社会を見る「目」を増やした4年間——DIALOGに参加して黒澤太朗(DIALOG学生部):朝日新聞DIALOG
2022/03/24

社会を見る「目」を増やした4年間——DIALOGに参加して
黒澤太朗(DIALOG学生部)

 朝日新聞DIALOGに参加して、2022年春、社会へと巣立っていく学生たち。参加のきっかけは? 印象に残った出来事は? みなさんにリポートしていただきます。

 私は大学1年生の冬から、この朝日新聞DIALOGに学生記者として参加してきました。きっかけは、偶然見つけた募集案内に自分から応募したことでした。元々、記者のようなことをやってみたいという思いがあり……というのは半分本当。新聞社の名前を借りて、いろいろな場所に行けたら楽しそうだなあ、と思っていました。

 まず直面したのは、自分の書いた文章が人に伝わらない、ということでした。

 学生記者が執筆した記事は、プロの添削と学生による修正を繰り返してから公開します。私が初めての取材で書いた原稿が添削されると、そこには赤い修正のマークがびっしり。文章力にはちょっぴり自信があった大学1年生の私……見事に打ち砕かれたのです。

 しかし、この作業を繰り返すことで、だんだんとコツがつかめるようになってきました。自分の文章を客観視して、どうしたら人に伝わるかを真剣に考える。生きていく上で必ず役に立つ経験だと思います。こういった機会にチャレンジできることが、DIALOGの大きな魅力だと感じます。

 この4年間で最も印象に残っている取材は、目が不自由な子どもたちにプロの声優が授業をする声の力プロジェクト。特に、その集大成として行われたラジオドラマ制作合宿です。

 筑波大学附属高等学校と、同視覚特別支援学校高等部(東京都文京区)の生徒計10人が参加し、5人1組で挑んだこの企画。2泊3日寝食をともにした生徒たちが、障害の有無を超えてラジオドラマ収録まで成長し続ける姿に、心から感動しました。

 インタビュー取材では、最初から最後まで学生記者1人に任せていただく機会もあります。IKEAジャパンのヘレン・フォン・ライス社長(当時)への取材は、公開イベントとして聴衆を入れた中で行われました。もちろん緊張しましたが、事前の準備を踏まえ、うまく進めることができました。「話を引き出せた」ことで感じた喜びは、今でも鮮明に覚えています。

 この4年間で「いろいろな場所に行く」という目標はもちろん達成できました。しかし、DIALOGで得たもっと大切なことは、この社会を見る新たな「視点」の数々です。

 取材では、自分とはまったく違う環境に身を置く人の話を聞いたり、興味関心の外にあった分野に触れたりします。そこで学んだ視点は自分に蓄積され、ある出来事やニュースを多角的に捉えることにつながりました。DIALOGの活動を通じて、さまざまな人の立場に、少しだけ思いを巡らせることができるようになったと思います。

 DIALOGには、記者職に関心がある人はもちろん、そうではない学生も多数参加しています。少しでも活動に関心がある方は、ぜひ一度、話を聞いてみてください。今までかけていたものとは、ちょっと違う「めがね」が見つかるかもしれません。

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