女性記者に聞きたい! メディアは男女平等? おじさん目線?ざっくばらんトーク 学生部メンバーが考えたこと:朝日新聞DIALOG
2022/09/13

女性記者に聞きたい! メディアは男女平等? おじさん目線?
ざっくばらんトーク 学生部メンバーが考えたこと

By 前麻美(DIALOG学生部)

 大手メディアの女性記者に話が聞きたい!という企画案が学生部メンバーから持ち上がり、新聞社とテレビ局に勤める女性記者2人を招いてセッションを開きました。政治・経済など幅広い分野の取材経験がある女性記者からは、どんな風景が見えるのか——。ざっくばらんなフリートークの中から、気になった発言を紹介します。

セクハラ問題 たまに聞くけど

 構造的にセクハラが非常に起きやすい状況になっていて、それはいまだ変わっていない。

 セクハラに関しては近年、非常に敏感に扱われるようになってきているようにも思います。しかし、「日本社会の構造として、セクハラが起きやすい状況がある」と女性記者の一人が指摘しました。

 記者という仕事柄、事件や出来事のキーパーソンに取材を行います。それは多くの場合、組織や団体の意思決定に関わるようなある程度の地位を持った中高年の男性であり、女性が取材に行けば、どうしてもセクハラに遭いやすい、というのです。

 こうした構造はメディア業界に限らず、様々なところにあることが想像に難くありませんが、女性はなかなか声を上げられないという現実もあります。

 実際、女性記者の中でも、声を上げなかったことに罪悪感を持つ人もいるそうです。「もっと声を上げていたら違う今があったかもしれない」と思うのは結果論でしかないともいえるでしょう。構造的な問題に対抗するには、日常的に小さなことから「嫌な気持ちになった」と伝えていく必要があると思います。そして、それを聞いた側も「細かいことに目くじらを立てて面倒くさい」と考えるのではなく、きちんと受け止める姿勢を持つことが大切なのではないでしょうか。

ワーク・ライフ・バランス 大丈夫?

 新聞を作っている時間は育児のゴールデンタイムとかぶっている。

 新聞といえば朝刊です。朝に配るということは、前日の夕方から夜にかけて一番忙しくなります。同時に、夕方から夜は家事と育児の時間でもあります。共働き世帯では、夫も妻も昼に仕事があり、家事や育児は朝と夜に集中します。今はかなり変化してきていますが、いまだに家事や育児は女性が担当するという意識が根強いのが現実で、政治部や社会部といったいわゆる花形の部署で女性記者が働きづらい側面もあるといいます。

 これは仕方のないことなのでしょうか。例えば、性別役割分担の意識が解消され、男性側が時短勤務しやすくなれば、女性記者が政治部や社会部といった忙しい部署で働くことも可能になります。

 女性の産休・育休は新聞社でも取得しやすくなっているそうですが、男性も取得しやすくすることが大切です。女性も男性も、やりたい仕事に妥協なく挑戦できる環境づくりを行い、パートナーが話し合って働き方のバランスを決定できるようになるのが理想なのではないでしょうか。

報道内容 男目線になっていない?

 (報道内容に)「おじさん目線だな」と思うものがすごく多くて、そういうときは社内で指摘します。

 報道の中には、さりげなく男性目線の言葉が紛れ込んでいます。「かわいすぎる○○」「きれいすぎる〇〇」といった言葉は、誰目線で「かわいい」あるいは「きれい」なのでしょうか。報道の中に潜むそうした言葉に対して「男目線というよりは、おじさん目線を感じる」と新聞社の女性記者は言いました。

 こうしたことは、報道の方針を決める話し合いの場に女性が少なすぎる、あるいは不在であるために起きる、と女性記者2人は指摘します。

 女性が意思決定の場にいないことによって起きる弊害としては、女性が切実に思っている問題が過小評価されるという問題もあります。

 「女性が意思決定の場にいない、または少ないことで、性暴力や待機児童問題、女性議員の少なさといった女性が切実に感じている問題を、メディアで大きく取り上げることが難しい」とテレビ局の女性記者は語りました。

30% あきらめず少しずつ
前麻美(DIALOG学生部)

 2003年、政府の男女共同参画推進本部は「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標を立てました。30%という数字は、男性が多い意思決定の場で女性が発言しやすくなる最低ラインの数字ですが、2022年の今、それが達成されたとはいえません。

 社会規範や制度は、個人ではなかなか動かせません。しかし、家庭など身の回り、日常的な部分から男女対等な関係性を築くよう努力し、少しずつ変えていく必要があるのではないでしょうか。

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