2019/01/21

イケてる経営者たちと「未来の銭湯」を考えよう!
ワークセッション「SENTO meet-up!」開催決定

Written by 齋藤里南(POTETO) with 朝日新聞DIALOG編集部
Photo by 松本哉人(POTETO)

あなたは最近、公衆浴場(銭湯)に行きましたか。
銭湯は今や、単なる衛生施設ではなく、江戸時代から続く文化資産で、インバウンドにも人気の高い観光資源です。とはいえ、戦後、家庭に内風呂が普及し、銭湯の数は全国で減り続け、東京都内でもこの30年間で1000軒以上減りました。
銭湯が2030年以降も東京の街に欠かせない存在であり続けるためには、新たなアイデアと力が必要です。
そこで朝日新聞DIALOGは東京都とコラボし、銭湯に熱い思いを抱く人たちが、イケてる銭湯経営者たちと、銭湯を元気にするアイデアを語り合うワークセッション「SENTO meet-up! ~お風呂屋さんの未来を語ろう」を2月に開催することとしました。

まずは、その予習として、都内のほとんどの銭湯が加盟する東京都公衆浴場業生活衛生同業組合を訪ね、銭湯経営の魅力や課題などについてうかがってきました。取材に協力してくれたのは、同組合の近藤和幸理事長(写真中央)と石田眞副理事長(同左)、佐伯雅斗常務理事(同右)です。

Q: 銭湯経営の魅力はなんですか?

A: 銭湯は、江戸時代には「湯屋」と呼ばれ、衛生施設であると同時に庶民の憩いの場であり、情報交換の場、コミュニケーションの場でもありました。そうした伝統は今でも受け継がれています。お客さんとの日々のコミュニケーションは経営者にとっても楽しみですし、伝統文化の担い手としてプライドをもって仕事をすることができます。また、銭湯の入場者数に上限はないので、売り上げにも上限がありません。がんばってお客さんを増やせば増やすだけ、売り上げも増えます。そこも魅力ですね。

Q: 銭湯界にとっての課題はなんですか?

A: 戦後、家庭に内風呂が普及し、銭湯に入るお客さんは少なくなりました。銭湯の数は全国で減り続け、東京都内では1986年に2000軒以上あった銭湯が、今では約540軒になっています。

また、この業界に限ったことではありませんが、経営者の高齢化が進み、70代、80代の老夫婦だけで営んでいる銭湯はかなりの数に上ります。東京の銭湯を減らさないためには、その後継者を見つけることが最大の課題です。
銭湯の営業時間は長いし、連休なども普通はありません。お風呂掃除も、人のあかは落ちづらいので大変です。ガスではなく薪でお湯を沸かしている銭湯は、1~2時間おきに薪をくべないといけない。重労働です。また、銭湯は、人の裸という最大のプライバシーを扱う仕事ですし、お客さんとのコミュニケーションが生命線ですから、アルバイトやパートを雇う場合も、家族同様に思える人にしか仕事を任せられません。設備の更新も随時必要ですが、配管の交換だけでも数千万円はかかります。かなり大変な仕事なのです。

Q: 後継者難を解消し、銭湯界を盛り上げるために、どのような試みをしていますか?

A: 昨年から、後継者のいない銭湯と、銭湯経営に興味のある人とのマッチング事業に力を入れています。銭湯経営に興味のある大学生や会社員、企業、銭湯の従業員など計12組が手を挙げてくれ、説明会を開催しました。
また、銭湯の魅力を知ってもらうため、外国人のユーチューバーに発信してもらったり、銭湯サポーターを募集して、サポーターフォーラムを開催したりしています。サポーターは4000人を超えました。ゆるキャラの「ゆっポくん」も人気です。
地域の銭湯を巡るスタンプラリーや、飲食・健康・コスメ業界の大企業とのコラボ企画、旅行パック(ビジネスホテルの宿泊券と銭湯の入場券がセット)の発売、キックボクシングジムと連携したサービス(練習後に入浴すると貸しタオル無料)、幼稚園のお泊まり保育への場所貸しなど様々な取り組みをしてきました。特に、近年はランニングブームなので、後で銭湯に入ることを条件に無料でロッカーを貸し出すサービスを始めている銭湯も増えています。

Q: 2月のワークセッションには何を期待しますか?

A: 銭湯や銭湯経営に興味を持ってくれる若い人たちと出会える場になるといいなあと思っています。銭湯がこれまで以上にもうかる仕事になれば、後を継いでみようという人は増えるでしょうし、地域コミュニティーの核でもある銭湯は、創造的なものを提示する場にもなりうると思っています。そのためのアイデアが生まれるセッションになることを期待しています。

近藤理事長は「銭湯の魅力を世界に発信し、3S(Sushi、Sumo、Sento)と呼ばれるようにしたい」と目を輝かせました。江戸時代から続く文化資産として、地域コミュニティーの核として、外国人にも人気のある観光資源として、銭湯の魅力をどうすれば高めることができるのか。みんなでアイデアを出し合いましょう!

セッション「SENTO meet-up! ~お風呂屋さんの未来を語ろう」の詳細は下記の通りです。
【日時】 2月16日(土)12:00~14:00(11:30開場)
【場所】 ゆ~シティー蒲田 3階ホール(東京都大田区蒲田1-26-16)
【登壇者】近藤和幸(東京都公衆浴場業生活衛生同業組合 理事長)
     古井康介(株式会社POTETO Media代表取締役社長、ファシリテーター)他
【申し込み方法】イベント概要を掲載した東京都のサイトから申込用紙をダウンロードして記入し、事務局を務める日本能率協会総合研究所にメール (syaken_01@jmar.co.jp)、またはFAX(03-3432-1837)で2月8日(金)までにお申し込みください。参加は無料です。

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