます。

こうしたエンターテインメント分野での活用のほか、いま注目されているのが、建設機械の遠隔操作です。建設現場では、危険なので人をできるだけ送り込みたくないとか、少子高齢化の結果、労働者が不足しているといった課題があります。現在、コマツと協力しながら、5Gを介して建機を遠隔操作する実験を進めています。昨年は、神奈川県平塚市にある建機を東京から操作するデモを行い、非常に好評でした。遠隔操作はロボットの操作にも応用できます。新日鉄住金ソリューションズと協力しながら、遠隔で人が習字をして、離れたところにあるロボットがそれを再現するといったデモも行っています。正直、字はへただったのですが、海外の人にはかなりうけていました。

ほかにも、トヨタやデンソーと5Gを使ったコネクテッドカーの実験も行っています。さらに、セキュリティー関係や医療関係の会社と、様々な分野における連携を進めており、それぞれの成果を発表していきます。

中村 武宏
1990年、横浜国立大学修士課程卒業後、同年NTT入社。92年よりNTT DOCOMOにてW-CDMA, 5GおよびConnected Carなどの研究開発および標準化に従事。現在、高度無線通信研究委員会 2020 and Beyond AdHocリーダー、および5Gモバイル推進フォーラム企画委員会委員長代理。2016年よりITS情報通信システム推進会議 高度化専門委員会 セルラー応用TG主査を務める

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