マルチタレント・はましゃかさんインタビュー 「誰かのためでなく、私のために服を着る」:朝日新聞DIALOG
2019/03/07

マルチタレント・はましゃかさんインタビュー
「誰かのためでなく、私のために服を着る」

Written by 朝日新聞DIALOG編集部

国際女性デーの3月8日、朝日新聞社はシンポジウム「社会の空気を変えていく 自分らしく生きる女性たちへ」を都内で開催します。働く、装う、恋をする、の三つのテーマごとに、多様なゲストに語っていただきます。「装う」がテーマのトークセッションでは、SNSでの発信が人気を集めるマルチタレント・はましゃかさん(24)が登壇します。ファッションとジェンダーについて、本番前に少しだけお話を聞きました。

男性からの評価が判断基準だった過去の自分へ

Q. 美大出身のはましゃかさんは、自撮り写真に手書きのコラージュを加えた作品が「しゃかコラ」と呼ばれてインスタグラムで人気を集めています。ブログやツイッターでは、男性目線で着る服を選んでいた過去の自分を否定し、「女子力」「男受け」といった言葉に疑問を投げかけていますね。

サラダ取り分け禁止委員会を書いたブログ記事は大きな反響があった(https://ar-mag.jp/lifestyle/26822/より)

A. 10代の頃は、男の人からのジャッジを参考に服を選んでしまう自分に悩んでいました。今思うと、女性らしい格好をしなきゃいけないという圧力みたいなものを感じていたのかな。当時読んでいた10代向け雑誌の影響も大きかったです。架空の彼氏が「デートのときは露出度の低い服を着てほしい」と言っているようなページも、まじめに読み込んでいました。

ブログなどで発信を始めたのは、そういう過去の自分に対して「その橋は渡ってはならぬ!(笑)」と言いたかったからです。だからメッセージの受け手は自分より若い世代が中心になりますが、年齢は関係ないですね。「サラダ取り分け禁止委員会」(飲み会などでサラダを取り分けるのは女性の役割だという空気に異議を唱えるために、あえて取り分けない活動)を勝手に発足してコラムに書いたときは、10代の子たちは「そんなの当たり前じゃん」という反応でした。むしろ響いたのは上の世代。結局、届くべきところに届くんだろうなと思います。

女性の服装が、危害を受ける理由にはならない

Q. 今はどんな思いで着る服を選んでいるのですか?

A. 今は自分の好きな服を自分のために着たいし、みんなにもそうしてほしい。20代になってからは、いろんなファッションに挑戦したくて露出度の高い服も着ます。「そんな格好していたら勘違いされるし、危ないよ」と男の人から言われたこともありますが、別に勘違いされたら勘違いですと伝えるし、服装を理由に危ない目に遭うのはおかしいと思います。痴漢の被害者に対して、「痴漢されるような格好しているのが悪い」と指摘するのはおかしい。そういう考え方は、平成の時代に置いていきたいですね。

はましゃかさんのインスタグラム(https://www.instagram.com/shakachang/)より。フォロワーは1万人超

最近、髪の色をピンクにしたんです。そしたら人生にすごくいい変化がありました。それまでの黒のロングヘアのときは外見と中身のギャップがあって、「見た目はただの美女だけど、いろんなことを考えているんだね」と言われたり、年上の男性からなめられたりしていたのですが、ピンクにしてからは、相手の反応で自分と気が合う人かどうかがすぐ分かるようになって、過ごしやすくなりました。自分の内面と外見がやっと一致してきた感じです。

誰もが自分らしいファッションでいられる世の中に

Q. 見た目で勝手に判断されたくない一方で、ファッションは自己表現の一つでもあるのですね。

A. 自分らしいファッションをするためには、三つの要素がいると思っています。まず、服への知識がないと着るものを選べない。次に必要なのは思想です。いくら服に詳しくても、ブランドものや高い服を着ても、その人の考えが伴っていないファッションは薄っぺらくなる。三つ目が環境です。どんなにしたい格好やビジョンがあっても、学校や勤務先が指定する服や髪色から外れたらできません。

ファッションに思想が伴う人は一部だし、好きな格好が許される環境も限られるので、現実には自分らしい装いを制限されることってすごく多いですよね。だから、こういう髪色や服装で仕事ができている私はすごくラッキーな人間。でも、それが普通になっていくといいなと思います。

自らをモデルにした写真作品は美大時代からのライフワークで、インスタグラムのアカウント(https://www.instagram.com/selfie_artworks/)もある(写真は本人提供)

Q. 3月8日の国際女性デーのシンポジウムに登壇いただきます。国際女性デーのことは、ご存じでしたか?

A. 昨年の国際女性デーは、パレードやいろいろな情報発信を見ながら、私にも何かできることあるのかなぁと思って過ごしていました。だから、今回お声かけいただいて本当にうれしかったです。シンポジウムで皆さんにお会いするのを楽しみにしています!

【プロフィール】
はましゃか
1994年生まれ。多摩美術大学卒。在学中に始めたブログやSNSでの発信が話題になり、2018年春に大学卒業後はフリーランスに。写真に手書きでデザインを加えた「しゃかコラ」という作風が特色。コラム執筆、手書きロゴやサムネイル、自身をモデルにした写真作品の制作などマルチに表現活動を展開している。

WOMAN&TOKYO国際女性デーシンポジウムを開催

はましゃかさんも登壇する国際女性デーシンポジウムを、3月8日に開催します。ほかに、脚本家の北川悦吏子さん、小説家の山内マリコさん、スープストック トーキョーでアルバイトから最年少取締役になった江澤身和さんら多数のゲストをお招きします。
ぜひお越し下さい。

WOMAN&TOKYO国際女性デーシンポジウム
「社会の空気を変えていく 自分らしく生きる女性たちへ」
【日時】3月8日(金)13:30~16:30
【場所】津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパス
アリス・メイベル・ベーコン記念館 3階 広瀬記念ホール
(渋谷区千駄ヶ谷1-18-24)
【参加費】無料(事前申込制)、定員300人
【申し込み】https://womanandtokyo.peatix.com/

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