2019/01/25

大学SDGs ACTION! AWARDS 受賞者リポート⑤
東京大、親に障害のあるひとり親家庭に支援を

Written by 尾川達哉(東京大学3年)

「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の実現に向けて活動する学生や若手研究者を対象としたコンテスト「大学SDGs ACTION! AWARDS」(朝日新聞社主催)。2019年2月の第2回開催に向けて、前回受賞した方々からの活動報告と、これから応募予定の皆さんへのメッセージをお届けします。今回は、親に障害のあるひとり親家庭の子どもたちが制度のはざまで十分な支援を受けられない状況を変えるために行動を起こした、東京大学3年の尾川達哉さんからのリポートです。

障害年金と児童扶養手当、どちらかしか受給できない

「もう一つの家族バンク」。華川さんというご家族との出会いから始まったこのプロジェクトは、「第1回 大学SDGs ACTION! AWARDS」の最終選考会が開催された2018年3月10日に芽吹きました。

私が最終選考会で発表したテーマの中心的な問題は、「親に障害のある、ひとり親家庭が制度のすきまに落ちて苦しんでいる」ということでした。障害のある人が受け取る障害年金と、ひとり親家庭の児童などに自治体が支給する児童扶養手当は、制度上どちらか一つしか受給できません。また、児童扶養手当の受給者リストが支援の必要なひとり親家庭のリストにもなっているため、障害年金を受給しているひとり親はこのリストに載らず、さまざまなひとり親家庭向け支援サービスの対象から漏れてしまいます。 例えば、児童扶養手当の受給者は、都営交通無料乗車券の発行、JR通勤定期券の割引、上下水道料金の減免、粗大ごみ収集手数料の免除などが受けられますが、障害年金を受給しているひとり親の場合は、受けることができません。

そこで、第1回 大学SDGs ACTION! AWARDSでは、当事者である華川さんから意見や要望をいただきながら「もう一つの家族バンク」という形にして発表しました。これは、親が病気や障害を抱えるひとり親家庭の子どもたちの支援者コミュニティーであり、彼らを中長期的にサポートする新しいシステムです。具体的には、登録者が親に代わって家での食事作りや学校行事への参加を担って日常的にサポートしたり、長期休暇中のホームステイ先になって子どもたちに新しい体験を提供したりすることを想定しています。

法改正で問題の根っこを取り除きたい

しかし、問題の根っこは法律そのものにあります。そのため、まずは法改正を求めるべく、有志の方々とともに「障害ひとり親に関する法改正を求める会」(https://www.shogaisingle.com)を2018年4月に立ち上げました。現在は弁護士さんの協力も得ながら活動しています。具体的には、ホームページを開設して当事者の把握に努めるほか、月に2回ほどの国会議員へのロビイングや人権救済申し立ての準備もしています。私個人は学業との兼ね合いもあってあまり携われていない部分もあるのですが、9月1日には埼玉県の国立女性教育会館で「障害のあるひとり親が抱える問題」についてレクチャーもしました。

国会議員へのロビイングの様子。右が華川さん
法改正に向けて国会議員に要望を伝える活動を続けている

今はまだ、法律の壁を前に、かがり火を頼りにしながら必死にもがいている状況ですが、今後のビジョンとしては、法的な問題の解決と並行して、「もう一つの家族バンク」という題で発表した共助システムの構築も目指していくつもりです。

会の発足は、昨年の大学SDGs ACTION! AWARDSに端を発するものでした。そこで芽吹いた小さな種がいつしか大きな木になり、満開の桜が咲くことを願っています。

第2回AWARDSを目指す皆さんへ

今の学生は多方面に興味を持ち、何らかの問題意識を育んでいるのではないかと思います。そうした問題意識を社会変革という目に見える形に変えていくには、問題の存在を社会に認知させることが手始めになります。大学SDGs ACTION! AWARDSの舞台を、ぜひその機会にしていただければと思います。

大学 SDGs ACTION! AWARDS 2019~SDGs達成のために、キミが出来ることは?~
社会課題の解決につながるアイデアを募集(賞金50万円など)

国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け、いま国や企業は様々なプロジェクトに取り組んでいます。この目標達成のために欠かせないのが、次代を担っていく若者たちの力です。
そこで朝日新聞社では、若者の活動を後押しするための「大学 SDGs ACTION! AWARDS」を創設。
日頃の研究・活動実績に基づくSDGs達成のための企画・アイデアが、昨年度はおよそ100もの団体・個人から寄せられました。
第2回となる今年度は、さらにパワーアップして開催決定! 皆さんの企画・アイデアをぜひご応募ください。

応募要領

対象

学生(大学学部生、大学院生、高専学生、短大生、専門学校生)、若手研究者(35歳以下)、ゼミナール、学生NGO、学生NPO、学生団体、サークル など

応募・選考の流れ

(1)エントリー 締切1月28日(月)
(2)一次選考(結果は2月6日〈水〉までに連絡)
(3)最終選考・プレゼンテーション大会(参加無料)
※一次選考通過チーム代表2名をご招待(交通費・宿泊費〈遠方の場合〉事務局負担)

日時:2月20日(水)13:30~18:00(予定)
会場:有楽町朝日ホール (アクセスはこちら

内容
一次選考通過チームのプレゼンテーション
SDGsワークショップ
最終選考、結果発表、表彰式

賞金
グランプリ 50万円
企業賞 30万円 ※特別協賛社複数社予定
オーディエンス賞 20万円
他 審査員特別賞、ファイナリスト賞

審査基準
ユニーク性・先進性/クリエイティブな発想や新たな価値があるか
社会的インパクト/社会への大きな影響・波及効果を期待できるか
実現可能性/アイデアを実現するための実績や計画、情熱が十分にあるか
パートナーシップ/多様な人との協働によって生まれるものであるか

応募の受付  締切1月28日(月)

応募フォーマット(Excel)に必要事項を記入し、メール(sdgsaction@asahi.com)でお申し込みください。
※PR動画(3分以内)※推奨

応募フォーマット(エクセル) ▶

教職員、先生方へ

応募要項を下記よりダウンロードいただけます。ゼミなど学生の皆さまへの周知にご協力ください。

応募要項(PDF) ▶

お問合せ

大学SDGs ACTION! AWARDS事務局(お問合せ窓口:株式会社クレアン)
sdgsaction@cre-en.jp

主催:朝日新聞社
特別協賛:
後援:文部科学省、外務省、国連広報センター、独立行政法人国際協力機構( JICA)、
ESD活動支援センター  ※申請中、予定
連携協力: SDGs-SWY

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