DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2019/12/20

大学SDGs ACTION! AWARDS 受賞者リポート① 滋賀県立大学 移動仮設カフェ「出張タルタルーガ」を実現!

Written by 上田健太郎(滋賀県立大学 とよさと快蔵プロジェクト)

「大学SDGs ACTION! AWARDS」は、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて活動する学生や若手研究者を対象とした、朝日新聞社が主催するコンテストです。2020年2月の第3回開催に向けて、現在、エントリーを募集中です。ここでは、19年2月に行われた第2回の受賞者の活動報告をお届けします。まずは、「SDGs移動仮設カフェ<出張タルタルーガ>の展開」でスタディーツアー<下川町×JAL>賞を受賞した滋賀県立大学「とよさと快蔵プロジェクト」のリポートです。

スタディーツアーで北海道下川町へ

私たち「とよさと快蔵プロジェクト」は、滋賀県豊郷とよさと町の住民が結成した特定非営利活動法人とよさとまちづくり委員会と協力しながら、豊郷町に数多くある空き家、空き蔵を地域資産と捉え、学生なりの視点で改修、再活用し、町を元気にしようと活動をしています。滋賀県立大学環境建築デザイン学科の学生有志が04年に立ち上げ、今年で16年目を迎えました。初年度のメンバーは10人もいませんでしたが、現在は100人を超える大所帯になっています。活動内容は、空き家のリノベーションを行う改修部門、改修物件や地域のお祭りで開催するイベントの企画・運営を行うイベント部門、改修した古蔵で日本酒が飲める「BARタルタルーガ」を経営するタルタルーガ部門の三つに分かれています。活動の根幹となる改修部門では、古民家や酒蔵をもとの建物の魅力を損なうことなく改修し、新たな用途の建物へと再生してきました。これまでによみがえらせた空き家の数は14軒に及びます。

私たちは、19年の大学SDGs ACTION! AWARDSで、古民家の廃材を使用して持ち運び可能な移動店舗「出張タルタルーガ」をつくりたいと訴えました。そこで提供する料理に豊郷町の特産品を使い、よその地域でも豊郷の味を知ってもらいたいと考えたからです。その結果、スタディーツアー<下川町×JAL>賞をいただきました。

スタディーツアーで下川町の美桑が丘へ

9月下旬には、スタディーツアーで北海道下川町を訪ねました。第1回ジャパンSDGsアワードの内閣総理大臣賞を受賞した下川町は、林業が主要産業の一つで、森林資源を余すことなく使う循環型森林経営に取り組んでいます。今回のツアーでは、「バイオマス原料製造施設」「フプの森」「エコハウス美桑」「一の橋バイオビレッジ」「万里フレぺ」「美桑が丘」「共立トラスト」の7施設を見学しました。本州とは全く違う環境で、自然と町と人とが一体となった取り組みをしていることが新鮮で、モノづくりの元となる自然素材の生かし方やデザイン手法など、大いに勉強になりました。また、インターンとして町のSDGs関連の広報を担当している慶應義塾大学の学生と交流することもできました。

スタディーツアーの懇親会

西日本最大規模のSDGsイベントにも出店

また、私たちはAWARDSの賞金の一部を活用し、提案内容であるSDGs移動仮設店舗の製作に取り組みました。具体的には、持ち運び可能な移動店舗を設計・施工し、10月に開催された西日本最大規模のSDGsイベント「びわ湖環境ビジネスメッセ」に出店・展示しました。移動店舗の製作にあたっては、改修部門の設計チームを中心に事例調査からデザイン考案、模型製作、基本/実施設計まで行い、施工のための詳細図面を描き上げました。デザイン考案ではPCソフトの3Dモデルを使って基本デザインや構造、使い勝手などを検討し、図面を作製しました。施工する際は、スタディーツアーの参加メンバーが中心となり、木材の加工、ファサードデザインのペイント、組み立てを行い、無事完成させることができました。

移動店舗を自力で製作

びわ湖環境ビジネスメッセでは、多くの企業や官公庁の方々に私たちの展示をご覧いただきました。滋賀県の三日月大造知事も視察されました。3日間の展示を通して、とよさと快蔵プロジェクトとBARタルタルーガの活動を広く伝えるだけでなく、私たちのSDGsへの取り組みについても知っていただくことができました。今後はこの移動店舗を活用した出張タルタルーガを展開し、豊郷町内にとどまらず他の地域でも営業し、持続可能な地域づくりに貢献する機会を増やしていきます。

びわ湖環境ビジネスメッセで三日月滋賀県知事(中央)と

AWARDSは何物にも代えがたい経験に

今回の受賞をきっかけに、下川町へのスタディーツアーや、移動仮設店舗の実現、びわ湖環境ビジネスメッセへの展示など様々なことが実現しました。私自身、大学SDGs ACTION! AWARDSへの応募前は、こんなに幅広い経験ができるとは思いもしませんでした。貴重な機会をいただいたことに感謝しています。SDGsに関心を持つ学生にとって、このAWARDSを通した経験は何物にも代えがたいものになると思います。ぜひ、みなさまの研究や活動、思いを、このAWARDSにぶつけてみてください! 心から応援しています。

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