自分を褒める 好きになる ヒントをもらった「キレイ」考えるイベント×DIALOG学生部:朝日新聞DIALOG
2021/11/09

自分を褒める 好きになる ヒントをもらった
「キレイ」考えるイベント×DIALOG学生部

By 吉武かおる、寺澤愛美(DIALOG学生部)

 自分のこと、好きですか?

 自己肯定感が他国に比べて低いとされる日本。自分の容姿への不満も、原因の一つとしてあるようです。

 「見た目」への向き合い方を変えれば、自分をもっと好きになれるかもしれない——。

 「telling,×ワコール 誰のためにキレイになりたいんだろう? わたしの『からだ』を好きになるヒント」(telling,主催、ワコール協賛)を視聴したDIALOG学生部メンバーが、出演者の言葉から考えました。

【低い自己肯定感】内閣府調査結果を見る

悲しい未来 阻止するぞ
吉武かおる(DIALOG学生部)


 大人になると人から褒められることは減ってくるので、自分で自分を褒めてあげることは大事。

司会・寺田愛さん

 大学生活(特にコロナ禍の自粛生活)を通して、心身のバランスを保つための習慣について考えていました。栄養のある食事、牛乳を飲む習慣、体育の授業のような定期的な運動、そして、小さなことでも自分を褒めてあげること。

 10代半ばまでは、学校という仕組みがこれらを提供してくれていました。守られていたのだと思います。でも大学生、大人になって自立していくにつれ、この仕組みからは解き放たれます。自分で自分を守ってあげなくてはいけない。褒めてあげないといけない。たまには牛乳も飲んで、運動もして、心身の健康を自分の意思で能動的に維持していかないといけない。

 冒頭の言葉を通しても、このことについて考えさせられました。「そうか、やっぱり大人になると褒められることなんてどんどん減っていくんだな」としみじみしました。一方で、「え、年を取るにつれ褒められることが減る運命にあるなんて、悲しいぞ」とも感じます。

 そんな悲しい未来はできれば阻止したい。だから周りの友だちをたくさん褒めてあげたいし、私も私のことを褒めてあげよう、と心に決めました。大人になってもみんながみんなを褒めあう社会って、きっと素敵です。

演出された「美」 惑わされない

 別に、異性に好きになってもらわなくたって、いいじゃん! そんなことで自分の体を嫌いになるなんて、悲しいなって思う。

フォトグラファー・花盛友里さん

 花盛さんは、視聴者からのコメントについて「人に言われたことがきっかけで、自分の体を好きになれなかった人が多い印象。異性に好きになってもらえなかったから自分の体が好きじゃない、という人も」と語りました。

 今では確かに「別に異性に好きになってもらわなくたって!」と思えます。ただ、恥ずかしながら高校生のときは意中の誰かに好きになってもらうことが自分の全てかのように思った瞬間もありました。うまくいかないと内面から外見の細部まで自分のあら探しをしたり、画面の向こうの完璧な容姿を持った存在をうらやんだり。それなので、耳が痛い言葉でした。

 先日、Facebookの元社員フランシス・ホーゲンさんが同社を告発しました。その中で、「インスタグラムが10代の女性たちのメンタルヘルスや自分の体に関するイメージを悪化させるという情報を持っていながら、企業として対策を取ってこなかった」と指摘。

 広告やメディアにおける「美」の演出方法に対しては、すでに世界各地で問題提起の声が上がっています。SNSを通したルッキズムの加速が懸念されている今日において、企業にはその実態を把握し適切な対処をおこなうことがより求められていると思います。

 規格化された「美」を追い求めるあまり、人の心がむしばまれてしまうことは、とても危険です。今回のイベントのような啓発活動や、私たちが日ごろ目にする媒体における「美」の概念の多様化を通して、自分の体を好きになれる人が増えていってほしいです。

 ちなみに、私が自分の外見を好きになれたのは、ドイツの友だちの言葉がきっかけでした。彼女はいつも「人はみんなそのままで美しいし、あなたも毎日最高に美しい!」と笑ってくれました。やっぱり、「褒める」って最強なのかもしれません。

ダイエットしなくても まあいっか
寺澤愛美(DIALOG学生部)


 コンプレックスを無理やり好きになるのはハードルが高い。「まあいっか」「それでもいいや」みたいに頑張らないほうが続けられる。

骨格診断アナリスト協会代表理事 二神弓子さん

 解けない問題を解けるようにする。クラスの平均点以上を取るように勉強する。苦手なことに向き合い、何かを改善していくことが当たり前だと思っていました。きっとコンプレックスも「直すべきもの」と、どこかで思い込んでしまっていたのかもしれません。

 私自身、中高生になると、見た目を気にすることが増え、体重やスタイルを他人と比べてしまっていました。当時、友人と何かおいしいものを食べたときには決まって、「おいしかったね。だけど罪悪感が……ダイエットしなきゃ」という会話が起こっていました。今思うと、ことあるごとに「ダイエット」がついて回っていたな、と。

 漠然と「ダイエットはしないといけないもの」「体重は軽いに越したことはない」と思っていたのだと思います。ダイエットは本来、自分に合った健康的な身体を探していくことなのに、気づくと偏差値を上げるかのように数字を追っている自分がいました。

 あのときの私は、何のためにダイエットしていたのだろう。当時コンプレックスに感じていた丸顔も今では気にならなくなりました。周囲の友人が「丸顔かわいいね」と褒めてくれることが増えて、自分の一部として受け入れることができたからだと思います。見た目や体質は年齢や環境によって少しずつ変化するものだとも思います。だから私は、流れに身を任せてみようと思っています。

 「まあいっか」。この言葉は、「ここまで頑張った自分偉い!」とそこに至るまでの過程を肯定してあげられる、魔法の言葉だと思いました。ちょっと頑張ってみる。うまくいかなかったとしても、努力した自分を褒めてあげる。たまには自分を甘やかしていいのではないでしょうか?

今日も頑張る 自分だけのスイッチ

 キレイになるのは自分のため。小さいことでも、他の人に気づかれなくても、自分的にテンションが上がることがあったらうれしいなと思う。

ワコール人間科学研究所 橋本栞里さん

 私は、家を出るときにちょっとした“儀式”をします。それはお気に入りの香水を付けること。誰にも気づかれないような弱い香りだけれど、ふと香りを感じたとき、今日も頑張ろう!という気持ちになります。気がつくと、目線が自然と上を向き、背筋が伸びています。自分だけのこだわりや些細(ささい)な喜びがあるだけで、その日一日が楽しいものになると思います。

 以前、友人に「何もしていなくても、笑っているときが一番、君らしくて素敵じゃん!」と言われて、ハッとさせられたことを思い出しました。自分のためにキレイになる。私もそう思います。しかし、もしかしたら「自分のためにキレイになる」ために、気づいたら他人のまねばかりしていたのかもしれない、と——。

 「笑顔でいること」は“キレイ”への一番の近道なのかもしれません。自分が心から楽しむことが、実は「自分のため」なのだと思います。美容室に行くとき、新しい洋服を着るとき、朝、目覚ましなしで起きられたとき、いつもワクワクします。そんな自分のテンションを上げるスイッチを大切にしていきたいです。


自分に満足? 容姿に誇り? 肯定感が低い日本

 「自分自身に満足している」と答えた若い世代(13~29歳)の割合は、欧米や韓国で70%を超えているのに対して、日本は45%(2018年度、内閣府調査)。同じ調査で「自分の容姿に誇りを持っている」と答えた日本の若い世代は31%で、他国の60%以上に比べて際立って低い割合でした。

 「やせ願望」が特に若い女性の間で強いことも、長く課題とされています。厚生労働省の2019年国民健康・栄養調査報告によると、「やせ」とされる割合は男性3.9%、女性11.5%。20代の女性に限ると、20.7%で、緩やかな増加傾向にあります。先進国では突出して高く、骨量の減少や低体重児の出産といったリスクとの関連が懸念されています。

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