地方出身の学生、集まれ! “あるある”を語り尽くすいつか戻りたい? 地元愛の行方は…:朝日新聞DIALOG
2022/10/05

地方出身の学生、集まれ! “あるある”を語り尽くす
いつか戻りたい? 地元愛の行方は…

By 降矢桃佳(DIALOG学生部)

 あなたの出身はどちらですか?

 もしかして、地方? だとしたら、その魅力から難点まで、よくご存じかもしれません。

 地元ならではの文化や慣習、都市に暮らし始めたときの驚き——。

 DIALOGの地方出身メンバーが集結。普段なかなか深く話すことのない地元の魅力や、地方出身者の“あるある”について語りました。

語り合ったメンバー(カッコ内は出身地)
神里晏朱(沖縄県宜野湾市)「沖縄は観光にはいいけど……ってことを伝えたい」
久野俊紀(静岡県浜松市)「東京に憧れがなくて。ほかの人は?」
西岡真子(愛知県瀬戸市)「出身地によって結構パーソナリティーが変わるな」
降矢桃佳(山梨県山梨市)「東京出身の人がうらやましいと感じたことも」
三嶋健太郎(栃木県鹿沼市)「地元を少しでもアピールしたい」
森雅貴(滋賀県長浜市)社会人パートナー。「高校時代、とにかくスターバックスに行きたかった」

味噌カツ、楽器、アイスクリーム…

西岡 地元の愛知は、あいさつが盛んです。近所の人とすれ違ったら、知らない人でもあいさつや、ちょっとした話をするのが当たり前。東京に来てからは、同じアパートの人とも交流がないですね。あと、食べ物は味噌(みそ)カツ! いろんなものに味噌をかけて食べます。

降矢 地元の山梨は四方八方に山が連なっていて、自然が豊か。東京の大学に入ってしばらくして帰省したとき、山の勢いに圧倒されたのを覚えています。東京は無機質な建物ばかりなので、こんなに緑のあるところで育ったんだなと初めて気づきました。

三嶋 栃木は、そばがおいしい。先日も山深いそば屋に立ち寄ったら、県外ナンバーの車が何台も止まっていました。栃木と言えばギョウザが有名かもしれないけれど、他にも自慢できるものはたくさんあります。

神里 沖縄には、アンパンマンアイスバーなど県内限定とされるアイスがあります。ちんすこうや沖縄そばは、お土産として沖縄以外でも食べられるけれど、アイスはお土産として持って帰ることができないので、現地で食べるのがおすすめです。

久野 出身地の浜松市は、音楽の街。楽器の博物館があったり、音楽のイベントに有名なアーティストが来たりします。私自身も、高校で吹奏楽をやっていました。

降矢 離れてから気づく地元の良さって、たくさんありますね。

地方出身者が語る“あるある”
・休日に友だちと集まるのは近くのショッピングセンター。
・バスでSuicaが使えるようになって感動。
・インスタで後輩が「結婚しました」。びっくり。
・家賃2万~3万円で、都会よりも全然いいマンションに住んでいる。
・とにかく田んぼしかない。

電車が少ない 駐車場が鬼広い

 滋賀県の地元は、電車の本数が限られていました。1時間に1本くらいしか電車が来ないので、電車の時間に合わせて行動していたな……。東京は電車の時刻を確認しなくていいので、すばらしい。

神里 沖縄って、そもそも電車が那覇市などを通るゆいレールしかないんですよ。普段乗るのは、バスか親の車。東京では小学生が一人で電車に乗っているのをよく見かけるので、びっくり!

降矢 分かります。地元では親の車なしでは生きられない。あと、コンビニの駐車場が鬼広いですよね。

一同 分かるー! 広大すぎる!

降矢 コンビニができるときに「何ができるかな? ワクワク!」と思っていたら、全部駐車場だった……。

情報が遅い 時給が安い

西岡 東京って、美術館がたくさんありますよね。あとはアーティストのコンサートや展覧会、ポップアップも。東京でしか開催されないものが多いので、うらやましかったです。

三嶋 東京じゃないと、見られるチャンネルや番組が限られる。あとは、テレビ放映の時差があることも。

神里 沖縄は、アニメもバラエティーも、情報が遅れて入ってくることもあるので、もっと最新のものを見たいっていうのがありました。

久野 東京には大きい本屋さんが多くあるのがうらやましい。小さい本屋さんだと、大学で使う専門書など、品ぞろえも限られているので。

 金銭感覚の違いもあるよね。家賃だったりアルバイトの時給だったり。

神里 沖縄と東京のアルバイトの時給でギャップを感じた経験があります。高校卒業後、地元のスーパーでお寿司(すし)を握るバイトをしていたんですけど、時給800円くらいだったと思います。上京してステーキ店でバイトしたら、時給1300円ぐらい。1.5倍くらいに跳ね上がりました。私自身のスキルは何も変わってないのに、すごく賃金格差があるなって、しみじみ感じました。

久野 都市部のほうがバイトの種類も豊富。選択肢がたくさんありますね。

東京は街が生きている

降矢 東京の人って、歩くのが上手だなって。混雑した駅でも、うまく人の間を縫って歩いている。私はなかなか上手になれないので……。

三嶋 東京は、訪れるたびに街の形が変わっている。街が生きているんだなと、躍動を感じます。

神里 初対面でお互いを呼ぶとき、“ちゃん”を付けることに驚きました。“ちゃん”はドラマの中でしか聞いたことがなかった。地元ではみんな呼び捨てだったので、東京では友だちとの距離を感じることも。

地元好き でも、すぐ戻ろうとは…

 みなさん、いつか地元に戻りたいと思う?

西岡 地元を終の棲家(ついのすみか)にしようとは考えていなくて。まずは東京で働いて、その後いったん地元に戻る。その後さらに別のお気に入りの土地を見つけたいです。

神里 親に介護が必要になるまでは、東京や海外で働きたい。以前は地元に帰ろうと思っていましたが、東京のほうが給与などの水準が高いので。だけど、家族にすぐ会えるっていうのは、ありがたいことだと思う。都市部で働きつつ、定期的に地元に帰りたい。結婚することを考えたら、自分の時間を自由に使えるのはあと10年。好き勝手に生きてみたいとも思います。

久野 私は、ずっと同じ場所にいるのが怖い。誰も自分のことを知らないどこかに行きたいと思っています。個人的に、いつか自然豊かな北海道に住んでみたいです。

 東京は住む街ではないなと思う一方、地元は価値観が合わないときがある。今は、将来の生活の場を探し中です。

みんなの出身地 行ってみたい

三嶋 いろんな視点から話を聞けました。共感することも、そうではないことも。人は、ずっと居たい場所はなくとも、戻りたい場所があるんだなと気づきました。

降矢 出身地は一つのアイデンティティーなんだなと実感しました。みんなの話を聞いて、場所にこだわらず、人生設計を考えてもいいんだと思いました。

西岡 地域ごとにいろんな文化があると知りました。私もこれからいろんなところに住んで、体験してみたいです。

神里 みんなの出身地に行ってみたいと思いました。DIALOGはダイバーシティーにあふれていると再認識。メンバーのバックグラウンドを知ることができる貴重な機会でした。

久野 いろんな意見が聞けて、自分のような意見もありなんだなと安心しました。同時に、地元のことも考えるのが大事だなと思いました。

 自分の生まれ育った地元を変えることはできない。親の介護など、地元との付き合い方を、改めて考えるきっかけになりました。

まだ見ぬ「地方」 もっと知りたい
降矢桃佳(DIALOG学生部)

 見てきた世界は、人それぞれ違います。みんなの話から、地方の暮らしも千差万別だと知りました。「地方出身」と一口に言っても、人によってこんなにも違うのかと驚きました。

 国内旅行をすると、「ここは暮らしやすそうなところだな」「リモートワークの場所として来てみたい」と考えることがあります。私の知らない魅力的な「地方」は、もっともっとあるはずです。

 このセッションを見た都市部出身の方の意見も、ぜひ聞いてみたいです。

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